Xiaomi 11T Pro
- 108MP
- 8K/30fps
- 直感UI
- マニュアル設定
Xiaomi 11T Proの最大の特長は何と言っても108MP、つまり1億800万画素のセンサーです。携帯電話のカメラもとうとうここまで来たか!という感じですが、この高画素化がどのような恩恵をもたらすか、カメラ好きのみなさんには今さら説明しなくてもいいでしょう。そのカメラ性能を最大限に活かすため、各種設定がマニュアルで細かく調整できるようになっているのも、考えてみれば当然の話。さらにこのXiaomi、動画もすごい。4Kなんてもはや当たり前、8K/30fpsの映像が簡単に撮れちゃいます。鬼に金棒とはまさにこのこと。しかし、このXiaomi 11T Proの本当にすごいところは、これが7万円台で買えちゃうことでしょう(2022年11月現在、256GBモデルのヨドバシカメラ税込価格)。もう、驚きを通り越して呆れるしかありません。
アウトカメラ |
超広角 |
(16mm)800万画素 / F2.2
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広角(メイン) |
(25mm)1億800万画素 / F1.8 Qualcomm Spectra 580 ISP
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マクロ |
(49mm)500万画素 / F2.4
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インカメラ |
1600万画素 / F2.45
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ディスプレイ |
6.67インチ / 有機EL
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Photo Gallery
広角カメラ
3つあるカメラのうち、まずは108MPを誇る広角カメラの作例です。とは言っても常に1億800万画素で出力されるわけではなく(そんなことをしたらあっという間にストレージの容量を使い切っちゃいます)、普通にカメラアプリを立ち上げた状態では1200万画素のカメラです。1億800万画素は、そこからモードを切り替えると使えるようになる仕組み。ちなみにこの1200万画素ですが、センサーをクロップして使っているのではなく、タテヨコ3画素、つまり9画素を1画素にまとめるという処理をして実現しています。少ない画素(決して少なくはないんですけどね)の時にはちゃんと少ない画素の利点を引き出す作りというわけですね。ここでの作例はすべて108MPで撮影したものです。
鮮やかなものは鮮やかに、渋いものは渋く、正確に描き分けます。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、1億800万個の、大きさ0.0007mmの画素ひとつひとつをきっちり制御してこの画を作っているわけです。
夜の空にもグラデーションがあります。微妙なグラデーションですが、トーンジャンプなど起こすこともなく、なだらかに、自然に変化していくのが分かると思います。地上に目を転じて建築物の端正な、くっきりとした写りにも注目です。
超広角カメラ
変わって超広角カメラの作例です。こちらは800万画素。被写体との距離や、カメラのアングルによっては画面の隅に歪みが目立つ場面もありましたが、あくまでも限定的。普通に撮れば、このように歪みなく、気持ちよく写ります。
敢えて真正面の、低い位置に太陽を置いて撮ってみました。当然光源付近にはゴーストが見られますが、おかしなところに(例えばこのカットだったら空の真ん中とか)に出ないのは大したものです。それにしても画面の中には光源があり、空があり、山のシルエットがあり、山の麓には街並みがあり、手前の人物や立っている場所のディテールもあり、と露出決定が大変に難しいシーンですが、カメラにおまかせでこの通りです。
マクロカメラ
そして最後は500万画素のマクロカメラです。カメラが3つとなれば、標準/広角/望遠というセットにするパターンが多いと思うのですが、Xiaomiは望遠の代わりにマクロを持ってきました。しかしみなさんどうですか? 望遠カメラで遠くのものを撮る場面と、目の前のものを大きく撮る場面と、どちらが多いですか? これはその問いに対する、Xiaomiの回答です。
Top Feature
この大きさでも、一見しただけで黄色く色づいたイチョウの葉が大変なことになっているのが分かると思います。原寸の画像から切り出したものをご覧いただければ分かるように、1億オーバーが名ばかりではなく、きちんと機能させているのが確認できます。
動画(8K 30fps)
8K/30fpsの動画も撮ってみました。ごく短いものですがご覧ください。
User Interface
カメラアプリを立ち上げて、何も考えずにそのまま撮れば、まったく文句のつけようがない、美しい写真ができあがります。しかし、「プロ」とあるメニューを選び、画面上部にある「108」にそっとタッチすると、世界は一変します。なお、本機はRAWデータを生成する設定がありますが、108MPのモードではRAWデータは出力されず、JPEGのみとなります。
「プロ」モードでは、カメラの各種設定をマニュアルで調整することができます。こちらはホワイトバランスの設定画面。一般的なピクトグラムで選ぶ方法の他に、マニュアルで色温度を調整することもできます。
極めて精度の高いAFを搭載していますが、フォーカス位置をマニュアルで調整することができます。小さな一点をピンポイントで狙いたい時に威力を発揮します。
シャッタースピードも調整できます。特に動いている被写体を撮る時、あなたのイマジネーションを正確に、そして簡単に実現させるツールです。
露出補正も、目盛付きのスライドバーで細かく調整できます。
レンズの切り替えもこの画面から。WIDE、UW(Ultra Wide)、Macroが選択可能。108MPは「WIDE」の時にだけ設定できます。
1画素あたり0.0007円(税込)。脅威のCP。
1億800万画素がどのぐらいかというと、広い空き地に、1億800万枚の一円玉を、隙間なくびっしりと並べる作業を想像してみてください。考えただけで気が遠くなりますよね。そうです、気が遠くなるほど画素があるということです。一円玉の直径は20mmですが、こちらのピクセルサイズは0.7μm。ちなみに「1μm = 千分の1ミリ」です。そんなものを人間は作るようになってしまったのです。そしてもう一度いいますが、これが256GBのストレージを搭載した上位機種で、7万円台なのです(2022年11月現在、ヨドバシカメラ税込価格)。そしてもう一つ特筆しておきたいのは、充電に要する時間が非常に短いこと。同梱されている120Wというパワフルな充電アダプターと専用のType-Cケーブルを使用すれば、0%から満充電までわずか17分(公式サイトより)。画素数が増えればその分電力消費も大きくなるわけですから、これは心強いですね。今、スマートフォンの買い替えサイクルはどんどん短くなっています。そのたびに発生するコストを考えたら、もはや見栄を張ったり、痩せ我慢をする時代じゃないような気もします。この特集が、賢いスマートフォン選びの一助になればと思います。