PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
PENTAX K-3 Mark III Monochrome / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2 vol.3 vol.4 vol.5 vol.6 vol.7
with
smc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR
( Photography & Text : TAK )
このカメラだから実現できる、高倍率ズームとモノクロのコンビネーション
K-3 Mark III Monochrome続編、今回のお供はsmc PENTAX-DA 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR(フルサイズ換算で27.5-207mm相当)となります。システムを組む時、28-200mmあたりの高倍率ズームは必ず加えたい1本です。遠景から近景までほとんどのシーンを押さえられる上に、サイズも十分コンパクトで現場でのレンズ交換という作業からも解放されます。周辺の解像力こそ絞っても劇的には向上しないものの、中心部はシャープで総合的に見れば十分な画質が担保されています。他にもズームの選択肢はあるのですが、遠景の一部が絶景なんてことも多いので、今回はリーチの長さがもたらす捕捉力を重視しました。使ってみて感じたのは可搬性、ズーム域、画質の絶妙なるバランスで、本当にこれ1本で事足りてしまいます。画質も表現の意図をしっかりと反映させる水準を保っています。無論単焦点のようなボケは期待できませんが、背景がある程度判る程度にほどよくぼける方が現場の雰囲気を伝えやすく、多少の暗さもカメラの高感度耐性で何とでもなります。しかもモノクロなら粒状感も大歓迎ですしね。現在、モノクロセンサーを搭載したカメラで純正の高倍率ズームレンズが使えるのはK-3 Mark III Monochromeだけです。フィルム時代はモノクロフィルムを装填するだけで同様のことができたのですが、感材がカメラと一体化したデジタル時代ではこの組み合わせが新鮮に感じられます。
フィルムといえば、撮影枚数や感度といった制約があるからこそ、より真摯に写真に向き合うメリットがあります。K-3 Mark III Monochromeの場合は、デジタルの利便性を持ちつつもモノクロでしか写せない制約があるからこそ、より光に敏感になり丁寧に撮影に臨んでいる気がします。カラーでも撮りたくなるのももちろん事実で、GRなどをサブとして持ち出すことはあります。しかし、K-3 Mark III Monochrome一台で出かけて後悔したことは一度もありません。むしろ、心が軽やかになるように思います。
( 2023.07.31 )