PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
シグマから登場したAPS-Cフォーマット向け超広角ズームレンズ「SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary」の実写レビューをお届けします。こちらはEマウント版の紹介となります。フルサイズ換算15〜27mm相当の超広角域を広くカバーしながら、ズーム全域で開放値F2.8を実現しつつも、全長 64.0mm × 最大径 72.2mm、質量も255gと驚くほどコンパクト、そして軽量な1本になっています。本レンズをマウントしたα6500とのバランスもよく、ボディとレンズを合わせた重量は約700gとフルサイズシステムでは得られない軽快感を持っていました。レンズ構成は10群13枚、FLD 3枚、SLD 1枚、非球面レンズ 4枚とContemporaryラインのレンズながらも光学設計には拘りが感じられ、7枚羽根の円形絞りも採用するなど、超広角ズームながらボケ味にも期待が膨らみます。フォトヨドバシでは既に、フジフイルムXマウント版とライカLマウント版の実写レビューもお届けしていますので、そちらも参考にしていただければと思います。それでは、早速ご覧ください。
( Photography & Text : Naz )
超広角から広角域をカバーする本レンズは、風景やスナップに最適な画角といえます。こちらのカットは10mmのワイド端で撮影。低照度下の室内だったため開放で撮影しましたが、必要にして十分な解像感が得られました。
16mm(フルサイズ換算23mm相当)で撮影。白菜まで手を伸ばさずとも届きそうな距離です。被写界深度が深いため背景は大きくボケませんが、ピントは明快で、アウトフォーカス部分もなだらかに変化していく自然な写りです。
最短撮影距離はワイド端で11.6cm、テレ端で19.1cm。こちらのカットは見上げるように撮影しました。主要な被写体が余程大きいものでなければ、かなり寄っても周辺が写り込んできます。その背景はやや賑やかに感じますが、それよりも2段絞ってもかなりボケるんだな、という印象を持ちました。ピントを置いた「やく」(花粉が付いた部分)はシャープに捉え、その手前にあるめしべや奥の花弁はアウトフォーカスとなる浅い深度です。
ほぼ水平で撮影。シャッター速度の関係で1と2/3段絞りました。順光でなければ広い画角故に太陽がかなりの頻度で入ってきますが、強い逆光でもフレアによる画質の低下もなく、超広角レンズながらも逆光には強く感じました。
日没後の暗闇迫る海岸にて。ISO 2500まで上げましたが、F2.8通しの明るさは暗くなってからの撮影にも役立ちますね。開放から遠景までバッチリです。
朝のハイキング。山中に差し込む柔らかい光を上手に捉えてくれました。24MPの解像力をしっかりと活かしてくれています。シグマレンズらしくカッチリと写りますが、力強さの中に柔らかさも感じさせてくれる硬すぎない描写に好感が持てます。
こちらはテレ端の開放。最短撮影距離に等しい撮影距離でしたが、近接での開放では少しホワっとした描写になりました。条件が許すのならば1〜2段程度は絞るとよりよい結果が得られそうです。
フードスレスレの右斜め上からの光で少しゴーストが出ましたが、これは演出としてわざと出る条件で撮影したもの。大きくフレアが出てしまうことなく、赤色や黄色に色づいた葉をくっきりと鮮やかに描き出してくれました。ヌケがいいようで、空の青さも気持ちがいいです。
小さく軽く高画質、そしてかっこいい。
いいとこ取りをした1本です。
フルサイズ換算15〜27mm相当の小さく軽い超広角ズームレンズという新しい存在は、スナップ撮影や風景撮影だけでなく、登山のようなアクティビティーから日常的な撮影にも持ち出しやすく感じました。標準ズーム1本でというのももちろんよいですし、切れ目なく複数のズームレンズでという選択肢もあります。でも私には、敢えて標準域を抜いてこのレンズと小さく軽い望遠レンズの2本という組み合わせも意外と魅力的に感じました。手のひらに乗る大きさでこの高画質は嬉しいですし、この大きさ・軽さでしか得られない軽快感はこのレンズにしか撮れないシーンを生み出してくれます。
ひとつ付け加えておきたいのが、製品デザインのよさ。シグマレンズといえば、最近のiシリーズを代表する優れたデザインのレンズが多数出ていますが、それに比べるとAPS-C向けのDC DNレンズは少し野暮ったい見た目の印象でした。しかし本レンズは、くびれのあるデザインがとても格好よく、段差の設けられたズームリングは見た目だけでなく、操作性もよく感じられました。樹脂製の鏡胴となりますが、金属鏡胴の製品と同様にビルドクオリティも高く、強度も十分。どうぞ、あなたのフィールドへ持ち込んで存分にお楽しみください。
( 2024.03.29 )
デザインに一目惚れしました。しかも性能もバッチリですから、何も悩む必要はありません。
APS-Cフォーマットのフラッグシップボディ。この大きさで5段相当のIBISを搭載し、4K120Pのハイフレームレート動画記録にも対応しています。