PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz

TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071 vol.1 vol.2

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

フルサイズ対応高倍率ズームレンズ「TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071」の実写レビュー第2弾をお届けします。本レンズは7倍を超えるズーム比ながら、全長117mm、質量575gと機動性が高く、写りもなかなかに良好。しかも手に入れやすいプライスなことから、2020年6月の発売から5年を経ても変わらぬ人気を博している1本です。PYでもその写りに改めて注目しようと再びのレビューとなりました。

システムカメラのメリットはレンズ交換ができることではあるものの、実際に撮影へ出てレンズをガチャガチャと交換するのは意外と面倒なものですよね。特にデジタルカメラでは微細な埃でも写り込んでしまうことから、レンズ交換そのものに神経質になりがちです。そんなときこそ高倍率な本レンズの出番。広角域から中望遠の先まで広くカバーし、超広角〜超望遠の「超」がつかない焦点域はほぼカバーしてくれます。頼もしいですね。しかもワイド端での開放値はF2.8と大口径で、テレ端でもF5.6と常用には十分な明るさを持っています。それでは早速ご覧ください。

( Photography & Text : Naz )

SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz

約50mm。61MPのα7R Vにマウントしてみましたが、高倍率ズームとは思えない緻密な描写に改めて驚かされました。銀座数寄屋橋の岡本太郎作「若い時計台」の下側を周囲の植物とともに撮ってみましたが、この距離からでも壁面のザラつき感や、角のような円錐形のオブジェの鈍い金属の質感、湿度を感じる鬱蒼とした緑など、緻密に描かれています。

SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz

約85mm。シャープなレンズです。ピント面はキリッとした力強さを感じる明確な線を描きながらも、しかもそれが硬すぎないという、タムロンらしさを感じる描写です。前ボケも程よい量感があり、積極的に活かしたいところです。

SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz

約60mm。常用域をフルカバーするズームレンズですから、スナップシューティングでのフレーミングは自由自在です。これがもし単焦点レンズなら予め撮りたい画をイメージして持ち出すレンズを決めるものですが、そんなことは被写体を前にしないと決まらないのもまた確か。引き出しが多いことは表現の幅も広げてくれますね。

SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz

約65mm、地下へ射し込むいい光を捉えることができました。前述の通り、高倍率ズームレンズは便利すぎるが故、足で稼がずズームリングで横着しがちではあります。でもまあ仕方がないですよね(苦笑)。ただ気軽にできるとはいえ、ズームリングでフレームを追い込みすぎない方が、自然な画面構成になるように感じました。ほんの少しの緩さって意外と大事なものなのです。


SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz

約70mm。大人気の標準ズームレンズ「TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 A063」のテレ端相当の画角になりますが、使っている上では大きな違いは感じません。強いていえば、F値が1段暗くなることぐらい。強力なボディ内手ブレ補正がある今では、近接時のボケ量ぐらいでしかその違いを感じることはないでしょう。むしろここからぐぐっと被写体へ大きく迫りたいと思われる方には、本レンズの方が“標準“ズームレンズとして相応しいのかもしれないですね。

SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz

約100mm。立体感ある描写です。ボケ味も結構いいですね。高解像なレンズに加え、完全に溶かすほどのF値ではありませんから、このカットのような情報量の多い背景は煩くなりそうなところですが、そのあたりは巧みに処理してくれているようです。

SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz

SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz上のカットはテレ端の200mmで撮影。もう一方は同じところで撮影したアザーカット。こちらは約65mm。こういったバリエーションを1本のレンズで実現できるのは、望遠域までカバーしたズームレンズならでは。

SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz

75mm。日が落ちてフラットな光となりつつある中で、シャドウ部のディテールも諦めずによく残してくれたと思います。使い込まれたアルミ板らしい独特の質感の再現も見事です。

SONY α7R V, TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD Model A071, Photo by Naz

逆光時にはフードの有無を問わずフレアが出ることがありました。でもそのフレアがちょうどいい塩梅なのです。積極的に活用したいところです。


発売から5年を経てもなおベストバイな高倍率ズームレンズ。

冒頭でも書きました通り、発売いから5年を経ていますが、今でも変わらずおすすめしたいレンズでありました。便利だとわかっていても、高倍率ズームというと解像力が足りないとか、テレ端の描写が甘い等のネガティブなイメージを抱いていましたが、それはもう過去の技術なんだと再認識させられました。もちろんより高いレベルで写りを求めるなら、同じズームレンズでも倍率は低いほど有利にはなりますが、このレンズで撮影していて「足りない」と感じることは一度もなかったこともまた事実です。ちなみに本レンズの全長117mmというサイズは、「TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 A063」の全長となんと同一、驚きですよね。200mmのような本格的な望遠域を高頻度に使う方は、他の望遠ズームや同じ28mmスタートでもテレ端がより伸びる「TAMRON 28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD A074」の方が便利に感じられるかもしれません。本レンズが力を発揮するのは、標準ズームのテレ端70mmより先の中望遠を諦めずに使えるということです。そこって意外と欲しくなるんですよね。

( 2025.06.02 )

Loading..
Loading..

標準域から中望遠までをフルカバーするズームレンズ。高倍率ながら、標準ズームレンズと同等のサイズ感で携行性も良好です。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

ULCコートにより驚異の反射率0.1%を実現したハイエンド・プロテクトフィルター。レンズに使われるガラスと同等の光学ガラスを採用し、高い面精度を誇ります。もちろん防汚・撥水にも対応。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..