PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM vol.1 vol.2
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
150mmのマクロレンズとなると、一般的にはワーキングディスタンスが長く取れるテレマクロとしての用途がもっぱらでしょうが、ここは一つ「小さな風景」をフレームすることをおすすめします。クローズアップというよりは、なんてことのない小さな被写体をフレームでちょっとした世界に仕立て上げてしまうだけのこと。実はこんなところにテレマクロの面白さが潜んでいるのです。三脚座も装備され、使い勝手も十分。描写はマクロというだけあって絞り開放から強烈なシャープさがあり、ボケ味は気品すら感じられる美しさが漂っています。そして何よりヌケが素晴らしいレンズですので、一般的な中望遠レンズとしても積極的に使っていくと二度おいしいという優れもの。
( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )
葉の裏にある肉眼では確認できないようなうぶ毛の存在によってはじかれた水。雫があるたび徐々にその塊は大きくなり、まるでレンズのように葉脈を拡大していきます。その小さな風景をみずみずしく切り取ったマクロならではの描写。雨が描き出す波紋は前後のボケ味のなかに消えていくようです。APS-Cセンサー機でも開放からシャープな像を結んでくれます。
周辺のほどよいボケ味の中からリアルに浮かび上がってくるエンジン。複雑なメカニカルさのない被写体ですが、クリアで精細な描写がぴったりです。染みついた油やほこりといったディテールがいい味を醸し出しています。
風合いがそのまま精細に再現されているようです。壁面の凹凸やキズはもとより、うっすらと茶色く縦に走る雨だれの跡までしっかりと捉えています。
手ブレ補正機構搭載ですので手持ちでのクローズアップもスムーズ。雨の雫は、今にもこぼれ落ちそうなくらいに球形を保ちながら密着しているようです。
( 2017.02.01 )
マクロとしてだけでなく、望遠単焦点としてフルに使い倒して欲しいレンズです。標準域では得られない画をお楽しみください。
プロテクターもお忘れなく。