PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Nikon Ai Nikkor 50mm f/1.2S

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

昨今のレンズはともかくよく写ります。それはもう本当に隙が無いほどに。しかし、人は贅沢なことを望むもので、今度は写るだけではない魅力を探したり。またモノサシひとつ変えるだけで、目に飛び込んでくるレンズも変わってくるのですが、そもそも満たしてくれる物があったりするから困ったものです。ズームから標準・単焦点に持ち替えるだけで画もひと味変わってきますが、もう少し設計の古いレンズと今時の高画素機を組み合わせると少し面白いですよ。画素数が少なかった頃は、開放の際の諸収差が目について使いづらかったものですが、画素数が上がるにつれて柔らかさの中に芯が感じられるように。この50mm f1.2も、少しシネ的な画が欲しい、ベールのかかったような画が欲しい時にうってつけの1本。手に入れると、なかなか楽しい遊びが転がってきます。

( Photography & Text : K )

少し前の機種にマウントすると、開放では少し緩さが目立ったのですが、D800あたりにマウントすると適度な湿り気に感じるから面白いですよね。現在のような洗練されたプレスではなく、人の手が多く介在した時代の車のフォルムを捉えるには、なかなかよい組み合わせです。

レンズ構成からか、柔らかいのですがゴワついた雰囲気が同居する、少しクラシカルなボケ味。こんなレンズは硬い物を撮るにはうってつけ。

ウエットなボケ味です。若干二線気味なのも、楽しいところ。つるんと丸いボケ味を常に望む人には少し使いづらいかも知れませんが、ハマると面白いですよ。色乗りが凄くよいレンズだと思います。

強反射とも言うべき強烈な日差しの中で、意地悪に上に向けて撮ってみました。今時のレンズに比べるとフレアが目立つのですが、人の眼で見たときはこんなものでしょう。そのままストレートに写る感じです。なかなか味わい深い描写。

f1.2となると、被写界深度はかなり浅くなります。中間あたりにピントを置くと結構面白い画になります。

甘いのは開放だけ。1段絞り込むだけで画面全体が随分スッキリしてきますが、f4まで絞るとかなりキレのある描写に。昔のレンズはこのあたりが面白いところで、使いこなす楽しみがあります。

差し込む光をこんな風に捉える。一番の使い道かもしれませんね。パキっと写ると、まあ見た通りなのですが、レンズに委ねて遊ぶというのも面白いのです。

最新のレンズなら、もっとバキバキにシャープでしょう。しかし、残存収差はいわゆる「雰囲気」を画の中に残してくれると思うのです。

設計の古いレンズは、ピンを外しても輪郭が残りやすく、逆に外して遊ぶということも。一本手元にあると、楽しいですよ。

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どちらかといえばクセ玉。だから楽しいのです。

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