PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY VLOGCAM ZV-1F, Photo by Naz

SONY VLOGCAM ZV-1F / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2

「SONY VLOGCAM ZV-1F」のレビュー第2弾をお届けします。コンパクトカメラとしては大きなセンサーに超広角単焦点レンズを組み合わせるというVLOG撮影特化型のパッケージは、見方を変えるとスナップシューティングにも相性のいいカメラでもあるのです。本機で採用している1型センサーは、記録を超えた質の高い写真を生み出せる最小のフォーマットであると以前より筆者は考えていましたが、これはセンサーに加えてキレのいい単焦点レンズを組み合わせることで実現するもの。例えば、フォトヨドバシでレビューしたRX0RX0 IIがそれに該当しますが、写りに定評あるRX100系をベースとしたであろう本機も、ZEISSレンズを組み合わせ、新たにその仲間に加わった1台であるといえるでしょう。割り切った仕様により、RX100 VIIと比べ半額以下というのも大きな魅力です。それでは作例をご覧ください。

( Photography & Text : Naz )

SONY VLOGCAM ZV-1F, Photo by Naz

ムービー撮影に特化したコンセプトのカメラとはいえ、ムービー撮影とスチル撮影はボタンひとつで切り替え可能。もちろんカメラの電源をOFFにしても、設定を保持していますから、スチルモードに切り替えて持ち歩いていれば、これがムービーカメラであることを意識することはありません。EVFのない背面液晶でのフレーミングも片手でサッと撮るにはむしろ好都合といえます。

SONY VLOGCAM ZV-1F, Photo by Naz多くのコンパクトカメラはスマートフォンと同じ3:4の縦横比ですが、1型センサーはフルサイズやAPS-Cと同じ2:3の縦横比。短辺と長辺の差が大きいため、超広角が活きる縦構図を積極的に使いたくなります。フレーム内にノビノビとした線が入ると格好いい構図を作れる気がします。

SONY VLOGCAM ZV-1F, Photo by Naz本来は動画撮影用の機能である「撮影時のタッチ機能」をONにしておくと、フレーム内で移動する被写体をAFフレームが自動追尾します。これは被写体を追いかける使い方で重宝するのはもちろんのこと、動かない被写体でも構図の微調整をしている間も被写体を追いかけてくれますから、スチル撮影でも有用な機能となります。

SONY VLOGCAM ZV-1F, Photo by Naz

超広角レンズでのスナップ撮影では、大きな空間を広く写し取るような構図を試してみたくなります。歪曲収差もよく補正されていますから、画面の端にも遠慮なく直線を入れることができます。

SONY VLOGCAM ZV-1F, Photo by Naz

曖昧さのない素晴らしい解像感。20MPという高画素なセンサーにしっかりと応えるレンズ性能を確認できました。フォーカスの外れた葉の縁と空との境界に色収差が出ているようですが、気になるほどではありません。

SONY VLOGCAM ZV-1F, Photo by Naz


SONY VLOGCAM ZV-1F, Photo by Naz

対応する感度はISO 80〜12800。ISOオートにも設定可能。暗所はより大きなセンサーのカメラと比べ画質では劣ってしまうでしょう。ただ余程の暗闇でなければ、F2の大口径レンズによりISO感度は急激には上昇しません。手ブレ補正は電子式で動画撮影時のみ機能するものですが、手ブレが目立ちにくい超広角と適度な重量感に加え、指かかりのよいグリップによる高いホールド性により、両手で構えればスローシャッターでも意外とブレにくく感じました。

SONY VLOGCAM ZV-1F, Photo by Naz

クリエイティブルックを「BW」に。夜のスナップでは光と影が強調されるため、モノクローム撮影をより一層楽しめる気がします。

SONY VLOGCAM ZV-1F, Photo by Naz

メカシャッターはなく電子シャッターのみとなりますが、読み出しが高速なセンサーのため、ローリングシャッター歪みはかなり抑えられています。対応するシャッター速度は1/4〜1/32000秒と日中でも開放絞りを積極的に使うことも可能です。


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超広角スナップが捗る、シャッターチャンスに強いカメラ

多くのコンパクトカメラが28〜40mm相当の画角を持ち、よりワイドなRX0やRX0 IIでも24mm相当となる中、ZV-1Fの20mm相当という超広角でのスナップシューティングは軽快かつ刺激的なものでした。本機はVLOG撮影向けの機能としてバリアングル液晶とコールドシューを備えていますが、液晶モニターを閉じ、コールドシューに外付けファインダーをつけてみるというのも、フィルムライクな撮影方法に近づけそうです。実際21mmファインダーを装着してみましたが、見えのいい光学式のファインダーで撮影するというのは、デジタルカメラのライブビューとは異なる楽しさがあり、超広角レンズらしく反射神経で眼前の光景を切り取るように撮影する体験は、フィルム時代のテンポのいい撮影体験を思い出させてくれました。

UIはカスタマイズ性が高く、シャッターボタン周辺の録画ボタンやC1ボタン、背面のボタンやダイヤルに任意の機能を割り当て可能。スチル撮影時に多用する、ホワイトバランスやISO感度のほか、クリエイティブルック等を割り当てることで迅速に各パラメーターを調整することができます。また本機は沈胴式ではないため、電源ONでもレンズが繰り出さず、AFも高速なインナーフォーカスにより、超広角スナップが捗るシャッターチャンスに強いカメラだといえそうです。

あえてウィークポイントを挙げるとすれば、データ保存形式がJPEGのみとなるところ。RAW撮影はできませんが、これについては開き直ってしまえば意外と大丈夫。後処理ができない分、撮影に潔くなるのはもちろんのこと、撮りたいイメージに合わせ予めクリエイティブルックで色味やコントラスト等を追い込んでおくのもいいでしょう。32GBのメモリーカードなら最高画質で2,500枚以上撮影可能。加えて写りはご覧の通り、センサーサイズの余裕すら感じる頼りがいのあるものでした。

( 2024.06.17 )

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優秀なスナップシューター。しかもVLOG撮影もできてしまうという、結構使える1台です。

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真っ白なボディがかわいいですね。装飾のほとんどないシンプルなデザインに白が映えます。

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RX100やRX1と同じバッテリー。2個持ちすると安心度が超高まります。

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レンズの前玉保護にもなるレンズキャップ。ダイヤルを回転させてシャッターを開閉できますから、外さずに撮影できて便利。ただし電源ON/OFFには連動しませんのでご注意を。

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コンパクトでリーズナブルな21mmファインダー。さすがフォクトレンダー、見えのよさは抜群です。

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少し大きなハイエンドの21mmファインダー。ZEISSレンズで揃えられます。

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