PHOTO YODOBASHI
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SONY α7R VI / SHOOTING REPORT
ソニーの高画素モデルであるα7Rシリーズの6型が、ついにデビューしました。初代の発売は2013年で約3640万画素でしたが、それから13年後の最新型は6680万画素の積層型CMOSセンサーを搭載。積層型とは画素領域と回路部、それぞれ別個のチップをウエハースのように重ね合わせたタイプです。結果、各チップが任務に専念できるようになり、画質、処理、ノイズ耐性、AFなどを向上させることができます。止まることを知らない技術革新の中にあって、目下最高峰のセンサー方式と言えるでしょう。ただ、それらのメリットはコストに跳ね返ってくるので、長年α1やα9といった上位シリーズにのみ搭載されていました。また、最近ではベーシックモデルのα7 Vが部分積層型という、全部ではないにしても部分的に積層化したセンサーを搭載し、コストと性能のバランスを実現したことは記憶に新しいところです。そして今回のα7R VIは何とα1やα9と同じタイプの、フルの積層型を搭載。もちろん先代とは別物で新開発となるセンサーで、画素数もプラス580万画素、レンズ交換式デジタルカメラ黎明期の1台分ほど、積み増しされています。しかも直近モデルのα7 Vのような広いダイナミックレンジやプリ撮影などの先進機能も備えながらも、リアルタイムAF認識ではさらに進化して「+」が付いているということで、完成度がとにかく高まっています。まずはこちらの画像をクリックの上、等倍で目を凝らしてご覧ください。しとしと降りのタイミングを狙って撮影に行ったのですが、名物のあぶり餅屋さんはまだ閉まっていました。その無念を一撃で吹き飛ばしたのは、この画質です。まさに画の、質が、高い。きめ細かな新緑の潤い、瓦や石畳の鈍い照り具合、時を刻んできた木材の湿度。現場の全てが封じ込められています。
( Photography & Text : TAK )
こちらもクリックで等倍もご覧ください。スタッフさんに丁寧に手入れされたヤギさんの毛並み、柔らかそうでいて触ってみると意外にコシがある感じなど、手に取るようにわかる描写力です。「真実に、輪郭を。」がメーカーのキャッチです。このカットでも、ヤギさんがこのように横を向いている時の輪郭はもちろん、正面を向いた時の輪郭さえ窺い知れるレベルで捉えられています。結果として、真横から平面的に捉えても、頬、肩、お腹の膨らみ具合などが立体感を伴って表現されています。これを「真実」というのでしょう。
もはや説明不要ですね。等倍でどうぞ。

ダイナミックレンジはα7 Vと同じ、最大約16ストップを誇ります。これは15ストップの2倍。露出の基準を白い雲にしても、下の山並みのシャドウが潰れていません。

反射のハイライトの出方にも懐の深さを感じます。ただ、実はあまり驚きはありません。α7 Vのレポートも担当し、単にそれに慣れてしまっているからだと思います。今までレポートしてきたレンズはもちろん今後発売されるレンズも、このカメラで撮ることになったら印象が上がるでしょうね。

AFも向上していて、といっても私が撮るレベルの鉄道写真は先代でも対応可能だと思うのですが、確かに検出、追尾の質も確実に上がっていると感じました。なにせ上位機種と同じ、「リアルタイム認識AF+」になっていますから。そしてこのカットにおいても、広いダイナミックレンジが見て取れます。逆光撮影は鉄道写真の王道ではないのかもしれませんが、雰囲気重視で積極的に使うこともあるでしょう。ハイライトの破綻が起こりにくく、シャドウの情報量も無尽蔵レベル。ミッドトーンもこれまたかなりの厚みがあるので、このような湿度を含んだ朝の空気もリアルに再現できています。いやあ、この状況で、なかなかこうは写らないと思うのですよね。しかもこれは、「R」なのです。

晴天に比べるとフラットな状況でも、やはり階調がリッチです。遠方の車両や森林まで精密に写し込まれている要因には、この細かな階調表現もあるでしょう。鈍色の空もベタッと白飛びしていません。「R」であることを、もはや完全に忘れている今日この頃です。

時速100キロ付近で近づいてくる特急列車。もちろん余裕でキャプチャします。最高約30コマ/秒で、ブラックアウトフリーの連続撮影が可能です。まったく「Rげ」のない運動神経ですが、スポーツ撮影にも対応するα1やα9シリーズとの主な違いは、バッファです。この列車に関しても、あまり早くから連写を始めると、肝心なタイミングでバッファが切れて連写速度が落ちますのでご注意ください(メモリーカードもすぐに満杯に)。もちろんこれは設計思想の違いであり、単純な優劣比較ではありません。Rはあくまで高精細番長。風景や静物などを細かく描写することに主眼を置いています。ただ、連続撮影能力やAFなどのパフォーマンスさえスタンダード機レベルに達したという、とんでもないボーナスが付いてきます。
チュン活(スズメを愛でる一連の活動)には少し遠い400mmですが、6680万画素もあれば1.5倍の600mm相当でクロップしてもスタンダード機の画質になるので、これよりもっと大きなサイズで出力する余裕があります。また、より短いレンズで事足りるので、システムをコンパクト化できます。もうひとつご覧いただきたいのは、ISO 3200でのノイズ耐性。クリックして等倍でご確認ください。なお、このカットを含め、本レポートでは全カットでノイズリダクションを切っております。もう万々歳でしょう。
こちらもすごいことになっております。クリックで等倍をご覧いただけます。ちなみに全カットをオートホワイトバランスで撮影しておりますが、どの場面でも違和感を感じることはありませんでした。そこから先は好みや表現意図が絡んでくる話であり、現実をリアルに捉えるという意味では存在すら忘れるほどの安定感です。
少し減速はしていましたが通過する特急列車を、最高シャッター速度で写してみました。歪みはかなり少ないです。もちろんこの近距離で時速100km程度で通過する列車は流石に斜めになってしまうのですが、ローリングシャッターに関しては、もちろんα1シリーズには敵わないものの、Rとは思えぬハイパフォーマンスです(グローバルシャッターのα9 IIIは別格として)。
ISO感度を常用最高の32000まで上げてみましたが、これも望外の仕上がりに。ノイズリダクションをオフにしていることもありますが、超高感度とは思えぬほどに輪郭がシャープです。低照度でのAF捕捉力も抜群で、調べてみたら「EV-6」から作動するとのこと。恐れ入りました。
8K/30pの高精細動画(4:2:2 10bit)も収録可能です。8.2Kオーバーサンプリングにより、緻密な画作りを実現しています。クロップこそかかりますが、1.2倍と控えめなのも嬉しいところです。8Kはそのまま見るというよりは、クロップでも4Kレベルを担保し、編集にバリエーションを持たせるための手段でもありますから、それがサクッと撮れてしまうのはありがたいですね。冒頭の新幹線では先頭部がカーブを超えるあたりから、被写体検出が始まる様子が分かるかと思います。新緑のカットでも、豊かな階調の恩恵が見て取れます。4K時にはフルサイズ領域のままで60p、120pの撮影も可能。しかも放熱構造の改善により、8K撮影時でも最大120分の連続記録ができてしまいます。
もうひとつ注目したいのが、4K/30pまたは24pでのデュアルゲイン撮影です。メーカーサイトでは「シャドウ部のディテールを損なうことなくノイズを低減し、なめらかな階調で編集時の自由度を高めます」と、日本式の奥ゆかしきアンダーステイトメントに留まっているので(笑)、Log撮影で確かめてみました(撮影時の露出は+2EV)。無い頭でインターネット上の知識をまとめたところ、一度の露光で高ゲインと低ゲインの信号を同時に出力して合成する技術のようで、ここでも積層型ならではの高速処理が奏功しているのでしょう。確かに階調の幅が拡大し、処理耐性が向上しているのを実感します。LUTを当てた後、露出、コントラスト、ハイライト、シャドウなどを大胆に調整できるので、作例のように逆光気味のデータでも、写真を編集するような感覚で自在に調整できます。限られた条件での撮影とはなりますが、輝度差のある場面でも安心感が違います。

すべてのシーンを、無性に清書したくなる
6680万画素で16ストップのダイナミックレンジ。フルサイズセンサー搭載機で、目下最高レベルの描写力を持ったカメラであることに間違いはありません。ここまで写せるとなると、今まで収めてきた景色を、このカメラで片っ端から撮り直したくなる衝動に駆られます。そして高精細のみならず、AFの検出力、ブラックアウトフリーの連続撮影能力、オートホワイトバランスの安定感など撮影を下支えする領域でさえ、スタンダード機と比肩する、あるいは凌駕するレベルにまで引き上げられています。また、ノイズや階調がスタンダード機に全く劣らないことにも驚きました。画素ピッチの議論も、もはや無用です。とにかく、Rであることを忘れるほどにバランスも良く、使いやすい。気ままに撮っていたら、なんと超高精細。それが新しいRの到達点なのです。申し遅れましたが、新開発、約944万ドットの高精細EVFの見えも、本当に素晴らしくて気持ちよく撮影できました。このファインダーのスペック、そして価格から見ると、位置付け的には丁度α1やα9シリーズとα7 Vの間という言い方はできます。ただ、全ては使用目的次第です。このカメラがベストな選択になる方は、かなり多いはずです。風景や建築、静物などメインに少しでもディテール豊かに撮影したい、でも時々動き物や動画も確実に撮りたい。そんな方に真っ先にお勧めします。
» PHOTO YODOBASHIではα7R VIの製品発表会の様子もレポートしております。ぜひご覧ください。
USB-C端子を2基搭載。Port1はSuperSpeed USB 10 Gbps (USB 3.2)に、Port2はHi-Speed USB 480 Mbps (USB 2.0)に準拠しています。
録画ボタン左下にイルミネーションボタンを新設。
背面操作ボタンが光り、暗所での操作性が格段に向上しています。
縦位置グリップ VG-C6を装着したところ。縦位置でもホールド感が格段に向上します。
この凛々しさ。惚れます。新型バッテリー2個を装着可能で、長時間撮影が可能になります。
中央がα7R VI。タリーランプ(写真では左下部)が搭載されています。これで「逆REC」ともおさらば!私個人は見ることすら忘れるので、そこから要改善ですが(笑)。
( 2026.06.09 )
Rにふさわしい画質を、Rらしからぬ気軽さで。
バッテリーもついに新型に。容量、寿命ともにアップしています。
NP-SA100バッテリーを2個同時に充電できる、便利なチャージャーです。
操作性、安定性が格段に向上する縦位置グリップ。バッテリーを2個搭載することで、長時間撮影を可能にします。
USB Power Delivery(PD)からカメラに直接給電可能。便利なDCカプラーです。
連写や動画も視野に入れると、これくらいの容量は欲しいところです。
1TBに迫る容量があれば、鬼に金棒でしょう。
96kHz 32bitフロート録音も可能で、音割れの心配もなし。デジタルオーディオインターフェースにも対応したXLRアダプターです。
カメラ本体のMiシュー(マルチインターフェースシュー)に延長接続できる、延長ケーブルです。カメラ本体から機器を遠ざけたい時に有効です。
モニターも、過保護なくらいが丁度良いのです。





