PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
PENTAX K-70 / SHOOTING REPORT
PENTAXから新たに登場したK-70はAPS-CサイズのK-S2の後継機という位置付けとなります。主な改良点はまず画素数は2012万画素から2424万画素になり上位モデルのK-3 IIとほぼ同等になりました。これをフルサイズに換算するとおよそ5,000万画素相当の計算になりますので、いま出ている各社のフラッグシップカメラに引けを取らない数字であることがわかります。メーカーいわく画像処理エンジンの「PRIME MII」と新開発の「アクセラレーターユニット」なるものを組み合わせることによって高度にノイズを低減し最高ISO感度102400という超高感度撮影が可能となったとのこと。さらにライブビューAFはK-1やK-3IIの上位機種の技術を受け継いでいてこれまでより格段に速く精度が高くなってます。これほど改良されながらも、重量はK-3IIよりも約100g軽量で、K-S2とほぼ同等の688g(バッテリー・SDカード含む)に仕上がっています。さてスペックがわかったところで写りの方を見ていこうと思います。
( Photography & Text : Z II )
眩しい夏の日差しに照らされ思わず帽子に手を添える一瞬を捉えました。瞬間的なシーンにもかかわらずAFもしっかりと追いつき帽子のコントラストもきれいに再現してます。
雲が白とびするギリギリのところに露出を合わせました。シャドー部分もちゃんと残ってます。これだけの高画素センサーでありながらこの粘り強さはなかなかですね。
夕立のあと蓮の池に行ってみました。撥水性の葉の上を転がる水の感じ、緑色の微妙な濃淡さえも忠実に再現できています。
まって〜と声が聞こえてきそうなシーン。記憶のどこかにしまってある光景に出会えた気がして思わずシャッターを切りました。いつでも気軽に持ち歩けて思いのままに動いてくれるカメラは、日常の中にあるふとした一瞬を余すことなく残してくれます。
片手でラクラク撮れちゃう
カメラを持って歩くとなるとサイズと重さは気になるところです。特に女性の方がカメラを選ぶ基準のひとつにカバンに入れて持ってみた時の重量感が大きな決め手だと聞きます。K-70はデジタル一眼レフカメラとしては軽量コンパクトで、今回のキットレンズは欲張り7.5倍ズームなので少々重めですが、例えて言うなら八百屋さんの店先で見かける小玉スイカ(1.5kgほど)より軽い仕上がり。それこそ夏の肩掛けバッグからさっと出して片手でパチリなんてできるのがうれしいですね。また思い切って小さな単焦点レンズを装着すれば、もっとすっきりして軽快になりそうです。
PENTAXおなじみの軽量コンパクトなボディはK-S2とほぼ同じ。グリップはK-S2よりも大きく深くなり、片手で持ってぶら下げていてもまったく不安は感じません。これは手袋をした状態や手の大きな男性でもしっかりホールドできる造りとなっています。
雨も海も砂でも心配無用
浜辺で背後から子どもが猛烈なダッシュで迫ってきました。ライブビューモード、AFは追尾モードに素早くセットし膝をついて待ち構えます。横を走り去る瞬間に追尾モードでロックオン。勢いあまってサンダルが脱げながら、そのままの勢いで駆け抜けるシーンを捉えられました。予測通りに撮ることができたのは、AFの速さと正確さのおかげ。加えて砂浜で気軽にカメラを構えられるのも防塵効果があってこそと言えます。
さて、昼過ぎの漁港は出荷も終わり片付けのシーン。特注であろうぶっといホースから気持ちよいくらい流れる水を狙ってみました。手前の人物に露出を合わせたにもかかわらず、背景も飛ばずにしっかり描いてくれています。濡れた床面、水しぶきや量感もよく伝わる写りですね。
印象的な赤いバケツにフォーカスしてみました。ベタッとならずに立体感が残っているのはローパスフィルターレスのおかげもありそうですね。
お昼ご飯は漁港近くの海の家。注文したのはきっと海鮮丼?こういう何気ないシーンこそ思い出深い一枚になるものです。
夏は夜
K-70はより高感度撮影に強くなったので夏の江戸、日本橋の夜を撮ってみました。ISO6400で撮影ですが少し前のカメラのISO1600くらいの写りでほとんどノイズも気になりません。手ぶれ補正と組み合わせれば夜のスナップも手持ちでサクサク撮れそうです。
こちらはISO3200。ほぼ常用レベルなのではないでしょうか。
ほぼ、付いてます。
最近のカメラは機能が多すぎるという話をよく聞きます。技術が進歩して便利な機能がどんどん搭載される中、便利だけれど、そんなに必要でもない…という機能もあるかもしれません。とはいえ、やっぱりあると助かる機能も確かにあります。例えば、光の少ない場面でもブレずに撮れる手ぶれ補正、高感度撮影のノイズ軽減、高精度の動体追尾AF、視野率100%の光学ファインダー、Wi-Fi転送、丸洗いできそうなほど信頼のおける防塵防滴機能などですが、これら全てついてます。つまりK-70は、家族で海や山に出かけてガンガン撮りまくれますし、じっくり三脚に据えて撮る本格的なネイチャーフォトまで幅広くカバーしているのです。ふだん使いのその先に必要な機能の数々がこれほど付いてお求めやすく出せるPENTAXはなかなかすごいことです。初めてのデジタル一眼レフカメラを買おうという方も、今持っているデジタルカメラからステップアップしようと考えている方にとっても、K-70はとてもよい選択肢となるでしょう。
( 2016.08.09 )
APS-Cフォーマットに対応したペンタックス・一眼レフの最新モデルが登場。防塵防滴をはじめ手ブレ補正など、お馴染みの機能はほぼ全部入ったお買い得なカメラの登場です。
7.5倍のワイドレンジのズームレンズを組み合わせたK-70・レンズキットです。こちらはシルバー、メタリックなカラーがかっこいいですね。
既にペンタックスユーザーの方はボディ単体をどうぞ。こちらは精悍なブラックです。
ボディキットのシルバーモデル。軽量コンパクトなボディですから、小さな単焦点レンズと組み合わせても良さそうです。