PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
SIGMAのXマウント対応レンズ、続々と拡充中です。今回ご紹介する一本は、他のマウントにおいて「ライトバズーカ」としてデビューした超望遠ズームレンズで、35mm判換算で150-600mm相当の画角をカバーします。カタログ上の焦点距離は100-400mmですが、APS-C型センサーを搭載した富士フイルムXマウントでは画角が約1.5倍にクロップされるので、望遠重視の方にはオイシイ選択肢です。しかも重量1135g、長さ199.5mmと扱いやすいサイズで、超望遠撮影をより身近なものにしてくれるでしょう。AFもXシステムに最適化され、手ブレ補正効果も約4段分とのことで、撮る前から気分はライトです。
( Photography & Text : TAK )
望遠の文字通り、まずは遠くを望んでみました。遠景には大気の揺らぎがつきものですが、望遠端、開放でこれだけ写ってくれたらもう十分ではないでしょうか。微妙なブルートーンのつながりもスムーズそのものです。
たまたま停泊していた超大型客船。100mm端なら港のどこかで枠に入れられるかもと思ったら、あ、150mm相当だったなと(笑)。人間主体のフレーミングに変更し、337mm相当での撮影となりました。少し絞った時のボケ具合も整っており距離感をリアルに伝えてくれるので、その場にいるような雰囲気を感じることができます。
こちらは少しズームインしてF11まで絞っています。十分にシャープですが、バキバキというよりちょうど良い塩梅のシャープさで、滑らかさも感じられます。冒頭の作例のように光沢なども表現しやすい印象です。
望遠端、近景です。シャープなピント、なだらかなボケの遷移、言うことなしです。ススキが紫がかっていますがこれは元々そういう被写体で、フリンジではありません。コントラストやヌケも絶妙ですね。
近付き難い小鳥も、望遠端で気配を殺して近づけばこれくらいの大きさで切り取ることができます(撮る気メラメラだと逃げます)。コゲラという小型のキツツキ類ですが、瞬膜(まぶたとは別の膜)が閉じた瞬間を撮影したのは初めてです。毛並みの様子もコントラスト豊かに再現されています。
広い空からこのように雲が湧き出る様子だけをピックアップできるのも、望遠ズームならではの特技です。
広角端とはいえ150mm相当は立派な望遠です。圧縮効果はスタートから十分に感じられます。
流し撮りに最適な手ブレ補正モードも搭載。動きのある被写体も積極的に狙っていけます。やはり軽いレンズは振りやすいので助かりますね。
まさにライトに使える600mm
この望遠ズームレンズには三脚座が付属しておりません。もちろんオプション品として購入可能ですが、「大仰に構えず、まずは手持ちでどうぞ〜」というフレンドリーなレンズです。実際、三脚を使うことなくロケを終えましたが、重量的にも取り回しやすく手ブレ補正もしっかりと効いてくれるので特に問題は感じませんでした。フルサイズ対応で150-600mmとなると、どうしても2kg前後になってしまいます。それが1135gで済んでしまうというのは有難いとしか言いようがありません。撮影者の体力や年齢にもよりますが、やはり1.5kgを超えたあたりから首肩肘腰膝に負担がくるのは事実。とにかく軽いに越したことはないのです。肝心な写りにも妥協はありません。既に他のマウントでも実証済みですが、ライトバズーカさんはXマウントにおいても高い実力を如何なく発揮してくれます。システムに最適化されたAFもスパッと決まり、被写体認識にも対応し動体にもしっかりと追従します。純正にも同焦点距離の素晴らしいズームレンズがありますが、こちらのお値段は半分以下。600mmの世界を気軽に味わうのに、これ以上の選択肢があるでしょうか。
( 2023.11.07 )
性能、サイズ、価格の三拍子が揃った一本。600mmの世界はすぐそこですよ。
三脚座は別売となっておりますので、必要に応じてお求めください。
コンパクトなレンズはフィルター枠も小さくて済みますね。