PHOTO YODOBASHI

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PENTAX 17, Photo by TAK

PENTAX 17 / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2 vol.3

発売以来入手困難が続いていたPENTAX 17も、めでたく在庫が安定してきたようです。無いと欲しくなるのは人の性ですが、有ると冷静になる必要はございません。今すぐカートに指をお運びの上、無上のフィルムライフをお送りください。第3弾はモノクロフィルム編です。おおよその検証は前回までにお伝えしたので、今回はちょっと力を抜いて楽しんできました。まあそれがイチナナの本分でしょうからね。使用したフィルムは期限切れの富士フイルムネオパン100ACROS、1本です。現行品ではなく初代のACROSですね。2018年に発売終了となる前に買い溜めしていたら(「希少性の原理」の好例)、ラブコールに応えて翌年ACROS IIとして復活。伝統が生まれると、当事者が辞めたくても周りがほっとかない。これも人の性です。存続の危機から周囲のサポートで復活した老舗の話とか、聞きますからね。フィルムカメラ、そして一眼レフも是非続けていただきたいものです。ともかくこの期限切れフィルム、写るかなあ、そこまで古くないからまあ写るだろと思ってたら、本当に普通に写っていました(笑)。フィルム恐るべし。めずらしく1枚目に横位置を持ってきましたが、今回選んだ10枚で横位置は4枚と健闘しております(何を?)。

( Photography & Text : TAK )

  • PENTAX 17, Photo by TAK
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と言いつつ早速縦位置です。ポジション違いの連続ショットで遊んでみました。片方はネガの雰囲気ですが並べてみると不思議。ネガもこうして見るとなかなか綺麗なものです。

PENTAX 17, Photo by TAK

何十年かぶりの影遊び。ちょっと恥ずかしかったですが。アスファルトもどれがホコリでどれがそうではないのか、確かめる気すら起きません。宇宙ぽくていいじゃないですか。そういえば、イチナナを提げている学生さんを市内で複数見たことがあります。まさにそういった方に使って欲しいカメラなので、嬉しいですね。


PENTAX 17, Photo by TAK

粒子の正体は銀と聞くと、シルバーに反応してしまいます。暗い中にヌーッと、ザラッと浮かび上がる感じが出せて嬉しい。様々なサイズの銀が放つケミカルな色気。それがモノクロ写真の主成分です。

PENTAX 17, Photo by TAK

8月16日の五山送り火。ようやくみんなで見れるようになりました。フラッシュ、スローシンクロ撮影ですが、真正面からのベタっとした光とブレが夏の夜の気怠さとリンクしています。フラッシュ内蔵機も以前より数が減りました。というよりコンパクトカメラ自体が減りましたが。ともかく内蔵フラッシュにしか出せないライブ感があり、それが理由でエントリークラスも使って来ました。イチナナにも付けていただき、幸甚の極みでございます。

PENTAX 17, Photo by TAK

ソース漬けも決定的瞬間も2度目はありません。ちなみに、この一枚にはホコリ、いやアンドロメダ星雲しか写っておりません。串カツの油でコーティングされたシャッターボタンが、落ち着いた鈍い輝きを放っております。


PENTAX 17, Photo by TAK

中央の蜘蛛の巣も真逆光の中よく解像しています、な〜んて検証はもう要らないですね。でもこのレンズ、繰り返しになりますが、本当にシャープなんです。

PENTAX 17, Photo by TAK

写真は切り取る行為です。切り取り方次第で、あるエリアだけちょっと異世界のように見えることがあります。こちらも周りはザ・日常なんですが、この世、あの世、いやその区分すらも超越したような、まさにモノクロにお誂え向きの世界がありました。人物がいなければただの草むらなんですが、一人入ることで不思議な空間に。それを光学ファインダーで実像を見ながら切り取る喜びと言ったら。しかも記録されるのはファインダーにも映らない白黒の世界で、その像は時間差で現れる。愉しくない訳がありません。


PENTAX 17, Photo by TAK

イチナナモノクロで、心豊かに写真を楽しもう

こちらのカットはトリミングして露出ミスで潰れたトーンを無理やり持ち上げています。情報の「じ」の字もありませんが、朧げな感じが気に入ってしまいました。フィルムは失敗も含めて味として処理しやすく、デジタルで緊張した神経を癒やしてくれます。ちなみに今回はモノクロフィルムということで、デジタイズもK-3 Mark III Monochromeでやってみました。結果は違いがわかりませんでした(笑)。つまりフィルム1コマというエリアは、カラー機で十分過ぎるほど解像できるということです。そりゃそうですよね。

ただでさえじっくり撮るフィルム。モノクロとなるとさらに考えますし、そういう時に切るシャッターって、本当に心を豊かにしてくれるんですよね。それがフィルム1本で72回も味わえる。なんとも贅沢ではありませんか。どアンダー、どオーバー、ピンボケ、いいじゃないですか。いいねされようがされまいが、まず自分が満たされるか。先ほど「異世界」と申し上げましたが、この世は異世界の集合体とも言えます。カメラは、どの世界に思いを馳せたかを一瞬で記録する魔法のような道具。それで充分です。芸術の秋も深まり、モノトーンの冬を迎えた所もあります。そしてうららかな春、「暑い」以上の形容詞の開発が待たれる夏もまたやってきます。今こそイチナナで、フィルムに焼き付けてみませんか。

最後は、ホコリ取りが織りなすスペクタクルをお届けします。この作業に限っては肘が悲鳴を上げます。共に労わりつつ楽しみましょう!

PENTAX 17, Photo by TAK

( 2024.11.18 )

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デジタルデトックス効果もありそうな稀有なカメラ。プレゼントにもいかがでしょうか。

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Films never die! Monochrome rules!

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ホコリ取りで急激に痛んだ肘にはまずアイシング。ホットにも対応しています。

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速乾性で、塗った後少し待てば服にベタつくこともありません。

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