PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Nikon ZR, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by KIMURAX

Nikon ZR / SHOOTING REPORT

昨年、ニコンからZ CINEMAシリーズとして、初のシネマカメラ「NIKON ZR」が登場したのはまだ記憶に新しい所でしょう。もちろんフォトヨドバシでもレビューをお届けしており、動画用カメラとしての機能・性能・使い勝手を紹介しました。そのボディデザインは従来のZシリーズとは異なる、ファインダー(EVF)非搭載のすっきりとしたスクエアフォルム。物理的なボタンやダイヤルといった操作系は少ないものの、重さは約630g(バッテリーとメモリーカードを含む)。実はこれ、Zシリーズの同じくフルサイズセンサーを搭載するカメラと比べ、なんと最軽量なのです。また主なスペックをざっと眺めてみると、センサー:2450万画素(部分積層型)、画像処理エンジン:EXPEED 7、シャッタースピード:1/16000秒〜30秒、ISO感度:100〜64000、ボディ内手ブレ補正:5軸。発売年の近しいミラーレスカメラZ6IIIの内容と変わらぬ充実ぶり。スチル撮影が中心になるミラーレスカメラでも動画撮影ができるように、動画撮影に強いZRでもスチル撮影が可能。というわけで、本機の身軽さをスチル撮影に活かしてみようと、その写りや使い心地を試してきましたので作例と共にご覧ください。

( Photography & Text : KIMURAX )

Nikon ZR, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by KIMURAX

いざ撮り始めると、広々と感じる4.0型の背面液晶モニター(約307万ドット)に現れる濃密なトーンにハッとさせられました。近頃は4000万画素オーバーの機種もちらほら増えてきましたが、ZRは有効画素数2450万画素。画素数を欲張らないことで画素ピッチに余裕があるためか、トーンに厚みというか深みがあるのでしょう。もちろん、最新の画像処理エンジンEXPEED 7による精細な画作りもかなり効いているはず。ご覧の通りアンバー系のLED照明が差し色になっているものの、画全体として僅かな光の量の違いを丹念に描き分けているので、コントラストとトーンだけで画が成り立っているかのような仕上がりです。

Nikon ZR, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by KIMURAX

雲越しとはいえなかなかの光量ですが、逆光時に低下しやすいコントラストもしっかりとキープしています。もちろんZレンズの中でも、より高い基準を満たすS-Lineレンズ(NIKKOR Z 24-70mm f/4 S)の性能も効いているとは思いますが。手前の葉っぱはさすがに暗く落ち込んでいるものの、影になっているビルにも階調がちゃんと残っています。試しにJPEGデータを後処理で暗部をしっかりと持ち上げてみましたが、葉の表情が分かるほどに破綻なく解像しており、懐の深いダイナミックレンジの余裕を感じさせる写りです。

Nikon ZR, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by KIMURAX

オートフォーカスは-10EVの低照度下まで検出可能なので、暗いシーンへの対応力も高いと言えます。また、常用ISO感度は100~64000と謳われており、早速ISO 6400にて撮影。高感度撮影だという意識で見ていくとノイズが有るには有るのですが、ISO 1600あるいは800あたりでの撮像だと言われても何ら疑う余地もないような仕上がりに感じます。ISO 6400でノイズを気にせず撮影できる実用レベルであることに驚きますし、レンズの選択の幅が広いことも嬉しいですね。


Nikon ZR, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by KIMURAX

ボディ内手ブレ補正はイメージセンサーシフト方式5軸補正。二つのモード、ノーマルとスポーツから選択でき、こちらのカットは動体撮影に適したスポーツモードにて撮影しました。シャッタースピードは1/15秒ですからこの間、しっかり手ブレを抑えてくれたということ。頼もしい限りです。シャッターボタンは、スチル向けのミラーレス一眼に比べて押し心地が柔らかめ。使い始めは半押しのつもりが一気にレリーズしてしまうこともしばしばでしたが、撮っているうちにすっかり慣れてしまいました。おかげで流し撮りもこの通りです。

Nikon ZR, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by KIMURAX

しゃがんだ姿勢でそっとそっとと近づいたのですが、飛び立つわけでもなくトコトコ足早に遠ざかっていく二羽。すると後方からスーッと一羽がフレームインしてきたではありませんか。このカットはタッチシャッターで撮影したものです。背面液晶モニター上でフォーカスしたいところでタップするだけで、瞬時にAFポイントが移動し、フォーカスして、シャッターが切れる。その一連の挙動がとにかく速いわけで、これぞ瞬撮。タッチシャッターやタッチAFなどは、背面モニターを備えた昨今のカメラなら特段珍しい機能ではありませんが、4.0型のモニターは随分と広く感じるためかタッチやタップの操作がしやすいのです。かなり感覚的な話で恐縮なのですが、スマホで撮影している時の感覚に近いのでしょうかね。画面の広さが、使い心地にかなり影響しているのかと思います。そして何より、タッチ操作のレスポンスが良好で、使っていて気持ちがよいのです。ところで本機は、9種類(人物、犬、猫、鳥、飛行機、車、バイク、自転車、列車)の被写体検出機能も備えています。特定種での設定はもちろん、「オート」にすれば種類切り換え不要で、画面内の被写体に自動でピントを合わせてくれますのでこれまた便利です。

Nikon ZR, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by KIMURAX

本機にはファインダー(EVF)がありません。液晶モニターでの撮影に限られるため、日中の明るい屋外や強い光源の下ではモニターの視認性に不安を感じられる方もいると思います。この日も太陽が高い所でしっかりと顔を出す時間帯もあり、液晶モニターをカメラ本体に格納した状態での撮影は、画面が広いとはいえ見ずらく感じる場面もありました。そういう時には、液晶モニターのバリアングル式を活かし、反射しにくいアングルに調整してタッチシャッターを活用するのもひとつの手かと。画像表示がカメラの光軸からずれますが、意外と慣れてしまうものですから活用してみるとよいでしょう。


Nikon ZR, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by KIMURAX

粘着フィルムでロゴがあしらわれたテーブル。手前側には屋根があり直射日光の影響が少なかったようで、色褪せ具合が随分と異なっていましたが、いかがでしょうこの再現力。マットな質感はもちろん、白い文字はスッキリクリア。紫外線による赤の変色具合まできちんと見て取れるあたりはお見事です。

Nikon ZR, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by KIMURAX

本機にはピクチャーコントロールシステムが搭載されており、様々な色彩表現が可能です。その中に、ニコンとRED Digital Cinemaの技術を融合したZRらしく「CineBias_RED」か登録されています。小雨が降る中、マリーゴールドを撮影してみましたが、シックな色合いでコントラストが抑えられた柔らかな雰囲気。ひとつ前のカットではニコンらしい色再現の堅実さが窺えたわけですが(ピクチャーコントロール:スタンダード)、基準となる色の確かさがあってこその色彩遊び、いろいろと楽しめそうです。

Nikon ZR, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by KIMURAX


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軽量スリムなフルサイズカメラ、いいじゃない。

動画撮影をメインに考えられた作り込みですから、スチル撮影がメインのカメラに比べボタンやスイッチ類は少なくスマホのようなタッチ操作が多くなりますが、使い慣れてしまえばほとんど問題ないように感じました。EVFは絶対、モニターはチルト式で、といったこだわりが無ければ、身軽なフルサイズカメラとして相当活躍してくれるはずです。コンパクトな単焦点レンズなんかと組み合わせたら、お散歩スナップの足取りも軽くなるはずでしょうし、何せこの写真の仕上がりですからね。冒頭でも触れたようにスチル撮影能力的には、ミドルクラスのZ6IIIとほぼ変わらないのですから当然と言えば当然なのですが。なぜなのか、ZRの価格設定がZ6IIIよりもかなりリーズナブルなものですから更にビックリです。ゆくゆくは本格的な動画撮影にも挑戦してみたいけど、ひとまずフルサイズ機のカメラをお探しの方には申し分のない選択肢かと。あるいは、フルサイズ機を考えているけど、予算的にちょっとね、、、と思案されている方にも有力候補となるはずです。

( 2026.09.30 )

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今回使用したズームレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」とのセットです。届いたその日から即撮影開始OK。ワクワクしますね。

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レンズはご自分で選びたいという方はボディのみで。コンパクトな単焦点レンズと組み合わせたら、これまたきっと楽しいはず。

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やっぱりファインダー(EVF)は欲しいよねという方はコチラですね。

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液晶モニターはチルト式の方が好きなのでという方には、1世代前のZ6IIもあります。

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