PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon EOS R8 / SHOOTING REPORT
キヤノンのEOS R8のシューティングレポートです。発売が2023年4月ですから、もうかなり時間が経ってのレビューとなります。すでに購入された方も多いと思いますが、ここでは改めてこのカメラの魅力をお伝えできればと思います。このカメラの最大の特長は「この大きさ、この軽さでフルサイズ」ということ。もちろん、これは画質が担保された上での話です。このカメラの性格・使われた方からして、もっとカジュアルで都会的な被写体をとも考えたのですが、そういうのはすでに多く出回っていますし、これだけ時間が経ってしまった今、あえて正反対の被写体を選んでみました。
なお今回のカットはすべて、レンズキットとして用意されている「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」との組み合わせで撮影しています。同時に公開した「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMのシューティングレポート」も同様にこのボディとの組み合わせなので、併せてご覧になるのがよろしいと思います。
( Photography & Text : NB )
このカットに限らず、撮影したものすべてに「キレのよさと透明感」を感じます。曖昧とか、思わせぶりとか、「そこは行間を読んでよ」みたいなものが一切ない、わかりやすくキレイな画です。
フルサイズだから画質が良いわけではもちろんなく、さらに言えば画素数が多いほど良いわけでもないのは、フォトヨドバシをご覧になるほどの分別ある紳士淑女の皆さんならよくお分かりだと思いますが、何が言いたいかというと、2420万画素で十分じゃないか、ということ。ただし、真面目に、適切にチューニングされていれば、の話。
そもそも輝度差が大きめの被写体ではありますが、コントラストがやや強調された写りであると思います。それでいて「こう写ってほしい」というイメージ通りに写ってくれるんですから、そこは流石。
いいですねえ。いい。なんといいますか、言い淀みがない。そういう写りをしてくれます。いかにも秋の空!という感じの雲の表現も申し分なし。
質感が分かるカットを。花の質感や構造が良好な解像力によって見事に表現されています。
これは陽が当たっているところよりも、暗い部分の表現を見てゾクゾクすべきでしょう。先にコントラストについて書きましたが、かと言ってシャドウが簡単に潰れたりはせず、粘るべきところはしっかり粘ってくれる。そんな印象です。
コントラストとシャドウの粘りが生み出す光と影の描写が面白くて、気がついたらこんな写真ばかり撮ってました。いい感じの光が、目で見た通り・・・ではなく、そこにさらにプラスαされて、美しく写し取られています。その「α」が何かというと、やはり「キレの良さと透明感」だと思います。
まったくいじっていません。撮って出しでこの写りです。シャープさと柔らかさが適切に同居し、さらに回り込んだ光と、光がある故の闇が織りなす造形と立体感。そして色味。素晴らしい写りです。
内蔵されているクリエイティブフィルターでいろいろ遊べます。左上から時計回りにジオラマ風/ソフトフォーカス/トイカメラ風/ラフモノクロ。このほか、魚眼風/水彩風/HDR絵画調標準/HDRグラフィック調/HDR油彩調/HDRビンテージ調、の全10種類(スチル撮影の場合)が用意されています。
自由な撮影をしっかりバックアップする高性能
今さら? という誹りを恐れずに言うと、手に持った瞬間、口から出た言葉は「軽っ!」でした。次いで「これでフルサイズなの?」と。バッテリー、SDカードを含めた重さが461g。小型軽量のフルサイズ機は各社から出ていますが、実際に測った質量はともかく、持った時の感覚で言えば群を抜いている印象です。それは徒らに小さくすることを避け、「使いやすさを犠牲にしていないカタチ、大きさ」だからこその「軽っ!」であったように思います。もちろん画質はご覧いただいた通り。AFも速い。起動も瞬時。インターフェースを含めた操作性もなんら不満なし。しかしこのカメラ、あんまり難しい顔をして使うカメラではありません。カジュアルに、気の向くまま、ふと目にしたものを気兼ねなく撮るためのカメラ。なーんにも考えなくても「自由に撮っちゃってください、こっちは大丈夫ですから!」と、性能がしっかりバックアップしてくれている。EOS R8はそんなカメラです。
( 2024.11.15 )
小型軽量の使いやすいフルサイズミラーレス一眼。
こちらは24-50mmの標準ズームがついたレンズキットです。