PHOTO YODOBASHI

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SONY α7C II, SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G, Photo by KIMURAX

SONY SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ソニーから絞り開放F2.8通しの広角ズームレンズの登場です。小型大口径でF2.8通しのズームレンズは、サードパーティーによって開拓され一定の評価を得て来たジャンルでもあります。フルサイズEマウント向けでは、TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXDSIGMA 16-28mm F2.8 DG DN(C)の存在が思い当たります。今回レビューをお届けするソニーの「SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G」は、それらの望遠側3mmを切り詰めた16-25mmという守備範囲。この手のゾーンのレンズを所望されている方々は、恐らく広角側により意識が向いていると推察され、これはこれで巧い落とし所だなと感じた次第です。なにせ重量は409g、全長91.4mmにまとめ上げられ、前者の2本に比べ大幅な小型軽量化というアドバンテージが得られたわけですから。さらには純正ならではのAF性能や“G”を冠した描写力の磨き込みが加わるとなれば期待は膨らむばかり。それでは早速その実力の程、じっくりご覧いただきましょう。

( Photography & Text : KIMURAX )

SONY α7C II, SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G, Photo by KIMURAX

ワイド端は16mm。何でもないようなシーンでも、空に表情があるだけでよりダイナミックに描き込むことができ、レンズの向け甲斐があるというものです。これだけの画角ですから、広大な風景を求めて海や山へと連れ出すのが王道でしょうが、街撮りスナップにもなかなか重宝します。ここぞという場面で活躍してくれる超広角ゾーン。ちょっぴりアングルを変えただけで印象がガラッと変わる楽しさが癖になります。

SONY α7C II, SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G, Photo by KIMURAX

同じくワイド端ですが隅から隅まで像の乱れはなく、絞り開放から隙を感じさせない写りです。主役を画面隅に配置してみましたがしっかり解像しているのが見て取れます。AFも素早く正確なので、シャッターチャンスに強く頼もしい限りです。


SONY α7C II, SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G, Photo by KIMURAX

変わってテレ端の25mm。テレ端とはいえ広角域ですから、それなりのパースペクティブが得られますが、持て余すような広さではないでしょう。

SONY α7C II, SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G, Photo by KIMURAX

同じく25mmですが、ガラス越しとはいえピント面での描き込みが半端ではありません。照明の効果があるとはいえ見事な立体感。見たままを再現したかの如く、ニットの手触りが伝わってきそうな雰囲気ムンムンです。


SONY α7C II, SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G, Photo by KIMURAX

絞り開放からトップギアの解像力ではありませんか。ざっと見ても草や葉のエッジがしっかり立っている。それでいてカリカリはしていない。また光の捉え方も巧みで、レンズの素性のよさが窺えるカットです。

SONY α7C II, SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G, Photo by KIMURAX

背景との距離がそれなりにあればボケも楽しめます。広角ズームレンズながら望外の量感を伴い至って柔らかい。このあたりの表現力はさすが“Gレンズ”だなと感じ入る次第です。絞り羽根は11枚の円形絞りとなっており、玉ボケをもう少し整えたいという時は開放から1段ほど絞るとよいでしょう。その程度ならボケにもまだ余裕がありますから、お好みで試してみてください。


SONY α7C II, SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G, Photo by KIMURAX

無彩色に近い被写体をフレームすれば、階調表現の良し悪しが浮き彫りになってくるわけですが、良いの一言ですね。丸みを帯びた流麗なフォルムを精緻に描き出しているのがわかります。

SONY α7C II, SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G, Photo by KIMURAX

同様に明暗の表現でもその差が大きいシーンではどうでしょう。その連なりのどこを見ても実に自然に感じます。カメラのセンサーと画像処理エンジンの能力に負う部分はもちろんあるものの、素材となる光の情報をレンズが密に伝えていることが容易に想像されます。

SONY α7C II, SEL1625G FE 16-25mm F2.8 G, Photo by KIMURAX

夕刻まで撮り歩くにはF値が明るいに越したことはりませんが、ご覧の様にISO200で1/100が切れるのですからF2.8というスペックは必要にして十分でしょう。足取り軽く気兼ねなく撮影を心行くまで楽しむには、軽くて小さいことはマストですから。


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描写力と機動力で選ぶならコレ。

ズーム両端そして中間域とその撮像をご覧いただきましたが、とにかくよく写るものです。ケチのつけようがありません(笑)。しかも絞り開放からですからね。広い画角の隅から隅までキリッと解像。そのシャープさと相反する柔らかさを伴ったボケ味は、ホントに広角ズームなのかと思ってしまうほどに主役をさりげなく引き立てます。本レンズは、いわゆるVlogのような自撮り動画撮影を意識した側面もありますが、その解像力や表現力は今回のスチル撮影でお伝えできたのではないでしょうか。しっかり止めて確認しないと細部まではなかなか分かりませんから。このクオリティの画が動き出すとお考えいただければ、映像もすこぶる良好な結果が得られることがイメージできると思います。また先行して発売された「SEL2450G FE 24-50mm F2.8 G」とのコンビで、機動力のある撮影が楽しめるはずです。もちろん、写真撮影がメインで無類の広角好きという方には、手放しでお勧めできる一本です。純正ならではの応答性と折り紙付きの描写力。これは手堅い選択肢の登場です。待ってました。

( 2024.05.31 )

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躾の行き届いた流石はGレンズ。この画力、表現力を目の当たりにして食指が動かないわけはないですねよね。

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いい写りを邪魔しない。まるで空気のような存在ですが、前玉をしかっりプロテクトしてくれる安心もお忘れなく。

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