PHOTO YODOBASHI

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SONY α7R III, 24-70mm F2.8 DG DN II | Art, Photo by TAK

SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

高い光学性能を誇る「24-70mm F2.8 DG DN | Art」の発売から約4年半、2代目の「24-70mm F2.8 DG DN II」がデビューしました。重量は735gと先代から100g近い軽量化を果たしながら、ズーム全域での解像力も向上したとのこと。広角から中望遠とジャンル的に異なる焦点域を跨ぐ大口径標準ズームレンズの価値は誰しも認めるところですが、できれば少しでも軽くあって欲しいのが本音ですよね。実は先代のレポートも私が担当したのですが、実際撮影してみて軽快さが大幅に増したのを実感することができました。気になる写りですが、この1枚目だけを見ても高いポテンシャルを窺い知ることができます。40mmでの撮影で、白飛びを抑える露出にもかかわらず、シャドウの情報が完璧に記録されていました。京都の老舗、フランス車、和服。実は「イタフラ車」が多い京都ということもあり、この瞬間に巡り逢った時の嬉しさたるや。もちろん、このレンズの表現力、AF、焦点域がなければ、写真に収めることすらできなかったのですが。

( Photography & Text : TAK )

SONY α7R III, 24-70mm F2.8 DG DN II | Art, Photo by TAK

広角端24mmでは広がりを持たせ、パースペクティブを効かせた表現が可能です。逆光耐性もすこぶる良好で、どれだけ意地悪をしてもヌケの良い撮像を約束してくれます。遥か遠方の飛行雲までビチッと解像するあたり、「解像力向上」は伊達ではありませんね。空の青の深さもこれまた好印象です。

SONY α7R III, 24-70mm F2.8 DG DN II | Art, Photo by TAK

中距離でのピントの立ち上がりも文句なし。後方のボケにも柔らかさがあって、主題をいきいきと浮かび上がらせています。

SONY α7R III, 24-70mm F2.8 DG DN II | Art, Photo by TAK

最短撮影距離は、広角端で17cm、望遠端で34cmとかなり芸達者です。これよりも更にググッと、前玉がぶつかりそうになる程まで寄れたのですが、構図上の判断でこの位置で止めました。うっとりするような前後のボケからすっと立ち上がる花びら。大口径ならではの表現です。赤の再現力にも唸らされます。AFも狙った位置に難なく合焦してくれました。焦点距離は35mmです。


SONY α7R III, 24-70mm F2.8 DG DN II | Art, Photo by TAK

望遠端70mmの圧縮効果を使って、少し遠方を絞り込んで捉えてみました。予想はしていましたが、それにしても凄まじい解像性能です(クリックで等倍もご覧ください)。先代も相当なもので、と言いますか、私の節穴ではどちらも相当シャープで違いが判らないほどなのですが、とにかく被写体の詳細を余すことなく掬い取ってくれる印象です。ちなみに本レンズには新たに絞りリングが搭載され、より直感的な絞り操作が可能になっています。慣れ親しんだ位置で操作できるばかりでなく、電源オフ時にも設定を確認できる安心感があります。

SONY α7R III, 24-70mm F2.8 DG DN II | Art, Photo by TAK

つるんとした質感の表現にも、シグマらしい瑞々しさを感じます。ハイライトからシャドウの連なりにも色気があります。玉ボケも美しい。まさに主力を務める標準ズームの模範生のようなパフォーマンスです。

SONY α7R III, 24-70mm F2.8 DG DN II | Art, Photo by TAK

歪曲補正はオンにして撮影していますが、直線がそのままに再現されます。が、実はオフにしてもそんなに大きく変わらないことに驚きました。もちろん歪みが無いと言えば嘘になりますが目立つようなこともなく、このサイズで光学だけでよく頑張ったねと褒めてあげたくなります。元がこの水準であれば補正量も少なく済み、結果として画質の向上が図れます。完全補正を目指せば巨大化するわけで、補正量とサイズのバランスの取り方に感心しました。そしてやはり解像感も開放から全開で、京都駅ビルの様子も隅々まで克明に描かれています(こちらもクリックで等倍をご覧いただけます)。それにしても、ズームインして圧縮効果を使わなくても混雑して見える京都駅って、、、。駅内の移動にも今まで以上に時間に余裕を見ておかないと、約束に遅れそうになるのです。


SONY α7R III, 24-70mm F2.8 DG DN II | Art, Photo by TAK

何でもないカットですが、写りを見るとそういうカットでこそレンズの力が出るのかなとも感じます。トーンの広い方が丁寧でコントラストにも気品があり、陰影の表現が巧みです。またボケ量の遷移がどこまでも自然で、無限のステップを感じます。F2.8よりも明るいレンズはありますが、それでも被写界深度は浅い部類で、肉眼ではこうは見えません。こういう「連れて行ってくれる」レンズがあると、やっぱり写真って楽しいなと思いますね。

SONY α7R III, 24-70mm F2.8 DG DN II | Art, Photo by TAK

SONY α7R III, 24-70mm F2.8 DG DN II | Art, Photo by TAK


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光学系を刷新して一層扱いやすくなった、盤石のII型

先代からすると値段も上がってはいるものの、それでも純正に比べると大幅にコストを抑えることができるのは事実です。写りに関しては大満足。先代譲りの美しいボケやヌケの良さを受け継ぎながらも一層切れ味が増していて、あらゆるジャンルの撮影を高い次元でこなすことができます。AFに関しては、98パーセント満足(満点のものなど存在しない中で)。まれに暗所で迷うことがありましたが、測距点を少しずらしたりすれば難なく対処できますし、スピードで気になる点もありませんでした。何よりも嬉しいのはやはり軽さですね。先代を担当して以来当然歳をとった私、軽量化のお陰か前回よりもむしろ楽だったかもしれません。手ブレ補正非搭載なのは先代と同じですが、このカテゴリーで搭載しているメーカーの方が少ない現状にも興味深いものがあります。非搭載の理由のひとつとしてミラーレスの軽快感を損ねないこともあるでしょうし、一眼レフのようなミラーショックもないこともあるでしょう。いずれにしても、これだけ軽くなるのであれば非搭載も大歓迎ですね。それなのに、絞りリングやAFLボタン(しかも2箇所!)やズームロックスイッチなどの物理的操作部まで満載しているのですよ。もはやこれ以上何を望めば良いのかわからなくなる程に充実したII型。すべてのソニーユーザーにおすすめいたします。

( 2024.06.06 )

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フィルター径は先代と同じ82mmです。

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