PHOTO YODOBASHI

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FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

FUJIFILM GF55mmF1.7 R WR

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[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

富士フイルムGマウント用に開放値F1.7の大口径単焦点レンズGF55mmF1.7 R WR(フルサイズ換算44mm相当)が登場しました。これでGF80mmF1.7 R WRと合わせてF1.7が2本ラインアップ。ラージフォーマットで大口径レンズの写りを楽しみたい方には待ちに待った一本ではないでしょうか。本レンズの構成はEDレンズ2枚と非球面レンズ2枚を含む10群14枚。フォーカスによる各種収差(色収差・球面収差・コマ収差)の変動を抑えるため、そのうち8枚のレンズ(非球面レンズ1枚とEDレンズ2枚を含む)をフォーカスレンズに使用し、撮影距離全域で柔らかいボケ味と高い解像性能を実現したとのこと。加えてGFレンズで初めて11枚羽根の絞りを採用、絞っても綺麗なボケ味が期待されます。またAFには、大きなレンズユニットを駆動させるためにDCモーターを搭載。ベアリングなどを使うことで振動と駆動音を抑制し、ストレスのないフォーカスを実現しています。美しいボケ味と高解像感にこだわった本レンズ、一億画素のセンサーを持つGFX100 IIでその写りをじっくりと堪能してきました。

( Photography & Text : A.Inden )

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

まず開放での描写です。ピントピークはカリカリとしたシャープさではなく、立体感とトーンを大切に丁寧に描きこんでいる印象です。拡大して見ると、葉の一枚一枚の瑞々しさに思わず驚いてしまいました。中判センサーの階調の豊かさはもちろんですが、それを余すところなく使えるレンズあってこその描写でしょう(画像のクリックで原寸画像をご覧いただけます)。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

絞った描写です。もう言葉はいりませんね。画面の隅々まで、石の数が数えられるほど解像しています。太陽が照りつけるコントラストの高い条件ですが、石のハイライトからシャドーまで調子が残っています。開放ではほんの少し周辺減光が見られましたが絞ると解消します(画像のクリックで原寸画像をご覧いただけます)。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

ピント位置はコントラストのない白い手袋。AFは狙ったところに静かにスムーズに合います。AFスピードが速いというわけではありませんが、被写体とじっくり向き合うラージフォーマットカメラの撮影スタイルであればストレスを感じることはないと思いました。後ろのボケは柔らかく自然にボケていて、ピントピークの被写体を際立たせています。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

開放、ほぼ最短撮影距離(0.5m)で撮影。真ん中の2つの石のうち、奥の緑の石にピントを合わせています。中判センサー・開放値F1.7ですからピントが薄いのは当たり前ですが、拡大するとその薄さに驚きます。水の表現も絶妙で、海水が持つわずかな粘度までも感じられるようです(画像のクリックで原寸画像をご覧いただけます)。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

狭い路地に部分的に光が差し込んでくる明暗差の激しいシーン。撮影後にRAW画像で確認したところ、ハイライトからシャドーまでデータがしっかりと残っていました。これだけトーン豊かに写し取ってくれれば、条件の厳しい場所でも安心して撮影できるのではないでしょうか。


FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

逆光だって物ともしません。コントラストも十分にあり、ビルの意匠の細かい部分まで曖昧さのない写りです。建築撮影におけるラージフォーマットサイズの優位性はフィルム時代から変わらないようです。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

開放での玉ボケです。周辺にいくにつれて口径食が見られますが、崩れ方は少ないようです。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

奥の白い提灯にピントを合わせています。光が柔らかくコントラストがつきにくい条件ですが、ピントピークの立体感は十分ではないでしょうか。前ボケは後ろボケに比べ若干硬いように感じました。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden


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豊かなトーンが見せるリアルな写り

実に階調豊かなレンズで、写真を撮るのが楽しくなりました。本レンズの柔らかいボケ味と緻密な描写も、それを支える豊かなトーンあってのこと。この幅広い階調が温度や湿度までも感じられるようなリアリティを写真に与えてくれるのだと思います。そしてこのような表現力を持つ本レンズであればこそ、ラージフォーマットの魅力が余すところなく発揮されるわけです。フルサイズ換算44mm相当の焦点距離も使いやすく、何気なく被写体を見つめた視野とほぼ一致する標準レンズですから、いいなと思った瞬間を直感的にフレーミングして切り取ることができました。スムースなAFや防塵防滴など、日常使いに最適な機能もしっかり搭載されているので安心。ラージフォーマットの世界をごく普通に味わってみてください。入り口として最適な一本。おすすめです。

( 2024.03.29 )

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お待たせいたしました。開放値F1.7に55mmが追加されました。

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もう一本の開放値F1.7。まるで双子のようですから、もう一本増えても気づかれないと思います。

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