PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

CP+ 2018においてお披露目された3本のArtラインレンズ。そのうちの1本が、この「SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art」です(他の2本はSIGMA 70mm F2.8 DG MACRO | Art、およびSIGMA 14-24mm F2.8 DG HSM | Art)。いよいよ6月14日に発売となり(現時点でEマウント版のみ発売時期未定)、PYでもレビューをすることができました。

それにしても矢継ぎ早に新製品を発表するシグマ。特にArtラインのF1.4シリーズの急速な充実ぶりには目を見張るものがあります。まだまだ出てくるのでしょうか。ラインナップを眺めると、「ここ、空いてるな」というスペースも見受けられますし、シグマのことですから、あの手この手で、まだまだ我々を驚かせ続けてくれるに違いありません。まぁ、それはこれから先のお楽しみ。まずはこのSIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Artの写りをゆっくりご堪能ください。これ、ちょっとすごいレンズですよ。


Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

105mmで、ヒト

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II


Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

105mmで、ハナ

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II


Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

105mmで、マツリ

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II


Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

105mmで、昏れなずむ

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II

Canon EOS 5D Mark III, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by Z II


すべてが衝撃づくしの105mm F1.4

今回のロケで使用したSIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Artを初めて手にして驚いたのは、その重さと、鏡筒の太さでした。それはもう、衝撃的と表現してもいいぐらい。それに対して長さは不釣り合いなほど短く感じたのですが、実は全長もそれなりにあり、あまりにも太い鏡筒とのバランスによる、これは錯覚でした。あとは、これでもかというほど頑丈かつ丁寧に作り込まれた三脚座にも感銘。つまり箱に入っていた全てが衝撃的だったということ。なぜこうなった?

BOKEH MASTERの異名が示す通り(これを「ボケマスター」と片仮名で書いてしまうと、客の注文をすぐ忘れる喫茶店主みたいになってしまうので注意)、このレンズの一番の特徴はボケの美しさ。当然、ボケを引き立てるためには相対的にピントピークの超絶なキレが必要で、それらをF1.4で両立させる。そのために各種収差や滲みなどを徹底的に無くす。それをとことん追求した結果なのでしょう。三脚座も、さすがにこの重量ですから手持ち前提というわけには行かなかったのでしょうが、どうせなら三脚座も徹底的にこだわって作ってしまえ!という、これもシグマらしさに溢れた逸品だと思います。

しかし今回は機動力・瞬発力を重視して、敢えて全カット手持ちで撮影してみました。体力だけは自信があるのです私は。なので、残念ですが、この美しい三脚座はいったん家でお留守番。このレンズ、重いのは最初から分かっていますが、肩や首に長く掛けていると、それがボディブローのようにじわじわと効いてきます。なので小脇に抱えて歩いたり、時には小走りしたり、というスタイルへ自然になっていくのですが、その時に三脚座があると腕やあばらに当たって痛い。また、無い方が構えた時に安定するのと、若干の軽量化にも(そもそもそういう問題ではないとは言え)なります。

さて、実際に撮影してみた印象を。まず動作ですが、AFの速さ・精度に関しては全く違和感ありません、特に動きのある被写体に対してAFをAI SERVOにしても絞り開放、極薄のピントピークはガッチリと食いついていました。また花の撮影では幾重にも重なる花びらのどこにピントを合わせるかで写真が変わってきます。そんな場面ではMFに切り替えてシビアなピント送りをするわけですが、そのピークはとても見やすく、まったくストレスはありません。

本題の写りですが、もはや言葉で説明するのが馬鹿らしくなるほどのボケとキレ。肝心のボケの質に関しては、変なクセも無くとても滑らかで、これならもう、誰が撮ってもかっこよく写るでしょうね。ピントピークのキレは一切の滲みを感じさせない線の細い描写で、被写体の存在感がより一層強調されます。このレンズ、確かに重いです。しかし、それを帳消しにする写りがあるとしたらどうですか?そこまで言われると試してみたくなりますでしょう? 是非、一度触ってみてください。この重みが生み出す写りを実感してもらえる筈です。(Z II)


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シグマにグーで殴られる

レビュー用のレンズが編集部に到着し、全スタッフ注視の中、厳かに開梱の儀を執り行いましたところ、あたかも桃の中から桃太郎が飛び出したが如く、あるいは竹の中からかぐや姫が現れたが如く、皆の顔には驚きの(そして若干、困惑の)表情が浮かびました。

で、でかい。。

105mm F1.4と言えばニコンの「AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED」がありますが、ちょっと比較してみます。

Nikon AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED
  • 最大径:94.5mm
  • 全長:106mm
  • 重さ:985g
SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art (シグマSAマウント)
  • 最大径:115.9mm
  • 全長:131.5mm
  • 重さ:1,645g

これを見ると、シグマはニッコールのライバルレンズを作ろうなんて、ハナっから考えていなかったと思うのです。もちろん焦点距離と開放F値が同じで、さらに同じスペックを持つレンズが他に無いとくれば、自ずと比較対象になることは避けられませんが、それにしてはサイズと重さが違い過ぎる。これはもう、シグマがぜんぜん違うところを見ている証拠です。ではどこを見ているのかというと、「Artラインかくあるべし」という自分たちの理想、それ以外にありません。

真面目に作られた道具のデザインには、すべて理由があると申します。レンズにおいて「少しでも小さく」「少しでも軽く」は確かに重要なことですが、「最高の描写性能を実現する」という最大の目標に対して、それらは殆どの場合、相反する要素でもあります。もしニッコールの対抗馬を目指したのであれば、ここで「いい感じに」バランスをとった筈。しかし、シグマはブレなかった。このサイズ・重さは、一切の妥協を跳ねのけた結果でありましょう。同時に、これはとても勇気が要ることでもあります。「大きい」「重い」は、そこだけ取り上げればマイナス要因ですからね。ところがそんなことをものともせず(もちろんじゅうぶんに熟考を重ねた上でしょうが)、堂々とやってのけてしまうのが、今のシグマのすごいところ。

商品の良し悪しを吟味し、最終的に買う/買わないを判断する私たち消費者の心の中に、実はこういうモノづくりを期待している部分があるような気がします。あたりを見回してみれば、マーケットリサーチによる消費者の嗜好やら、時代のトレンドやらにおもねった商品ばかり。確かにそういう商品は多くの人にフィットするでしょう。それはそれで素晴らしいことですが、そんなふうに作り笑いを浮かべながらすり寄ってくる商品ではなく、「これでも喰らえっ!」と言わんばかりの気概・気迫で作られた商品に、一発グーで殴られてみたい。シグマにはそういう痛快さがあります。それがシグマというメーカーの、いちばん大きな魅力だと思うのです。

( 2018.06.15 )

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今回の撮影で使ったキヤノンEFマウントです。

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ニコン使いの方はこちらになります。

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これはシグマSAマウントですね。

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そしてソニーEマウントです。

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フィルターサイズも105mmって、なんかちょっとおしゃれ。(よく分かりませんが)

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プロテクトフィルターにそこまでの予算は・・・という場合はこちら。(それでも、さすがにこの径になると結構しますね)

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