Nikon AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR II

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

絞り開放から大変シャープな像を結び、ボケ味も大変美しい。それは当然だろ、という声が飛び出してきてもおかしくはない、スペックも価格もド級のレンズです。とはいえ、明るく美しい像を結ぶファインダーを覗くだけで　思わず幸せな気分になってしまいます。200mm F2というスペックのとおり、圧縮効果を活かしてシンボリックに被写体を置きたいときに使いたいレンズです。確かに高額ではありますが、レンズはある種ボディとは違って「財産」になります。末永くこのスペックに浸れることを考えれば、むしろ安い買い物なのかもしれません。手に入れさえすれば後は、どんなアングルで、どう切り取るのか？この当たり前すぎる試行錯誤に専念できますしね。

( Photography : S.Zets / Text : KIMURAX )

このレンズで切り取った瞬間、その人は主役になります。お父さんが漏らした「いや、まいったなぁ」という声が聞こえてきそうなほど、透明感のあるシャープな描写です。

200mmで切り取ると、スワンボート達が自らの意思で集まってきているように見えてくるから不思議です。前後の美しい柔らかなボケもこの世界感をうまく演出しているのでしょう。屋根に入っていくようなフレーミングが効いています。

ちょっと元気なさげなお相撲さん。そんな時もありますよね、人間ですもの。描写はキレよく、柔らかい背景のボケは、後姿を見守る優しい眼差しをふと感じさせます。

明るいところから暗部を描写。これだけ輝度差があっても、僅かに光がまわっていさえすれば完全に潰れることはなく、ピントピークではシャープに解像し、色もよく出ています。