PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Carl Zeiss Milvus 2.8/18
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
Milvus 2.8/18は、ディスタゴンタイプのレンズ設計を採用したデジタル一眼レフ用として新たに設計された超広角レンズです。12群14枚と贅沢な作り込みは、非球面レンズ2枚、異常部分分散性ガラスを4枚も奢った新規の光学系で、その描写は「色再現性を含め、驚くほどのシャープさは他に類を見ない超一級のレンズ」と謳うほどのもの。まずは言葉を連ねるよりも、作例カットをご覧頂くのが一番かと。過酷な条件下での撮影に対しても配慮された防塵防滴機能を備えた本レンズを抱え、降りしきる雨の中を撮影してまいりました。超一級の写りをじっくりご堪能ください。
( Photography : T.T / Text : T.T & TA )
薄曇りの早朝に一瞬日が射しました。逆光に照らされた港に並ぶ船。暗部も潰れることなく描かれ、また、強い光に対するフレアも無くクリアに情景を写し撮ってくれました。
最短撮影距離は約23cmとかなり短くワイドマクロ的な撮影も楽しめます。絞り開放F2.8で被写体にググッと寄れば、想像以上にピント面は浅く、柔らかいボケが得られます。額紫陽花の花びらがキリッと立ち上がって気持ちの良い立体感を描いてくれました。
梅雨の晴れ間に園児が楽しく散歩に出かけていました。煉瓦の大きな建物に緑のある空間。目の前に広がる情景や景色を丸ごとリアルに写しこめるのが18mmという画角です。ツァイスならではの空のブルーも良いですね。
- 雨が降りしきる梅雨空の中、撮影に出かけました。大きな木を前にした時、山には霧がかかり大粒の雨が降ってきました。撮影には厳しいコンディションながらも、これが美しい情景だったりするのですね。ミルバスは防塵防滴機能を備えており、過酷な条件下でも躊躇うことなく撮影に集中出来るので、様々なシーンに挑むことができます。
- ツァイスのミルバスですから、歪曲の心配はしていませんでしたが、ご覧の通り気持ち良いほど伸びやかな直線で描いてくれました。光を感じた黒い鉄の扉の輝きも良いですね。
想像を掻き立てるダイナミックな18mmの画角と超一級の写りを手に
ミルバスシリーズの中では重量721g、全長93mmと軽量コンパクトながら、ダイナミックな画角から紡ぎ出される凄みを感じる描写に感動すら思えました。どこまでもまっすぐに描かれる直線は実に気持ちの良いもので、目にした景色や情景をリアルに写し込むだけでなく、心の琴線に触れる何かまでをも写しとめている。手にしたら、きっと楽しいだろうなあという想像を掻き立てられますね。
レンズ構成はディスタゴンタイプのレトロフォーカスデザインとあって、同じ広角系レンズのビオゴンやホロゴンのような対照型のレンズ構成に比べると、絞り開放から周辺光量の低下が少ない。これはレンズとしての扱いやすさに繋がる要素であり、一方、歪曲収差もかなりの次元で抑え込まれている印象です。また、ツァイスならではの発色の良さも際立っている一本。このレンズを持っていて良かった。そう思えるレンズはそうないと思いますよ。
( 2019.07.18 )
Milvus 2.8/18を手にすれば、想像を掻き立てるダイナミックな18mmの画角と超一級の写りが手に入ります。
Zeissには純正の紫外線カットフィルターがおすすめです。レンズの保護用としてもどうぞ。
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