PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II

PENTAX K-1 Mark II / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2

「PENTAX K-1 Mark II」の外観プレビューはご覧になっていただけましたでしょうか? K-1ユーザーの方々は、バグフィックスがほとんどのファームウェアアップデートばかりで新しいニュースを心待ちにしていたと思います。今回の新モデルK-1 Mark IIはK-1からのマイナーチェンジモデルで、画像処理エンジンにアクセラレーターユニットが追加されたことで高感度の画質がより高くなっているとのこと。また、AFの高速化、また動体に対する予測性能も向上しており、バッテリーの持ちはやや悪くなっているものの、これだけパワフルなシステムですからそこはご容赦くださいといったところでしょうか。画像処理のパラメーターについても全面的に見直されたということです。期待のリアル・レゾリューション・システム IIが手持ちに対応したという大きなトピックは見逃せませんね。センサーシフト式の手ぶれ補正を利用し、マルチショットで高解像度画像を作成するこのリアル・レゾリューション・システムは、ペンタックスのお家芸ともいえるセンサーシフトのなせる技。ある意味、飛び道具的なシステムでもあり、その原理を考えると動く被写体には向かず、手持ちでの撮影は難しいと考えるのが普通かと思います。そこがK-1 Mark IIのすごいところ。手ぶれの動きについて解析し、手ぶれそのものをピクセルシフトに利用して高解像度画像を生成するというのです。今回K-1 Mark IIに採用されているリアル・レゾリューション・システム IIの凄みを検証するべく、原寸画像などもまじえて、しっかりとその実力をご覧になっていただきたいと思います。

( Photography : Z II / Text : Z II & Rica )


PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II

春から初夏へ。

PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II

PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II

PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II

PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II

ひと雨ごとに季節が進むこの時期は、少し山間部に行けば春というよりまだ冬に近い景色が残り、平地では夏がすぐそこまできているという景色を見ることができます。今回新しくなったK-1 Mark IIの手持ちリアル・レゾリューションで、このどちらの景色も根こそぎ撮ってみようと出かけてみました。前モデルのリアル・レゾリューションではまず三脚必須という条件がネックになって日常で使うには敷居が高かった印象でしたので、今回は完全手持ち撮影です。まず冒頭のツツジを撮った作例では少し露出を暗めにして花が浮き出るように撮影しました。咲き初めの瑞々しさを余すことなく描いていてちょっとゾクッとしました。またシャドウ部に隠れた花も葉もしっかり解像していて膨大な量の色彩情報が凝縮されているのがわかります。遠景の雪山の作例ではハイライト側の斜面がトーンジャンプしそうな難しいシーンですがしっかりと山肌の質感を残し、かつ超高精彩に凹凸を描いています。雨に濡れた牡丹の作例は1/30秒のスローシャッターで試して見ましたが、しっかりとブレも抑えリアル・レゾリューションの効果も発揮できています。もはやシーンを選ばないリアル・レゾリューション・システム IIになったことで、まさに景色を根こそぎ持ち帰ることができるモデルになった印象です。確かに1枚撮影するごとに画が生成されるまで30秒弱かかるという点はありますが、長く撮影をしていると、これは間違いなくいい写真になるというシーンに出くわすことがあります。そんなときにこの新しいリアル・レゾリューション・システムがあったらと想像するだけでワクワクしませんか? または今ここでK-1 Mark IIがあったらなぁという瞬間もあることでしょう。そう思った方は是非一度店頭で触って見てください。そしてその場で撮影画像を拡大表示して見て、そこで一緒にゾクっとしましょう。(2枚目と6枚目はクリックで原寸画像をご覧いただけます)


PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II

さてここからは、通常モードの撮影です。ずっと向こうからお父さんが呼んでいるのですが、この子は我関せずといった様子で踊るように自由気ままに自分の世界に入っています。予測不能の動きでしたがAF-Cで狙ってしっかりとピントが合っています。新しいアクセラレーターユニットの効果で前モデルよりも処理速度が向上しAF-Cの速さも精度も上がっています。

PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II

つがいの鴨が偶然寄ってきたのでそっとフレキシブルチルトのモニターを上に向けて地面すれすれにカメラを構え、AFは追尾モードにして撮影することができました。数枚シャッターを切って餌をくれないことがわかるとそそくさと離れていきました。野生の彼らも生きるために人を見分けるための目が進化しているのだなぁと感じました。

PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II

ペンタックスのカメラは防塵防滴に無類の強さを発揮しますので、雨の中でも濡れることを全く気にすることなく撮影できます。フルサイズセンサーではキットレンズでも十分なボケを得られます。それにしてもこの表情、子どもは正直ですね。

PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II


PENTAX K-1 Mark II, HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6ED DC WR, Photo by Z II

  • PHOTO YODOBASHIISO 6400
  • PHOTO YODOBASHIISO 12800
  • PHOTO YODOBASHIISO 25600
  • PHOTO YODOBASHIISO 51200
  • PHOTO YODOBASHIISO 102800
  • PHOTO YODOBASHIISO 819200

新しく搭載されたアクセラレーターユニットは高感度撮影においても高次元でのノイズ処理を実現しました。最高感度は前モデルよりも2段分のISO 819200まで撮影可能になっています。とはいえ最高感度で撮るシーンはそう多くはないでしょうから、実用できる感度がおよそ2段上がったと考えるべきだと思います。使って見た実感としましてはISO 25600前後までは実用できるのではないでしょうか。ワイドレンズを装着しての天体撮影などにも有効です。(各感度ごとにクリックすると拡大します)


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PENTAX フルサイズ機の完成形。

ボディレビューでも触れた通り、PENTAX K-1 Mark IIは、前モデルに新たなアクセラレーターユニットが搭載されたマイナーチェンジモデル。一見ちょっとしか変わってないように見えますが実際に使ってみると、あーなるほどペンタックスがやりたかったことはこれか!と、なにか腑に落ちるようなものが伝わってきました。前モデルのレビューでも撮らせていただいたのですが、ペンタックス独自の機能であるリアル・レゾリューション・システムは、撮影時に揃えなければならない条件がいくつかあって撮影の範囲がかえって狭まってしまう感じがしていました。というのは撮影者も被写体も完全に固定しておかねばならないので三脚が必須だったり、被写体となる木の葉っぱなどが風で揺れたりすると、十分な効果が得られないと感じたからです。そして今回K-1 Mark IIの大きな進化のひとつの手持ち撮影も可能になったリアル・レゾリューション・システム IIは三脚なしで、あの超高精彩画像が得られるということで、風景カメラマンのみならず画素数マニアの方も気になるのではと思います。実際に使ってみると前モデル同様に4回シャッターが切れたあと、しばらく待ってから一瞬表示されるプレビュー画面ですら、すでにものすごい画質感を匂わせニヤリ。確認するために拡大表示すると4×5サイズのポジフィルムを思わせるほどのまさにフルサイズを超えた写りにまたニンマリ。被写体のブレの問題も一体どうやっているのか、新しくなったアクセラレーターユニットのおかげでかなり改善されているように感じました。しかもF値もそこそこのキットズームレンズでこの写りですので、キレのある単焦点レンズで撮ったらどうなるのか?などと期待も膨らみます。これはかなり使える印象です。ただし、1枚切るごとに約20秒から30秒はカメラ内で処理中となり撮影はストップします。でもそれを差し引いても有り余る写りであることは間違いないですし、1枚撮るのに時間がかかる分、露出と構図を綿密に決めて光を選びシャッターを切るという作業はフィルム時代を思い起こさせる感覚で意外と楽しめました。リアル・レゾリューションは連続して何枚もシャッターを切る撮影には向かないですがじっくりと構える、まさに大判撮影のような気持ちで撮るとよいでしょう。連続して撮影するときの通常モードだってそこはフルサイズですから写りにはなんの不満はありませんし、処理スピードが速くなった恩恵でAF-Cの精度や高感度の撮影が必要な場面でも進化の効果を実感できると思います。動きのある舞台撮影や照明の暗い音楽ライブの撮影などでも画質を落とすことなくブレない写真が撮れそうです。いま、ペンタックスをお持ちの方も、メーカーを問わずこれから新たにフルサイズカメラを購入を考えている方にもおすすめしたいボディです。なぜならペンタックスの最上位機種として完成したと言っていい一台だからです。

( 2018.04.20 )

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PENTAX K-1から2年。真面目に作ったこのK-1をベースに、イメージセンサーの性能をフルに引き出す超解像技術が進化しました。高画質画像のさらなる追求はもちろん、期待のリアル・レゾリューション・システムは手持ちにも対応するなど、“K-1らしい”部分をしっかりと伸ばしたモデルです。

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今回は、購入したら即撮影に出かけられる、そして初めてのPENTAXフルサイズモデルの購入でも安心のレンズキットが同時に発売となっています。28-105mmの広角から中望遠域をカバーするズームレンズは常用レンズとして最適な比較的小さく軽量な標準ズームレンズです。

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縦位置での撮影時の安定性も高まるバッテリーグリップです。カメラ本体と同様にシャッターやAEロック、AF、ISO、露出補正、グリーンの各ボタンやプレビューレバー、ダブル電子ダイヤルを装備。電源は専用リチウムイオン充電池のほか、単三形電池(6本)も使用可能です。

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バッテリーの持ちがK-1よりもやや落ちているとはいえ、十分な容量はあるのですが、予備バッテリーはいくつあっても問題ありません。撮りたいときに撮れなくなってしまうのを防ぐためにも、できれば常に予備を携行したいものですね。

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特殊低分散(ED)ガラス3枚、非球面レンズ4枚を採用するなど贅沢な硝材を採用し、緻密な描写を実現。K-1 Mark IIのセンサーのポテンシャルを余すことなく引き出してくれる、開放F2.8通しの標準ズームレンズです。

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描写力を極限まで高めるため、ゴーストレスコートや高屈折率ガラスを贅沢に採用。F1.9の開放値、シャープで階調豊かな描写、8枚の絞り羽による柔らかなボケ味はフルサイズのK-1 Mark IIでこそ味わえます。

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