Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL II N

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

絞り開放によって得られるボケは、まるでその場にでもいたのかと錯覚するような臨場感を生んでくれます。だからこそ、多くの人はボケの美しさに拘るのでしょうし、そんなレンズが愛されてきたと言えるでしょう。設計に無理が無いという58mmのフォクトレンダーですが、開放付近の柔らかい描写は秀逸ですね。しかし、ピントピークはしっかりとしています。写るところがしっかりと写っているからこそ、ボケが美しく感じられるのですから。そして、徐々に絞り込んでいくと切れ味抜群になってくるレンズ。マニュアルフォーカスで撮る愉しみを味わってみて下さい。

( Photography : M.Ito & K / Text : T.Nakanishi )

パレットに並んだカラフルな絵の具の色再現をご覧頂ければこのレンズの良さが伝わるでしょうか。そして開放では柔らかいですね。優しい表現です。

一転アンダーな表現はどうでしょうか。結像した部分のキリリとした質感、手前のシャドウのトーン。見事だとおもいます。

シャープな描写もお手の物のようです。エッジが立ちすぎない、好ましいシャープさではないでしょうか。