PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

FUJIFILM X-E5 / SHOOTING REPORT
富士フイルムからX-Eシリーズの最新モデルとなる「X-E5」の登場です。4年半ぶりのリニューアルとなり、センサーは第5世代となる「X-Trans CMOS 5 HR」(約4020万画素)と画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載。コンパクトなモデルでありながら、フラッグシップ機「X-H2」をはじめとする「X-T5」や「X100VI」と並ぶスペックを有したことになります。先代の約2610万画素からすると画素数は増し増し。画像処理速度もおおよそ2倍へとアップ。また、光を効率的に取り込めるようになったことで常用感度はISO 125(X-E4はISO 160)になりました。さらに見逃せない進化ポイントがあり、その最たるものが手ブレ補正機構がX-Eシリーズで初めて備わったことです。センサーシフト方式5軸補正で、光の乏しい室内や夜の撮影でも躊躇することなく切り込んでいけることでしょう。もちろん4000万画素オーバーの緻密なセンサーにグレードアップしたので、日中とて手ブレにはかなり気を使うとになりますから心強さも増し増しと、抜かりはありません。おかげでマウントするレンズの選択肢も随分と広がったことは大変喜ばしいことです。今回はキットレンズとしても用意されている「XF23mmF2.8 R WR」(フルサイズ換算で約35mm相当)をマウントして、使い心地や描写性能を試してきましたので、どうぞご覧ください。
( Photography & Text : KIMURAX )
光に照らし出された椅子にフォーカスしたのですが、PCで拡大して見たら黄色い表皮に施されているオーストリッチ柄まで緻密に再現されているではありませんか。さすがは高画素センサーならではの描き込みです。APS-Cフォーマットでの4000万画素オーバー化と引き換えに、ピクセルピッチは狭くなりました。ひと昔前ならば高感度特性への影響が心配されるところですが、撮像素子自体の集光効率が劇的に向上しているので、そうした問題は今や見事にクリアされている印象です。トーンの連なり、ダイナミックレンジにと、なんだか余裕すら感じさせる仕上がり。そこにはやはり、最新の画像処理エンジンの性能の高さも垣間見えるわけです。(画像のクリックで原寸画像を表示します)

こういったシチュエーションの方が画素アップが分かりやすいでしょうか。画面の中では小さな小さな葉の一枚一枚までもが、くっきりスッキリと表情豊かに描かれいます。常用感度がISO 160から125へと低くなったことで、とりわけ日中の明るい場所でもノイズが軽減され、輝度差のあるシチュエーションでも色味の豊かなクリアな撮像が得られているのでしょう。

AFは素早く正確に応答してくれるのでストレスフリー。このある種の気持ちよさは更なるシャッターを促すという好循環が生まれるわけでなかなか面白いものです。本機では、被写体検出オートフォーカスにAIが活用されており、人物の他に、動物、鳥、車、バイク、自転車、飛行機、電車、昆虫、ドローンを検出してくれるとのこと。あわよくばボールでもいけるかもと試みてみましたが捉えられず(そりゃそうですよね)。試写中に車、自転車、鳥に向けてみたらいずれもピタッと捉えてくれました。

標準出力感度はISO 125~12800。こちらのカットはISO 6400での撮影です。拡大して見ればシャドーエリアにノイズが載ってきているのが確認できるものの、通常の鑑賞サイズであればなんら目くじらを立てるレベルではないようにも感じます。人の輪郭がヨレヨレなんてこともなく、雰囲気が壊れてしまうようなこともなさそうですしね。フレームするシチュエーションによってノイズの見え方も様々ですが、以下にISO 2000~12800のカットを並べておきましたのでご確認ください。
(画像のクリックで大きな画像を表示します)

シャッタースピードは1/8秒。手ブレ補正の恩恵を感じずにはいられません。また、グリップ自体も握りやすい形状にブラッシュアップされており、撮影時の安心感はバッチリです。

X-E5のキットレンズはズームレンズではなく、単焦点でコンパクトな「XF23mmF2.8 R WR」。じゃんじゃんスナップしてくださいねというメーカーメッセージでしょう。

撮影時に没入感が得られるEVFを搭載していますが、そこに面白いギミックが今回加えられました。EVF内の表示なのですが、フィルム一眼レフの光学ファインダーのように見える「クラシック」モードです。懐かしいなと一番目を引くのが、画面内右側に露出針を模した露出の表示。デジタル時代の表示にすっかり慣れ親しんだつもりですが、上下する針を見て「ああこれいいわ」と浮き浮き露出補正ダイヤルをいじる自分がいました。最初に慣れ親しんだものって、何だかしっくりくるのですね。デジタルで再現したもですが不思議なものです。

軍幹部の素材が削り出しのアルミに変更されました。撮影時にはよく触れる所なだけに、手から伝わってくる剛性感はある種の信頼感をもたらします。そして高級感までもが漂うソリッドなフォルム。
丸窓から設定の確認ができる専用の「フィルムシミュレーションダイヤル」が新設されました。位置的にファインダーを覗きながらの操作はできず、背面液晶で色味を確認することになります。ま、各特徴と順番を頭に入れておけば確認不要。慣れの問題でしょう。
X-Eシリーズとして初めて、前面のフロントダイヤルのすぐ隣に、左右に倒して操作する「コントロールレバー」が搭載されました。レバーを“短く倒す”“長く倒す”の2段階(左右別)に異なる機能を割り当てることができます。
動画撮影は6.2K 30P(4:2:2 10bit)の記録に対応。クロップなしで撮れるので広角レンズの画角を最大限に活かせます。もちろん4K 60PやFHD 60Pもカバー。一方、背面液晶はスチル撮影に有利なチルト式(上方向180度反転)を採用し、写真撮影に重きを置いた印象です。

常に持ち歩ける、いい画が残せる。それだけでいい。
コンパクトなレンズ交換式カメラですが、ご覧の通り良好な結果を出してくれます。ま、実質的にはXシリーズのフラグシップ機と変わらぬセンサーと画像処理エンジンが積み込まれているのですから、当然の帰結とも言えるのですがね。このサイズにギュッと凝縮されていることもあり、操作性においては比較的に窮屈感は多少なりともあるのは事実です。しかし、この画質が得られるカメラを躊躇なく常日頃から持ち歩けることは、最大の武器。持ち出そうかどうか都度考え、温存する日が続く機材は武器になりませんからね。とはいえ趣味の道具です。大きかろうが小さかろうが、多少の不便が有ろうが無かろうが、撮りたいもので撮るのが一番。ああ、楽しい。詰まるところ、それだけでいいのだと思います。ミニマムなボディというコンセプトは守りつつ、先代モデルから描写性や機能性をぐんと引き上げた意欲作。小さなカメラがやるじゃないの、というのが率直な感想です。
( 2025.09.05 )
Xシリーズが初めてという方は、単焦点レンズ「XF23mmF2.8 R WR」のセットがいいですね。
ブラックボディ&レンズはこちらです。
Xシリーズをすでにお持ちの方はボディ単体をどうぞ。
もちろんブラックボディもございます。










