PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Canon EOS R5 / SHOOTING REPORT
EOS Rの登場から2年、キヤノンのフルサイズミラーレスEOS Rシリーズ・二世代目のボディが登場しました。今回紹介するEOS R5は4500万画素の高解像度センサーを搭載し、秒間20コマの高速連写、ボディ内手ブレ補正、8K 30Pの高画質動画などを盛り込んだ上位モデルとなります。RFレンズの充実と足並みを揃えるようにブラッシュアップされたボディとあって注目度は高く、デジタルカメラの最前線を切り拓く一台と言っても過言はないでしょう。その実力がいかなるものか、実際に手にとって撮影しながら、確かめてみたいと思います。
( Photography : Z II / Text : Serow )
LOOK & FEEL
さっそく外観を確認していきましょう。仕様上は大きさ・重さが若干増加していますが、EOS Rと比較してほぼ同じサイズ感になっています。ボディ前面には絞り込みボタンとN3タイプのリモコン端子がつきました。
背面はインターフェイスを大きく変更。EOS Rを手にしたユーザのフィードバックをしっかり反映させてくれたのでしょう。ファンクションバーを排しマルチコントローラーが配置されたほか、細かなボタン位置が変更になり、伝統的スタイルに落ち着きました。慣れの問題もあるのでしょうが、やっぱりこれが使いやすいのですよね。
上面はEOS Rとほぼ同様のレイアウトです。こなれたUIは敢えて変える必要がありません。
OVERVIEW
何よりも大きなのは、高画素のセンサーを搭載したこと。画素数だけで言えば EOS 5Ds / 5Ds R(5060万画素)に劣るものの、DIGIC XやRFレンズの組み合わせにより、キヤノン最高の解像性能を謳っています。2年分の進化がしっかりと反映され、連写速度やAF性能、動画撮影機能のアップグレードが図られていることがわかります。スペック比較を見るだけで・・・EOS Rからの買い替え必至という気分になりますね。
EOS R5 | EOS R | |
---|---|---|
発売時期 | 2020年7月 | 2018年10月 |
イメージセンサー | フルサイズ CMOSセンサー 4500万画素 (8192×5464) |
フルサイズ CMOSセンサー 3030万画素 (6720×4480) |
画像処理エンジン | DIGIC X | DIGIC 8 |
常用ISO感度 | 100~51200 | 100〜40000 |
連続撮影速度 | [電子シャッター] 20コマ/秒 [メカシャッター] 12コマ/秒 |
8コマ/秒 |
AFシステム | Dual Pixel CMOS AF II | Dual Pixel CMOS AF |
測距エリア | 横100% × 縦100% | 横88% × 縦100% |
AFエリア分割数 | 1053分割 | 143分割 |
AFフレーム選択可能ポジション | 5940 | 5655 |
人物検出 | 瞳・顔・頭部 | 瞳・顔 |
動物検出 | 瞳・顔・全身 | ー |
ボディ内手ブレ補正 | ○ | ー |
ファインダー | 0.5型 576万ドット |
0.5型 369万ドット |
測距輝度範囲 | EV -6〜20 | EV -6〜18 |
マルチコントローラー | ○ | ー |
マルチファンクションバー | ー | ○ |
液晶モニター | 3.2型 210万ドット |
3.15型 210万ドット |
動画撮影 | 8K 30P 4K 60P 4K 120P |
4K 30P HD 120P |
HDR PQ | ○ | ー |
対応バッテリー | LP-E6NH LP-E6N LP-E6 |
LP-E6N LP-E6 |
バッテリーグリップ | BG-R10 | BG-E22 |
大きさ | W138.5 × H97.5 × D88.0 mm | W135.8 × H98.3 × D84.4 mm |
本体重量 | 650g | 580g |
PHOTO GALLERY
まずは解像力。クリックで原寸画像をご覧いただけますが、期待通り緻密に、シャープに、細かな被写体を描いてくれました。拡大して眺めれば肉眼では見えなかったものまで確認でき、隅々まで見ていく喜びがあります。 解像度として余裕があるので、実際に使うサイズに縮小したとき、違いが顕著という印象がありますね。実際50%くらいのサイズですばらしいクオリティを感じることができるのですが、それは100%の情報量があるからこそ。
朽ちた木の表面も、ルーペで観察するようなレベルで描写してくれています。光が入り交じって少々難しいシーンだったのですが、目で見た印象そのままに、ナチュラルに表現してくれました。
苔むした岩肌の様子は、人とは異なる時の流れを感じさせてくれます。撮影した写真をじっくり眺めてみれば苔からニョキッと伸びた朔まで認識でき、改めてその描写力に驚かされました。
ボディ背面の操作性が改善されて、フォーカスを合わせる動きは大変スムースになりました。マルチコントローラーでのフォーカスポイント移動はEVFを覗いたままでも自然に行えますし、画面全域を使えるというのが嬉しいですね。
階調は実になめらかで、ハイライトからシャドーまで粘りある画を残してくれます。DIGIC Xに任せてイージーに撮影しても全く問題ないですし、RAWから現像して仕上がりを追求したい方にとっても頼もしい。いい時代になりました。
ボディ内手ブレ補正機構は5段、IS搭載レンズと組み合わせれば8段という補正効果があるとのことで、高解像度ボディでもあまり神経質にならずに使えるのがいいですね。手持ちで普通に撮影して、クオリティの高い結果が得られるはず。お値段のことはさておき、カメラに慣れていない方が使ったっていいのではないかと思います。
ちょっとお遊びで流し撮りにチャレンジ。手持ち&1/10のシャッタースピードでこのぐらいの撮影はできました。高感度耐性の向上や手ブレ補正の効果によって、今までできなかった撮影ができるようになっています。機材の進化が、撮影の幅を広げてくれるのです。
カメラはまだまだ進化する
写真を撮る道具というものを長年追求してきたキヤノンというメーカーが、どんなミラーレスカメラを作るのか。EOS Rが市場に現れてからおよそ2年の期間を経て、きっちりと熟成されたのがこのEOS R5です。一眼レフで培ったものを惜しみなく投入し、ミラーレスならではの優位性を加え、新しい価値を生み出している。まだまだカメラに進化の余地があったことを、そしてまだまだこの先があることを、確信させてくれる一台だと思います。かつては「一眼レフでなければ撮れない」と思われていたものが「ミラーレスでなければ撮れない」になるのも遠い未来ではないでしょうし、既にそんなシーンが出てきていますよね。
ぜひEOS R5というカメラを手にして、カメラの可能性を感じてください。視野はまだまだ広がっていくのです。
( 2020.10.23 )
大人気につき商品供給が追いついておりません。早めのご注文をおすすめいたします。
バッテリーグリップは電池を長持ちさせるだけでなく、縦位置の安定性と精神的高揚に効果があります。
過去のバッテリーとも互換性がありますが、容量含めパフォーマンスアップしているこちらがオススメ。せっかくだから新品でリフレッシュしましょう。
連写や動画にはCFExpressカードがおすすめ。このお値段にも平静な顔を装って「はいはいCFExpressはこのぐらいだよね」とクレジットカードを切るぐらいの感じでいきたいものです。
今回メインで利用したレンズがこちら。大口径望遠ズームレンズとしてはコンパクトで、写りも使い勝手も良好です。
標準も必要ですか? 必要ですね。全部で幾らになるのでしょう。まずはカートに入れてご確認を!