PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY α7R III, TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065, Photo by KIMURAX

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

タムロンの大口径望遠ズームレンズ「70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2(Model A065)」のレビューをお届けします。製品名の末尾にG2と記されているとおりII型となり、光学系が刷新されたことで構成は15群20枚になりました。蛍石に近い特性を有するXLDレンズをはじめ、複合非球面レンズ、異常低分散レンズ、ガラスモールド非球面レンズを組み込むという贅沢な内容です。開放F値は2.8通しで、手ブレ補正機構(VC)はもちろん、AFにはリニアモーターフォーカス機構(VXD)を搭載し撮影を強力にサポート。シャープな像を結びながらも、ボケ味は至って柔らかという先代の写りからどんな進化を遂げたのか気になるところです。それでは早速ご覧いただきましょう。

( Photography & Text : KIMURAX )

SONY α7R III, TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065, Photo by KIMURAX

テレ端の描写がしっかりしていること。ズームレンズを選ぶ際に外せないポイントでしょう。はい、ご覧の通りでございます。ピント面で捉えた葉の水滴、真っ赤な花弁。質感たっぷりにビシッと解像し、なだらかにボケているではありませんか。絞り開放からピントピークのキレ味が素晴らしく、色乗りもマル。実は撮影時にほとんど意識していなかったのですが、シャッタースピードは1/40秒だったのですね。どれだけ手ブレ補正が効くのやらと、これまたビックリ。

SONY α7R III, TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065, Photo by KIMURAX

では一応ワイド端も確認しておきましょう。II型になった本レンズのワイド端での最短撮影距離は0.3mに(I型は0.85mでしたが)随分と縮まりました。70mmでそこまで寄り切る場面が頻発することは多くないとしても、そこまで寄れるというある種の安心感と表現の幅が広かったことは大歓迎です。それにしても、品のあるボケの柔らかさとでも言いましょうか。このあたりの御し方はさすがタムロンだなと。心地よさすら感じます。

SONY α7R III, TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065, Photo by KIMURAX

同じ赤系の被写体となりますが、一転して硬いものは硬く、金属の冷っとした感触までもがちゃんと伝わってくるようです。艶めく曲面から連なるディテールへと丁寧に再現されているからでしょう。


SONY α7R III, TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065, Photo by KIMURAX

180mmとはいえそこそこ距離もあるので被写界深度は深くなりますが、すっと浮かび上がってくる主役たち。カリカリするようなことはなく実に自然な切れ味で描き切っている、そんな印象です。髪の毛のあたりに注目していただくとよくわかると思います。

SONY α7R III, TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065, Photo by KIMURAX

シーンにもよりますが後ボケに比べると前ボケの柔らかさは若干控え目にも感じますが、そんな重箱の隅っこをつついてどうするというレベル。画全体として見ても何ら問題はないでしょう。

SONY α7R III, TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065, Photo by KIMURAX

絞り開放です。ズームレンズです。正直びっくりです。

SONY α7R III, TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065, Photo by KIMURAX

キレ+ボケ+圧縮効果、このとおりです。


SONY α7R III, TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065, Photo by KIMURAX

撮りたい気持ちにビシッと応えてくれる、AFの速さと確実さ。それが気持ちいいなんてことすら、もはや意識させない瞬殺レベルです。

SONY α7R III, TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 Model A065, Photo by KIMURAX

解像力やボケ味についつい目が行きがちですが、この階調表現があればこそ。写真のリアリティがよりいっそう増すのだと感じます。


PHOTO YODOBASHI

使ってハッピーに。

絞り開放からあまりにもよく写るものですから、絞って撮影するのを忘れておりました。周辺の描写が甘いということもないですし、このアウトプットだけ見せられたらホントにズームレンズの写りなの?と思ってしまう写りですから。と言い訳はこの程度にしまして、先代モデルからさらに洗練された描写が堪能できる一本へと進化したという印象です。並べて、じーっと見てみたらそんな感じがしてきました。光学系を刷新したとはいえ、写りの傾向そのものはちゃんとキープしつつ、そこからさらに次元を上げてきたとでもいうべきでしょうか。高倍率ズームレンズを得意とするタムロンにとっては、もはやズーム比が3倍にも満たないズームレンズは朝飯前という感すら漂ってきます。実際のところは決してそんな生半可なことではないことは重々承知しているつもりではありますが。何せこの写りですから仕方がありません。しかも大三元の望遠ズームなのに、かなりのバーゲンプライス。ところで皆さん、使っていてハッピーになれるレンズ、どのぐらいお持ちですか?

( 2023.11.21 )

Loading..
Loading..

ズームの端から端まで、絞り開放で満足のいく画質を発揮するポテンシャル。コストパフォーマンスが半端ない一本です。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

出番の多くなるレンズこそしっかり保護してあげましょう。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..