PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

FUJIFILM GFX100 II / SHOOTING REPORT

GFXシリーズの新フラッグシップモデル「GFX100 II」を 紹介します。先代モデル(GFX100GFX100S)からの一番の進化は、新開発の1億200万画素高速センサー「GFX 102MP CMOS II HS」と画像エンジンX-Processor 5を搭載することで、最大2倍の信号読み出し速度を実現したこと。これにより高速連写性能は秒8コマ、AFはより高速で正確になり、フィールドを選ばず積極的に撮影できるカメラに進化しました。光の利用効率を高めた新しいセンサーは、周辺部の画質が向上。43.8mm × 32.9mmの中判センサーを余す事なく堪能することができます。また画素構造の改良により常用感度がISO 80まで下がり、より広いダイナミックレンジ・低ノイズを実現。高速、高画素となると一番心配されるのが手ブレですが、5軸のボディ内手ブレ補正は、従来モデル6.0段分から8.0段分に向上し、高画質をしっかりと支えてくれると思います。スペックを見る限り、中判カメラらしからぬ軽快な使用感が得られるのではないでしょうか。その操作感と写りをじっくりと確かめてきました。

( Photography & Text : A.Inden )

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

まずは1億200万画素がみせる驚異的な描写を確認ください(※画像のクリックで原寸画像をご覧いただけます)。拡大してご覧いただくと、背表紙の小さな文字まで読めてしまうことがお分かりになるでしょう。中判センサーらしくピントピークを中心になだらかにボケていくのですが、ピントの合っている範囲であれば画面の周辺であっても精密な描写です。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

GFX100 IIから常用感度にISO 80が新たに追加されました。たかだかISO 20の違いだと思っていたのですが、撮るとびっくり。写りがさらに洗練され、雑味のない描写に嬉しくなりました。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

周辺まで曖昧さのない緻密な描写。建物の微妙な材質の違いを描き分ける豊かな階調。建築写真に求められる要素を高い次元で叶えてくれているのではないでしょうか。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

中判センサーのメリットの一つが大きなボケ味。ピント位置は1mほど離れたベンチの座面。ほぼ一点にしか合焦していないボケだけで構成された画面ですが、なんとも美しい写真に仕上がっていませんか。


FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

ありふれた言い方かもしれませんが、手触りや質感、温度、湿気までも感じられるようなリアリティのある写りです。元々GFX100の質感描写は凄いものでしたが、また数段次元が上がったように思いました。解像力に目が行きがちな本機ですが、その本領は豊かなトーンかもしれません。光の微細な変化まで逃さずに描き切った写りに、ゾクッとするような美しさを感じます(※画像のクリックで原寸画像をご覧いただけます)。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

約4億画素の撮影が可能な「ピクセルシフトマルチショット」が搭載されています。この機能はイメージセンサーを0.5画素ずつ超高精度にシフトさせることで16枚のRAWファイルを撮影し、撮影後に専用ソフトウエア「Pixel Shift Combiner」で1枚のDNGファイル形式に生成するもの。上のカットは4億画素の画像を長辺1920pxに縮小したものですが、画像をクリックすると画面中心部分をトリミングした1億画素と4億画素の画像を並列して見ることができます。画素数が増えることによって緻密さが増すのはもちろんですが、忠実な色再現にも驚きました。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

橋の上から川を覗き込む姿勢でシャッタースピード1/4秒で手持ち撮影。ここまでのスローシャッターが切れるのであれば、三脚が立てづらい環境でも安心して撮影できます。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

ISO 6400で撮影。拡大してみると若干ノイズが感じられますが十分実用の範囲ではないでしょうか。上の画像をクリックするとISO 400から ISO 12800まで撮り比べた画像を見ることができます。感度を上げると普通は画の調子も変わってくるのですが、本機は全くと言っていいほど変わらないことに驚かされました。

FUJIFILM GFX100 II, GF55mmF1.7 R WR, Photo by A.Inden

ディープラーニング技術を用いて開発された被写体検出AFが搭載され、AIによる被写体検出が可能になりました。このカットは動物認識モードで撮影。猫に声をかけて振り向いた瞬間に瞳に合焦し、一度合ってしまえばカメラのフレーミングを変えても同じ場所を追い続けてくれます。実際は写っているよりも暗いシーンだったのですが、AFが迷うことはありませんでした。


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オールマイティに使える中判1億画素

約4年前、1億画素を実現したGFX100の登場は相当なインパクトがありました。1億画素を活かすため何を撮るか悩み、解像感を余すことなく伝えるために三脚に据えてじっくり撮らなくてはと、大型カメラで撮影するかのような感覚になったことを思い出します。では、本機GFX100 IIはどうか・・・全く別のカメラと言ってもいいほど使いやすく進化していました。その進化がどれほど凄いのか、実際使ってみるまでわかりませんでしたが、シャッターを切るほどにその使い勝手の良さと確実に被写体を捉える正確さを実感しました。やがて三脚を持つのをやめて、街中を手持ちでスナップシューターのように撮影するスタイルに。1億画素でスナップ、すごい時代になったものです。気楽に撮影した結果も、家に帰ってパソコンで見ればやはり中判センサー、1億画素の写りです。特にISO 80で撮影することで滑らかな描写が得られ、8.0段分の手ブレ補正機能がしっかり効いているから歩留まりも良く、低感度や低照度でも安心して使うことができました。さまざまなシーンでオールマイティに使えるようになり、本当の意味で誰にでもおすすめできるカメラになったと思います。「いつかはGFX100 II」と思うことは、正常な思考ではないでしょうか。

  • PHOTO YODOBASHI直線的なデザインが美しいGFX100 IIの外観。グリップ上部には操作性の高い3つのFnボタンが新たに配置されました。全体を覆う本体ラバーは新開発のBISHAMON-TEXを採用しグリップ性も向上しています。外形寸法152.4×117.4×98.6mm。バッテリー・カードを含む質量は、EVF装着時で約1,030g、未装着時で約948g。
  • PHOTO YODOBASHI軍艦部を手前に11度傾斜することで撮影情報が確認しやすくなりました。取り外し可能な軍艦部のEVFはファインダー倍率1.0倍、944万ドットの高倍率・高精細。従来機より大型化し視認性が向上した天面のサブモニターはカスタマイズ可能でヒストグラムやシャッターダイヤルなどを表示することができます。
  • PHOTO YODOBASHI背面の液晶モニターは3.2型・約236万ドットの3方向チルト式タッチパネルタイプ。背面のスイッチ類は右手だけで操作できるようにすっきりとまとめられています。
  • PHOTO YODOBASHI液晶モニターが少し後ろに出ることで、上から覗いた時にEVFの出っ張りを気にしないで撮影できます。
  • PHOTO YODOBASHIボディのサイドにはEthernetポート、マイク端子、HDMI TypeA、USB-C端子が装備されており、外部機器と接続性が向上。
  • PHOTO YODOBASHIメディアスロットはCFexpress Type BカードとSDカードのデュアルタイプ。

( 2024.01.12 )

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使いやすさがマシマシになり、1億画素の世界を気楽に堪能できるように。

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じっくり撮影するのであれば、予備バッテリーがあれば安心。

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