PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz

LEICA Q3 Monochrom / SHOOTING REPORT

明るい単焦点レンズに35mmフルサイズセンサーを搭載したレンズ一体型カメラ「ライカ Q3 Monochrom」の実写レビューをお届けします。製品名の通りモノクロ専用のカメラとなります。ライカQシリーズは、フォトグラファー向けのミニマムなカメラとしてはもちろんのこと、高級コンパクトとしても人気のカメラ。撮り手の要求にも高いレベルで応えてくれる豊かな表現力を持ち、またカメラ任せで撮ったとしても期待以上の結果をもたらしてくれる頼もしさを併せ持っています。その写りのよさに加え、金属ボディによる造りのよさやシンプルで美しいデザインが評価され、ハイブランドのカメラとしても多くの支持を得ています。本機は2015年に始まったライカQシリーズの第3世代となるQ3をベースにモノクロ専用のCMOSセンサーを採用した特別なモデル。スペックについてはベースとなるライカQ3と基本的に同一で、60MP / 36MP / 18MPのトリプルレゾリューションに対応した裏面照射型センサーと映像エンジン「Maestro IV」が採用されています。

( Photography & Text : Naz )

LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz

レンズは初代Qから一貫して「SUMMILUX 28mm F1.7 ASPH.」を搭載。開放から抜群によく写る名レンズです。Q3の派生モデルであるQ3 43のAPO-SUMMIMCORONのように本機のSUMMILUXには“APO”こそついていませんが、本レンズも遜色ない光学性能であるといっても過言ではありません。特に収差を感じないクリアで立体感のある描写がとても素晴らしい。撮り始めてすぐは少々硬い描写に感じたものの、近接から遠景まで安定度は見事で、クロップ耐性が求められることも踏まえればビシッとした写りはむしろ好感が持てるところです。AFはコントラスト方式のみとなりますが、インナーフォーカスを組み合わせて俊敏かつ良好な精度も実現しています。その構造から静粛性や防塵防滴性能にも寄与しているでしょう。最高1/2000秒までのレンズシャッターに加え、1/16000秒までの電子シャッターにより、開放F1.7を日中でも積極的に使えるところも嬉しいポイントです。

LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz

鈍く光る2台のキャンピングトレーラー。製造年代の違いでしょうか。異なる形状に加え、ポリッシュされたものとマットになっているものそれぞれが異なる質感で描かれています。厚みをも感じ取れそうなアルミニウムの独特な手触りや温度も伝わってくるようです。色を持たないモノクロ画像でありながらも、ご覧の通り得られる情報はとてもリッチ。カラーと撮り比べてはいませんが、重厚感の再現はこちらではないかと思い込んでしまえそうな程でした。

LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz

レンズ鏡胴のリングを回してマクロモードに切り替えた際の最短撮影距離は0.17m~(通常時は0.3m~)。被写体までの距離は付属のフード先端からわずか数センチ。とにかく寄れます。しかもその写りは周辺でも崩れることはなく、マクロレンズかと錯覚する安定感です。ピント面のキレと美しいボケ味は近接域でも健在。Q3から背面ディスプレイがチルト化され、ローアングルやハイアングルからの世界も捉えやすくなりました。


LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz

PHOTO YODOBASHI 本機は28mmというワイドな画角と60MPのセンサーを活かし、クロップによる複数の画角をサポートしています。28mm / 35mm / 50mm / 75mm / 90mmと5つのフレームを切り替えることが可能で、M型ライカを彷彿とさせるブライトフレーム風の表示ながらも、そのフレームは視野率100%と隅々まで追い込みやすく、しかもEVFですからファインダーを覗いた時点からモノクロ表示となるのも直感的で“上がり”をイメージしやすかったです。この作例では75mm相当のフレームを選択。3552×2368pxとフルフレームと比べ小さな画像となりますが、その画像をそのまま表示させてみても、ご覧の通り鑑賞サイズなら十分に感じます(画像のクリックで原寸を表示します)。

種明かしになりますが、サムネイルはDNGファイルに残る28mmフルフレームの画像をJPEGにしたもの(こちらも画像のクリックで原寸を表示します)。クロップモードは背面のボタンによりトグルで切り替えられ、設定により任意のフレームだけを選択肢とすることも可能です。75mmや90mmまでとはいかなくても、35mmでは39MP、50mmでは19MPの画像が得られますから、不足を感じることはありません。個人的には予め設定した28mm / 35mm / 50mmのフレームをテンポよく切り替えられるのが便利だと感じました。

LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz

広島県竹原市に残る古い町並み。あのマッサンの生まれ故郷です。白い壁に黒い木材が組み合わされた日本の建築物は、輝度差が大きく写真を撮るには難しい題材。カラー写真は色彩とコントラストで見せるため、ハイライトを残しながらシャドウを潰さずに撮るのが難しくなりますが、本機で撮るモノクロ写真では階調表現が滑らかで深みがあり、シャドウが潰れずよく粘ってくれます。こういった被写体も複雑な濃淡で描いてくれますから、むしろ相性がいいですね。旅に持ち出したくなるカメラです。

LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz縦位置では35mmが使いやすいです。こちらは静岡県の由比に残る旧東海道の町並み。東名高速と国道1号、東海道線が並んで海沿いを走るそのすぐ脇にはこんな光景が今も存在しています。

LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz曇天の漁港。カラーで撮るよりも切り詰めた露出で撮影しました。光の乏しい条件でもモノクロらしい深みあるトーンで描かれ、空の重く微妙な濃淡もしっかりと再現してくれました。十分な解像力がありますから、敢えて28mmフレームのまま空を大きく、人物を小さく入れたとしてもディテールが不足することはありません。

LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz

LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz

空のトーンが残るようハイライトに露出を合わせ、他はすべてシルエットに。カラーではやらない撮影手法ですが、モノクロだといい具合に抽象化してくれますね。


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光と影を描くQ3

面白く楽しいカメラでした。Qシリーズのイージーにも撮れてしまう包容力に、敢えてモノクロ専用機という強烈なキャラクターを与えてしまったのが本機です。その尖っているところに価値をつくり1台のカメラに仕立ててしまえるのが、他にないカメラを生み出せるライカの凄いところなのでしょう。ターゲットとなるユーザーは決して多くないと想像しますが、Q2 Monochromに続きQ3 Monochromが登場したということは、一定の支持と評価が得られているということなのだと思います。筆者はライカM9をベースとした初代M Monochromを手にして以来、M型ライカのモノクロ機を愛用してきましたが、モノクロ専用機で撮るようになると、カラー機でモノクロ写真を一切撮らなくなります。以後は当たり前のように「モノクロ写真はモノクロ専用機で撮るものだ」と考えるようになります。その違いをなんと表現すればいいでしょうか? 階調の深さが違う、画の説得力が違う、たぶんそんなところです。実際に使った人にしかわからないところではありますが、恐らくそこがモノクロ専用機の価値なのでしょう。だからこそ、光と影を愛するモノクロ写真愛好家の方に手にしていただきたい。同じ画素数のセンサーでもデモザイク(補完)処理が行われないため、Q3ではより先鋭度の高い緻密なモノクロ画像が得られます。これはカラー画像をモノクロ変換したのでは決して得られないものなのです。お馴染みの赤バッジもなく、トップカバーの筆記体ロゴもない控えめな外観は、撮るための道具により徹した玄人好みの味付けです。Q3 MonochromはM型ライカのモノクロ専用機と異なりレンズも固定式ですから、どのレンズをマウントするか迷うこともなく、より撮ることに集中できるのも意外と心地よく感じました。


  • LEICA Q3 Monochrom, Photo by Naz対応感度はISO 200〜200000。このカットはISO 2500で撮影しましたが、本機にとってこの程度は「高感度」と言わないのでしょう。原寸に拡大すればノイズも見えてきますが、浮いた感じはなくフィルムの粒子のようによく馴染んでいます(画像のクリックで原寸を表示します)。並んだ靴ひとつひとつ異なる革の質感再現、ヤレ感や靴墨の染み込み具合までモノクロームならではのリアリティが素晴らしく感じます。
  • LEICA Q3 Monochrom, Photo by Nazコーヒーを淹れる人物をガラス越しに撮影しました。さすがにAFでのピント合わせは狙い通りに行きませんでしたが、フォーカスノブの操作でAF/MFを簡単に切り替えられ、そのままマニュアルでのピント合わせへ移行できる点が秀逸に感じました。これ以外にも、シャッター速度や絞り値、マクロモードは背面のディスプレイでメニューを表示させることなくマニュアル値からオートへも直接切り替えが可能なため、直感的に操作が行えます(画像のクリックで原寸を表示します)。

本機は動画撮影が行える希少なモノクローム専用機でもあります。波打ち際に三脚を据え収録しました。モノクロマジックというべきなのか何もしなくてもいい感じに撮れてしまいます。標準的設定の16:9の4K 60p(3840×2160)で撮影しましたが、17:9のC8K(8192×4320)や16:9の8K(7680×4320)でも撮影可能です。

( 2026.01.15 )

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モノクロ専用の特別なライカQ3です。Q3シリーズ向けにリリースされたファームウェア(Ver.4.0.0)が採用され、より扱いやすくなっています。

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片手でのホールド性が高まるサムレスト。

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本体に直接モバイルバッテリー等から給電可能ですが、1日しっかり撮影するなら予備バッテリーは安心材料。Q2やSL/SL2/SL3とも共用可能です。

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バッテリーを2本同時充電可能なチャージャー。バッテリーを複数本お持ちの方は、こちらがあるとロケ前夜もよく眠れます。

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プロテクトフィルターとしてもお使える純正のUVフィルター。

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おしゃれなロープタイプのストラップです。

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ワイヤレスチャージャーに対応したハンドグリップ。サムグリップと同様にボディのホールド性を高められます。

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こちらがそのワイヤレスチャージャー。置いておくだけで充電できるなんてすごいですね。

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好みはありますが、より浅いレリーズ感となります。作例撮影でも使用しました。

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書き込み速度が高速なSDXCカードもお忘れなく。連写や動画撮影でも安心です。

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