PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
TAMRON 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 Model F050 vol.1 vol.2
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
TAMRON 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F050)のシューティングレポート第二弾です。焦点距離20mm、開放F2.8のフルサイズEマウント用単焦点レンズ。発売が2020年1月ですからもう4年半以上前。もちろん、その当時に第一弾をレポートしています。では何故、このタイミングで第二弾なのか。それはひとえにこのレンズが素晴らしい上に、タムロンにこんなレンズがあるよ! ということを知って欲しいからに他なりません。このレンズの素晴らしいところはどこか? 答えは簡単。1)小さい。2)軽い。3)写りが良い。4)使い勝手がよい。5)安い。どうですか? 完璧ですよね? これ以上望むことなんてありませんよね? 詳しいことはまた巻末に書きますが、ひとことで言えば「持っておいて損はない、使い所がちゃんとあるレンズ」というわけです。
( Photography & Text : NB )
頭上を覆う木々の葉は一枚一枚までしっかり解像。そして、その遥か向こうにある雲との間の「途方も無い距離」が、きちんと立体感を伴って表現されております。夏の夕暮れですが、不思議と蝉時雨は聞こえて来ず、完全なる静寂の中ですべてが停止している、そんなイメージの写りになりました。
映画「羅生門」の冒頭のような雨。ボディ側での収差補正は当然ONですが、およそ広角レンズで懸念される各収差はきれいに補正されております。その上で、硬くなり過ぎず、どこか柔らかさを感じさせる写りがこのレンズの特徴だと思います。
モノクロに変換しています。「白って200色あんねん」という名言の通り、ただの白い壁でも、実際にはいろんな白が複雑に混ざり合って作られているのが良く分かる写りです。
広角20mm。望むと望まざるとに関わらず、いろんなものが写り込みます。
思いっきり露出を切り詰めたシャドーの中にあっても、彩度が失われない粘り腰。
花の鮮やかさ。柔らかさ。立ち上ってくる匂い。そういうものまで全て含めての「質感」。
実は、私が一番やられてしまったのはこの写りです。やや疲れたような花の(造花なんですけどね)儚い感じもさることながら、後ろのボケですね。「ボケ」というより「滲み」と表現した方が適切であるような、なんとも味わいのある崩れ方です。すぐ下にある白い壺の滲み方なんか、すごく好きです。
「寄れない広角はただの広角だ」という名言がありますが、思いっきり寄れる(11cm)このレンズは、ただの広角ではありません。「M1:2」は伊達じゃないのです。全長(マウント面まで)が6.4cm、Eマウントのフランジバックが1.8cmですから、レンズの先端から2.8cmのところまでピントが合う計算になります。このレンズの特徴とも言える柔らかさをまといながらも、ぴしっとした写り。
タムロンの単焦点
タムロンと言えばズームレンズ。高性能でリーズナブル、そして使い勝手のいいズーム域のラインアップはタムロンのお家芸ですが、実はミラーレス用単焦点レンズを3本用意しています(いずれもEマウント)。これはそのうち最も焦点距離が短いレンズ。写りはシャープな中にも柔らかさを残す、実にタムロンらしいもの。間違いのない、とても好感が持てる写りです。全長64mm、重さは持ってびっくりの220g。そして2024年8月現在、ヨドバシカメラでこれが税込41,800円で買えます。
革靴で浜辺に行く人はいませんし、ビーチサンダルで結婚式に行く人もいません。時と場所と目的(TPO)に合わせて身につける物を取捨選択します。レンズ(を含めたカメラシステム)も同じだと思いますが、その意味では、これはかなりカジュアルなレンズです。ここぞ! という満を持した作品撮影に向いているとは思いません。しかし、ちょっとしたお出かけやレジャーのお供までが重戦車のようなカメラでは(もちろんそんなことは個人の自由ですけど)、あまりスマートとは言えない。それでも写真を趣味とする人間として、写りの良さは担保したい。それも最低限ではなく、最大限。そこで必要になるのは、こういうレンズです。
繰り返しますが、2024年8月現在、ヨドバシカメラでこれが税込41,800円で買えます。
( 2024.08.08 )
この価格です。この写りです。そして「在庫残小」です(2024年8月時点)。それ以上言わせないでください。
このプロテクターを組み合わせた場合、プロテクターの価格はレンズ本体の価格のおよそ23%に相当します(2024年8月時点)。うーん・・・大丈夫、イケる。