PHOTO YODOBASHI

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FUJIFILM X-T5, XF8mmF3.5 R WR, Photo by Z II

FUJIFILM XF8mmF3.5 R WR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

富士フイルムXマウントより登場した超広角単焦点レンズ「XF8mmF3.5 R WR」をご紹介いたします。フルサイズ換算12mm相当の画角となる本レンズはFXレンズのラインアップでは最広角に並ぶ1本。人の視野を超える範囲を写せるとあって、このレンズならではのダイナミックな写真を撮影することができます。同マウントには「XF8-16mmF2.8 R LM WR」もありますが、こちらは超広角大口径のズームレンズですからサイズも重さも価格も相応なもの。すこし明るさを抑えた単焦点である本レンズは、超広角でありながらも驚くほど軽量コンパクトで、気軽にこの画角を味わわせてくれる存在といえます。全長52.8mm、最大径68mm、重量215gというサイズ感ですから、ボディに付けっぱなしでも鞄に忍ばせておいても苦になりません。レンズの前にフィルター装着が可能となっているのも超広角レンズにはうれしい仕様ですね。さあXシステムらしく、レンズ一本だけで身軽にショートトリップと行きましょう。超広角レンズによって旅の写真がどう写るのか早速ご覧ください。

( Photography & Text : Z II )

FUJIFILM X-T5, XF8mmF3.5 R WR, Photo by Z II

超広角の楽しさは、やはり目の前の景色をまるっと飲み込むことができる、この広い画角です。樹齢600年という巨木の圧倒的な大きさや存在感を伝えるために、できるだけ寄って見上げるように撮りました。超広角だからこそ至近距離で収められ(収まっていませんが)、画面からはみ出るほどに迫力のある写真になりました。

FUJIFILM X-T5, XF8mmF3.5 R WR, Photo by Z II

撮影場所に誰もいなかったのでカメラを水平に置きセルフタイマーにて自撮りをしてみました。景色の中に比較対象物があることでサイズ感がわかり、より雄大さが伝わるのではないでしょうか。超広角の伸びやかな写りが気持ちいいですね。

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縦横の直線が多い被写体を撮影してみました。正対して構えれば直線が歪みなくきっちり撮影できます。ボディ側の歪曲補正が効いているとはいえ、本当によく抑えてありますね。2枚目は同じ場所で上方向にレンズを向けたカットですが、同じ場所と思えないほど強力なパースがつき、一気にワイド感溢れる写真になりました。構え方ひとつでここまで画が変わるのは面白いものです。

FUJIFILM X-T5, XF8mmF3.5 R WR, Photo by Z II

モノクロと超広角は相性がいい。特にXシステムには、フィルムシミュレーション「ACROS」があります。超広角は必然的に情報量が多くなりますが、色を削ぎ落とすことで光と形に意識が集中していくのでしょう。Xを使っているならこれを楽しまない手はありません。トーンの豊かさと緻密な解像力が際立ちますね。

FUJIFILM X-T5, XF8mmF3.5 R WR, Photo by Z II

被写体にグッと寄れば超広角ならではのデフォルメを演出できます。馬と触れるくらいの距離に近づけば、ここまで大きく画面に入れられるのです。画のおもしろさに目が行きがちですが、毛並みや目の辺りに注目してみると質感描写の素晴らしさに驚きますね。

FUJIFILM X-T5, XF8mmF3.5 R WR, Photo by Z II

至る所に自生している夏の花「コオニユリ」を最短付近にて。鮮やかな色や質感も申し分なく、超広角でも背景がしっかりボケて被写体が際立っています。

FUJIFILM X-T5, XF8mmF3.5 R WR, Photo by Z II

心動いた風景にカメラを向けてフレームに収まらないことはしばしばありますが、このレンズであれば大抵の場面を写し取ることができました。高さが50mもある滝なのですが、周りの景色を入れた横アングルでも収められるのだから流石です。

FUJIFILM X-T5, XF8mmF3.5 R WR, Photo by Z II


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超広角を軽快に楽しむ

使ってみると、とにかく楽しいと感じました。コンパクトなXシステムゆえに機動性が高く、どこへでも連れ出せて軽快にサクサク撮れたことが一番のポイントです。もちろん超広角ですから、撮り方によっては被写体が変形して写ることや、きちんと構えないと大きく画面が傾いてしまうなど、扱い方にコツはあります。一方でそれは上手く撮れたときの喜びも大きく、シャッターを切る度に経験値が増していき、使いこなしていく面白さが感じられました。総じて、難しさよりも楽しさを感じるシーンのほうが多かったと思います。今回は旅先で自然風景をメインに撮影しましたが、都会のビル群などの直線が多い風景でもこのレンズの良さが存分に発揮できるのではないでしょうか。

超広角レンズと聞くと難しそうとか、どう使っていいかわからない、値段が高そうなど、少々とっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、そんな方にこそおすすめしたい1本です。撮影のコツは構え方。デジタル水準器を利用するなどして水平を意識しながら、被写体との距離、角度を少し変えるだけで雰囲気が一変する超広角レンズの醍醐味を、気軽に味わってみてください。本レンズの特長は、軽くて取り回しが良く、描写性能が高く、それでいて手にしやすい価格であること。もし超広角レンズをお持ちでないのなら「XF8mmF3.5 R WR」は新しい視野を与えてくれる選択になるでしょう。

( 2023.08.28 )

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手のひらサイズでも画角はダイナミック。風景撮影や星空撮影などをはじめ超広角でしか表現できない世界を手軽に撮ることができます。

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一般的な超広角レンズと違って、保護フィルターをはじめPLフィルターやNDフィルターなどが装着可能です。超広角とフィルターワークにより表現の幅がさらに広がることでしょう。

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