PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Panasonic LUMIX DC-TX3, Photo by TAK

Panasonic LUMIX DC-TX3 / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2

スマートフォンのカメラが進化するにつれ、コンパクトカメラの市場が縮小しているのはご存知の通りです。そんな中、一般的なスマートフォンが採用する1/2.3型の約4倍の面積を持つ裏面照射型の1型CMOSセンサーを搭載し、ライカの高倍率ズームと組み合わせたTX3が救世主のように登場。まさに一筋の明るい光であり、その働きぶりについては、レポート第一弾でお伝えした通りです。第二弾となる今回は、例年にないほどの長い秋雨に見舞われたのを良いことに、雨が映えるモノクロ縛り、オール手持ちでお送りいたします。もちろん望遠多めです。望遠でここまでの画質は、さすがにスマホでは得られませんから。

( Photography & Text : TAK )

Panasonic LUMIX DC-TX3, Photo by TAK

TX3のフォトスタイルには「モノクローム」と「L.モノクローム」の2種類のモノクロのスタイルがあります。オススメはよりコントラストの豊かな「L.モノクローム」。大人の事情からか「L.」となっていますが、何のイニシャルかはレンズ前面をご覧ください。他のモデルでは、より正直、いやストレートな名称の「LEICAモノクローム」というフォトスタイルも選べたりするのですが、ともかく、同じモノクロームでも、その伝統あるメーカーが監修したものは、いかにも「写真してるねえ!」といった雰囲気があります。今回は、これをベースとします。もちろんそのまま使えるレベルではあるのですが、特にモノクロ写真においては、撮って出しでおしまいということは、ほとんどありません。ハイライトを下げたり、シャドウを引き締めたり、時には覆い焼きを施したり。そもそも現実通りに写ってないのですから、程度の差こそあれ、必要があればとにかく作り込む。これがモノクロ写真最大の愉しみです。問題は、元データがヘビーな後処理に耐えるか。結果は、ご覧の通りです。そして、望遠が効いています。と言ってもこのカットでは約150mm相当です。24-360mm相当というたっぷりのレンジから、構図をステップレスで選べる余裕。これは心強いです。

Panasonic LUMIX DC-TX3, Photo by TAK

こういう雨ならではのシーンも、モノクロ魂をくすぐります。元々白い花ですが、葉の緑がモノトーンになることで一層引き立っていますし、シャドウの情報量も多いので、後処理で細かいステップで黒を絞めることができました。ボケもふんわりとして実に良い感じです。1型センサーがもたらす余裕が、ここでも物を言います。

Panasonic LUMIX DC-TX3, Photo by TAK

先ほどの花を収めたところで、意外な来客が撮ってくれと言わんばかりに登場。コサメビタキちゃんでしょうか。目がクリッとしてて可愛らしい小鳥ですが、東南アジア方面へ渡りの途中かもしれません。それにしても、まさかコンデジで撮れるとは思っていませんでした。とにかく360mm相当の望遠端までズームインして、ダメ元でそ〜っと近づいてはシャッターを押すを繰り返していたところ(コツは「あなたには気付いてないよ/撮る気ないよ」という雰囲気を醸し出すこと)、最後は例によって通行人を警戒して飛んでいきました。いや、十分ではないでしょうか。もちろん手持ちですが、望遠端で野鳥には遅すぎるシャッター速度でした。にもかかわらず、強力な手ぶれ補正が効いて像がクッキリしています。スマホではデジタルズーム頼みの領域ですが、やるじゃんTX3!もちろんRAW撮影ですからカラー出力も可能です。

Panasonic LUMIX DC-TX3, Photo by TAK

粋なセンスに、私も招かれました。京都らしくじめっとした空気だったのですが、見ていて本当に一瞬涼しく感じられたのです。

Panasonic LUMIX DC-TX3, Photo by TAK

こちらの方も涼を求めて、チルしています。解像感も十分高いのですが、何と美しいのでしょう。モノクロで撮ると、どんな野鳥も等しく美しく見えます。それにしても1型センサーの画質とサイズのバランスの良さには、毎回感心します。これだけの表現ができてコンパクトなら、もうカメラはこれで良いやとさえ思えてくるのですが、デジタルが生んだ新しいスタンダードなのかもしれませんね。このカテゴリーのカメラが、もっともっと出てきて欲しいものです。

Panasonic LUMIX DC-TX3, Photo by TAK

間接光がほんのりと照らす、濃淡だけの静かな世界。グラデーションの全てを広角で入れ込みました。しかもモノトーンでは静寂性が一層際立ちます。オーディオで言うところの、ノイズフロアが下がった状態です。写真の話に戻ると、高感度ノイズはこのあたりでは出てきます。ただ、モノクロの世界では雰囲気を高めてくれるウェルカムな存在。白壁の部分とか、ちょうど良い感じじゃないですか。

Panasonic LUMIX DC-TX3, Photo by TAK

Panasonic LUMIX DC-TX3, Photo by TAK

Panasonic LUMIX DC-TX3, Photo by TAK

京都からも、大阪の街が見えるんです。遠景もここまで写れば文句ありません。


PHOTO YODOBASHI

今どき貴重な、ちょっといいコンパクト。懐深い描写がモノクロでもいきる。

今回、カラーバリエーションのグラファイトシルバーを使う機会に恵まれたのですが、これが上質な文房具のような雰囲気もあって、滅茶苦茶カッコいいのです。それでいて、裏面照射型の1型センサーにライカレンズで固めていますから、肝心な写りも抜かりはありません。しかもその底力は、階調表現力が試されるモノクロ写真でも存分に発揮されます。前機種には搭載されていたファインダーが欲しかったという思いには、正直私も共感するところはあります。ただ、これは全てのカメラに言えることですが、人間、無きゃ無いで何とかするんですよね。で、今回も何とかなりました。いや、それ以上の結果に満足しております。そして、カメラがコンパクトであることの魅力は、何物にも変えられません。手の塞がりがちな雨の日でも取り回しやすく、小さいカメラってやっぱり良いなとしみじみ感じた次第です。今回、降雨時は左手に傘を持ち、右手でカメラを操作していました。ISO感度はオート、撮影モードはプログラムモードで望みましたが、全くのノープロブレム。特に手ぶれ補正がかなり強力で、ファインダーなしでもぶれにくい印象です。AFは、少しのんびりしているかもしれません。ただそれはレンズ交換式などと比べたらの話で、カメラのペースに合わせれば良いだけのことです。これだけのズーム域で自動で合わせてくれるのですから、一瞬くらいは待ってあげても良いでしょう。以前は当然のように存在した、ちょっと上質な万能コンパクトカメラ。その灯火を絶やさずにいてくれるパナソニックには、感謝しかありません。メインやサブとしてはもちろん、ちょっと出かける時にもこの一台をぜひポケットに忍ばせてください。もちろん、スマートフォンからのステップアップにもおすすめ。何でしたら、ちょっとしたスマホよりお安いことに、気付いていただいても構いません。

( 2026.09.17 )

Loading..
Loading..

兎にも角にもこの色。一瞥で、欲しくなります。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

カメラとは黒きもの。それもまた真なり。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..