PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SONY SEL16F18G FE 16mm F1.8 G
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
ソニーから、広角域における表現の可能性を大きく広げてくれそうな大口径超広角レンズ「FE 16mm F1.8 G」が発売されました。Gレンズはコニカミノルタ時代から継承された高性能レンズの証。「G Master(GM)」に続く上位モデルながら、とりわけサイズと性能のバランスに優れたレンズが多いのは皆さんもご存知の通りです。本レンズも例に漏れず、16mmの超広角で、なおかつF1.8の大口径ながら大変小さく軽い(304g)レンズになっています。しかもこのコンパクトな鏡胴の中にAFを快適にする2基のXDリニアモーターを搭載しており、外装にはフォーカスホールドボタン、AF/MF切り替えスイッチを含む各種スイッチ類を配備。レンズ構成も高度非球面レンズとスーパーEDレンズを含んだハイレベルな構成となっています。さすがはGレンズ、この辺りの作り込みに抜かりありません。なお最短撮影距離は15cm(AF時)で被写体に迫ることができます。ジンバル等に載せての運用にも都合は良いでしょうし、スチルで使うにも面白そう。さっそく街へ繰り出してみましょう。
( Photography & Text : TA )
107度のワイドな画角は、目前に広がる光景を丸呑みしてしまいます。しっかりと奥行きのある描写で、みずみずしく写し取ってくれるものですから気分も乗ってくるというもの。水平垂直を意識すれば、歪みを感じさせない自然な描写で目の前の光景を捉えてくれます。周辺の像の流れなどもほとんど気にならず、日の丸構図ドン!でかっこよく、また不思議な世界を作り出すことができます。レンズの素の写りを見たいため、カメラ側の基本補正の類はオフにできるものはオフで撮影しています。歪曲補正は電子補正前提となっていますが、それ故に軽量でコンパクトなレンズを実現しているのでしょう。
最短撮影距離はAF時で15cm、最大撮影倍率は0.25倍と、接写も得意科目です。目の前のシーンを丸ごと収めるような使い方と併せて、被写体にぐっと迫ることができ、幅広い表現を可能にしてくれます。前玉も張り出しておらず、取り回しが良いです。近接でもピント面に甘さは見られず、利休梅の花弁の表情も豊かに現れていますし、アウトフォーカスの写し込みにも品があります。
ひょひょいっと軽快にアングルが変えられ、思いのままに大胆なフレームを得ることができます。カメラを振り回すのも持ち歩くのも、なにより軽く小さなこのパッケージは撮影が楽しい。
開放から周辺まで均一に解像しています。画面中心あたりにピントを置いていますが、深度から外れている部分も丁寧に描き込まれています。
前ボケのフェンスも活かしたく、輪郭が程よく残るように絞り込んでの撮影。街の往来は被写界深度にしっかり収まっています。 F1.8のボケを楽しめるのはもちろんなのですが、絞り込んでいくことで浮かび上がるディテールを楽しむのもまた一興。大口径ですから。
高速無音のAFも、動きのある被写体をこともなげにフォローしてくれました。ピントを置いた被写体は面白いぐらい立体的に浮き上がります。
難しい色の再現性も文句なしのレベル。像の分離も明瞭で、気持ちが良いですね。四隅の解像感もしっかりで、超が付く広角レンズとして完成度の高さがうかがえます。
16mmということもあって、ボディ側の手ぶれ補正はおおよそのシーンで利用していません。こちらのシーンでもオフ。かなり暗い店内でしたが、レンズの明るさだけで行けてしまいます。
コンパクトなレンズはとりわけ「遊び心」に寛容です。シャッタースピードを1/15に設定して流してみました。やはりソニーのレンズとカメラは感心するほど食いつきが良いですね。「静」と「動」どちらの世界も気軽に楽しめると思います。
超広角らしく遠近感が出て、スナップはもちろん風景をダイナミックに捉えるのもお手のものです。レンズの振り方によってはゴーストの出現がありますが、至って軽微です。画が破綻するようなことはありません。
付けっ放しにしたい超広角大口径
軽快にアングルを変えられ、フレキシブルに大胆なフレームを得ることができる。また電子補正頼りではありますが水平垂直を意識すれば、歪みを感じさせない自然な描写で目前に広がる光景を丸々捉えてくれます。超のつく広角単焦点レンズは「飛び道具」的な機材だとこれまで思ってきましたが、本レンズを使ってその認識を改めました。周辺の像の流れなどもほとんど気にならないので、正対して被写体にグッと近づけば標準レンズのようにも扱える。普段使いにも良いなあと。「付けっ放しにしていたくなる」そんなレンズでした。またAFとMFの切り替えもダイレクトですし、AFは高速無音で動きのある被写体をこともなげにフォローしてくれます。こんな超広角レンズを待っていたという方には渡りに船でしょうし、初めての超広角レンズとしても魅力的なチョイスではないかと思います。遊び心をくすぐられる、実に愉しい1本です。
( 2025.04.24 )
16mmの超広角で、なおかつF1.8の大口径ながら大変小さく軽い(304g)大口径超広角レンズ。近接性能も高く、愉しい1本です。
超広角レンズながらフィルター径は汎用性の高い67mm。レンズ全面にフィルターを取り付け可能です。こちらはマルミ光機の円偏光フィルター。レンズの保護だけでなく、空の青さを際立たせ緑葉をより鮮やかに表現してくれます。被写体の色彩コントラストを高めてくれるため、風景撮影などにいかがでしょう。
可視光に影響を与えない無色透明な高性能なレンズ保護フィルター。
レンズ保護フィルター。常用に最適です。
今回使用したボディの「α7C II」。こちらはシルバー。画素数的にも良いバランスで写りも良い。なおかつ小型で機動性・可搬性に富み、なんでも撮れちゃいます。
今回使用したボディの「α7C II」。こちらはブラック。