PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
APS-Cフォーマット向けの超広角ズームレンズ「SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」に、キヤノンRFマウント用レンズが登場しました。キヤノン純正レンズにも同様の焦点域の「RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM」がありますが、本レンズはF2.8通しの大口径であることがポイント。フルサイズ換算でおおよそ16〜29mmをカバーするF2.8通しのレンズが、長さ62.0mm、最大径72.2mm、重さ270gというサイズに収まっていることに大きな意味があります。画質と携帯性を妥協しないスーパーワイドな1本となれば、現代のスナップ撮影にこの上なくフィットするはず。APS-C向けではありますが、今回はフルサイズのボディに組み合わせてみました。さあ、街に連れ出してその実力を確かめてみましょう。
( Photography : Z II / Text : Serow )
まずはこの描写力をご覧ください。ワイド端・近距離の1枚ですが、強烈ですね。緻密で生々しい表現に驚きます。スーパーワイドということもあって被写界深度は深く、開放からビシッと写ります。
正対して風景を切り取ればこんな具合に。少し絞って撮りましたが、画面の隅々まで端正にきっちりと描いてくれました。スマートフォンでの撮影が日常的になった昨今では、自然に使える画角だと思います。
超広角らしく遠近感が出て、ダイナミックな画が楽しいですね。開放からシャープな描写で、眼前の光景を漏れなく写し取ってくれます。基本的にはパンフォーカスのイメージで、躊躇なくシャッターを切っていっていけそうです。
非球面レンズや特殊低分散ガラスを贅沢に使った10群13枚のレンズ構成が、光をうまく拾ってくれるのでしょう。光量が落ちてきたシーンでも色乗りよく、リアリティのある画を生み出してくれます。水の透明感や金魚の質感が見事。アンダー目で捉えると独特の艶かしさがありますね。
場面を変えて都市光景をキャプチャーしていきます。直線が直線として伸びやかに写り、画面の隅々まで曖昧さはありません。ヌケもよく、空の表情と写り込みが美しく撮れました。
硬質な被写体と直線が幾重にも走る街のスナップには広角レンズがぴったりです。手持ちでのスローシャッターにチャレンジしてみましたが、結構いけますね。小柄なレンズであることも、撮影のしやすさに大きく貢献してくれます。
F2.8通しの明るさで夜のスナップもお手の物。現代のボディであれば感度ももっと上げてよいでしょうし、日中と変わらない感覚で撮影できると思います。本当に暗いところがよく写るんですよ。色がしっかり乗ります。
小さくてもすごい。小さいからすごい。
軽い、小さい、よく写る。おまけに価格もお手頃と、四拍子揃ったレンズです。もちろんそれはAPS-Cセンサーサイズに割り切ったから実現できること。ただし現代のミラーレスカメラであれば取り付けたレンズによって視野が狭くなるようなこともありませんし、クロップに耐えうる十分な画素数がありますから、使っていて違和感はありませんでした。フルサイズセンサーを搭載したボディを手にするとついAPS-C用レンズを選択肢から除外してしまうものですが、こうしたレンズを使わないのは今や「勿体ない」と思います。小さくて軽いというだけで撮影は楽しくなりますし、昼から夜まで場面を問わずに活躍してくれるユーティリティ性が本当に優秀。常用レンズとしてはもちろん、いつものレンズに加える1本としても積極的な選択肢となるのではないでしょうか。特におすすめしたいのは、単焦点レンズをメインに使っている方々。こちらを鞄に忍ばせておくだけで、撮影の幅がぐっと広がると思います。
( 2024.11.12 )
APS-Cサイズ対応ゆえの軽量コンパクトな超広角ズームレンズ。F2.8通し。おすすめです。
被写体にぐぐっと寄りたい広角レンズこそ、プロテクターで安心を。