PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EOS R50 V, RF-S14-30 IS STM PZ

Canon EOS R50 V / SHOOTING REPORT

キヤノンより動画撮影を重視したミラーレスカメラ「EOS R50 V」が登場しました。外観は、無駄を排したフラットなデザインを採用しボディ底部と側面に三脚用ねじ穴が配置されるなど、動画向けアクセサリーの使いやすさが考慮されています。動画撮影中心のモードダイヤル、カメラ前面と上部計2カ所の大型の撮影ボタン、タリーランプなど、動画撮影に合わせた機能も充実。またボディ内部に放熱性の高いマグネシウム合金を使用するなど、撮影中の温度上昇を低減し、長時間の撮影、ライブ配信などに適した仕様になっています。画質は、6Kオーバーサンプリングによる4K30Pに加えて、クロップすることで4K60Pが可能に。またYCC 422 10bitの豊かな階調表現で、ディテールにこだわった画作りに応えます。そしてグレーディングを前提としたガンマCanon Log 3により多彩な映像表現も可能になるとのこと。映画のような画角とフレームレートで撮影できるシネマビューや、EOS Rシステムで初めてカラーフィルターを搭載し、シネマのような映像を手軽に楽しむこともできます。今回のレビューは、RFレンズで初めてパワーズームを内蔵した「RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ」とのコンビで、動画を中心に撮ってきました。

( Photography & Text : A.Inden )

カメラがシーンを自動で判断し、全自動撮影が可能な「A+」、スローモーションの動画や倍速の動画が簡単に撮影できる「S&F」、「静止画」の3つのモードを使いカメラ任せで撮影。動画記録サイズは縦位置のフルHD(1080×1920)、音声は内蔵マイクのみで対応しました。完熟した梅の質感、水の透明感、食材のシズル感が本当にリアルですね。スローモーションでの炭酸の泡の描写にはゾクッとしました。音声はノイズがうまく低減され、食材を刻む音、氷砂糖が入るコンという澄んだ音が耳に心地よく響きます。AFはカメラの移動やズーミングにスムーズに対応し、自然な動きでピントを送ってくれました。梅シロップの簡単なレシピを用意しました。→レシピはこちら

4K(3840×2160)30Pは、実質6Kの画質で録画し4Kにリサイズする6Kオーバーサンプリングを採用。従来の4Kに比べ色の再現に優れ、ディテールまで鮮明に記録できます。この緻密な描写で紫陽花を追ってみました。

映画のような2.35:1のシネマスコープ画角と23.98fpsのフレームレートで録画できる「シネマビュー」で撮影。場所、時間、光などが異なる条件で撮影した素材を、編集時に色調や明るさを調整することで雰囲気を整え、一本のストーリーにまとめてみました。


Canon EOS R50 V, RF-S14-30 IS STM PZ

静止画の画素数は約2420万画素。解像力の高いキリッとした描写で、コントラストも十分ありビルの立体感の表現も素晴らしいです。

Canon EOS R50 V, RF-S14-30 IS STM PZ

切り詰めた露出でもシャドーの階調は十分に残っています。

Canon EOS R50 V, RF-S14-30 IS STM PZ

色調は自然で、淡い色まで忠実に再現。トーンもなだらかで花びら一枚一枚に当たる微細な光をそのまま再現しています。

Canon EOS R50 V, RF-S14-30 IS STM PZ

ISO 3200で撮影。高感度で撮影すると、アンダーな場所にノイズが目立ちやすい傾向にありますが、ディープなシャドー部分までノイズは確認できませんでした。


PHOTO YODOBASHI

機能をシンプルにすることで身近になる動画撮影

6Kオーバーサンプリングによる4K動画の丁寧に書き込まれたディテールに見入ってしまいました。この映像が、エントリークラスのカメラで手軽に撮れてしまうわけですから、動画撮影を始めるハードルがグッと下がったと感じました。多少苦手意識のある動画撮影で、ちょっと身構えて撮影を始めたのですが、素振り(カメラの慣らし撮り)で綺麗に撮れてしまうものですから、コンパクトさも相まって気軽にガンガン撮りまくってしまいました。深く考えずに撮ると後で編集に困るのですが、いい素材であれば画作りのアイデアが広がっていきますね。


「EOS R50 V」は「EOS R50」からファインダーを無くし、外観から機能性、UIまで全く異なる、動画性能に振ったカメラでした。動画撮影の肝とも言えるAFは、カメラの動きやズーミングに合わせ絶妙のスピードでピントを送り続けます。またズームのスピードは、ズームレバーの回転角により低速・高速の2段階で切り替えることができ、状況に応じて最良のスピードを選ぶことが可能に。さらに長時間録画を考慮し、撮影中の温度上昇を低減する設計までされているとは、見えないところまで至れり尽くせりです。動画撮影をメインにし、必要な要素を絞り込むと、ここまで使いやすくなるのですね。撮り手にとって、カメラの機能をシンプルにすることは「正解」ではないでしょうか。エントリークラスをベースにすることで、リーズナブルな価格で登場した本カメラ。これから動画制作を考えている方の入り口になるのはもちろん、グレーディングを前提としたガンマCanon Log 3、カラーモードなどで多彩な映像表現を楽しみたい方にも是非お勧めしたい逸品です。

  • PHOTO YODOBASHI動画向けアクセサリーとの相性の良さを配慮した、ファインダーレスのフラットで直線的なデザイン。正面に大型の撮影ボタン、EOS RVプレートの上にタリーランプが配置されています。約2420万画素のAPS-Cサイズセンサーが搭載。
  • PHOTO YODOBASHI動画撮影が中心のモードダイヤル。大型の撮影ボタン周りにはズームレバーが、横にはライブ配信の設定を呼び出すLIVEボタンが配置されています。
  • PHOTO YODOBASHITFT式カラー液晶モニターは、3型約104万ドット。カメラの質量は約370g、外形寸法は幅約119.3×高さ約73.7×奥行き約45.2mm。
  • PHOTO YODOBASHIバリアングル式のモニターは水平方向に約175度、手前側に約90度、奥側に約180度回転。セルフィー撮影にも対応しています。
  • PHOTO YODOBASHI外部インターフェースはボディ左側に、外部マイク入力端子、ヘッドフォン端子、リモコン端子、HDMIマイクロ出力端子、USB-Cデジタル端子が配置されています。
  • PHOTO YODOBASHIボディ右側面に縦位置撮影用のねじ穴を搭載。

( 2025.07.07 )

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レビューで使用したレンズキット。セットのレンズはRFレンズで始めてパワーズームを搭載し軽快な操作が魅力です。

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キットレンズは単品でも発売されます。

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トライポットにもなる小さなグリップ。付属のワイヤレスリモートコントローラーで離れたところからシャッターを切ることができます。

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バッテリーはいくつあっても困ることはありません。

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