PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Nikon Z 30 / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2
写真趣味が高じて良い機材に手を出すようになると、必然的にエントリーモデルには目が向かなくなるものです。でも「自分が持っていないシステム」だったらどうでしょう? カメラもレンズも安いものではありませんから一式揃えてしまうと浮気は難しくなりますが、エントリーモデルなら話は別。改めて見ると、かなりコストパフォーマンスの高い選択肢だと思うのです。
本機 Nikon Z 30 は(2024年7月現在)最も廉価で手に入るニコンZボディ。EVFまで省略したことで動画撮影向けのイメージで売り出されてきましたが、極限まで機能を削ぎ落としたZボディだと理解しても良いでしょう。当然、最小・最軽量でもあり、鞄に忍ばせるにも好都合です。搭載しているのはAPS-Cサイズのセンサーですから、レンズは表現力豊かな単焦点レンズを組み合わせたい。ということでレンズには「NIKKOR Z DX 24mm f/1.7」を選びました。これで35mm判換算36mm相当の画角を備えるスナップシューターのできあがり。コンパクトカメラを1台買い増したつもりで、気楽に日常を切り取っていきましょう。
( Photography & Text : Serow )
EVFではなく背面液晶で見ながらのスナップは、撮影への没入感という意味では少し薄くなる反面、被写体に対して客観的になれる印象があります。液晶をタッチすることによるフォーカス&シャッターなど慣れてしまえば便利ですし、そもそも身近な撮影がスマートフォンになっている昨今、EVFがなくても大きな違和感は感じませんでした。実のところカメラに慣れている人ほど、機能が限られていても「使いこなしてしまう」と思います。
画は抜群に良く、難しいことを考えずともキッチリ写ります。このレンズの写りも素晴らしい。実際ボディのグレードによって機能やパフォーマンスは変われど画質をスポイルするわけではありませんから、エントリーモデルほどオイシイと思ったりもします。標準設定で撮っているだけでもモダンな画作りで、あまり調整の必要を感じませんでした。お好みに合わせたピクチャーコントロール機能は当然備えています。
今こそ試してみたい、ニコンZの世界
よく写るカメラとレンズを使えば、日常の被写体がぐっと愛おしく感じられる。どうしていつもカメラを持ち歩いて、あんなにもシャッターを切りたかったのかを思い出させてくれる。そんな数日間の撮影でした。と言っても大げさな話ではなく「やっぱり日々カメラを持ちあるいて、もっと撮っておきたいな」というぐらいの気持ち。そうしたニーズに対応する製品を選ぼうとすると、ミニマルなミラーレス一眼の魅力が俄然高まってきます。昨今センサーサイズの大きな高級コンパクトカメラという選択肢が限られてきたこともあって、ミラーレス一眼にお好みのレンズを組み合わせたほうがピッタリくるのです。それなりに機材が揃ってしまった方や、昔からの愛用品で済ませてしまっている方へ。手持ちのシステムに縛られて新しい刺激が欲しくなっている方へ。ぜひエントリーモデルという選択肢にも目を向けてほしいと思います。新製品から少し離れていたなら、それだけでデジタルカメラの進化に驚くことでしょう。まだ手にしたことがないなら、ニコンの画作り、ものづくりに触れることができるでしょう。小さくとも、いえ、小さいからこそ日常のスナップ、ライフログを大いに楽しめるカメラであります。そのプライスはページをスクロールしてご確認ください。
( 2024.07.12 )
ミニマルにニコンZを味わうならこれ。え、こんな値段で買えちゃうの?と思いませんか?
このレンズは楽しい。DXフォーマットでもいいじゃない、という気にさせてくれる一本です。