PHOTO YODOBASHI

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SIGMA fp L, 50mm F1.2 DC DN | Art, Photo by A.Inden

SIGMA 50mm F1.2 DG DN|Art

シグマよりLマウント対応の開放F1.2となる、大口径単焦点レンズ50mm F1.2 DG DN | Artが登場しました。これでArtシリーズのF1.2は35mm F1.2 DG DN | Artと2本に。本レンズは開放から高解像感と美しいボケ味を重視したのはもちろん、絞り込んでも滑らかな玉ボケを実現したシグマ初の13枚の絞り羽根を採用。そして大口径、AFでありながら携帯性を追求したコンパクト設計(クラス最軽量745g、シグマ調べ)と使いやすく進化しました。高い光学性能を維持しながら小型化するため、レンズのガラスを極減まで薄くするなど、無駄を削ぎ落としたレンズ構成と機構設計を採用しているとのこと。実際手に持ってみると、その軽さに驚きました。AFは高い駆動精度と静粛性が特徴のリニアモーターHLAを採用、最短撮影距離は40cm(最大撮影倍率1:6.2)、防塵防滴と日常的な撮影をサポートする機能も充実しています。F1.2が見せるボケ味、解像感、そして使用感を、フィールドを変えながら確認してきました。

( Photography & Text : A.Inden )

SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.Inden

まずは開放、遠景の描写です。桜の木が背景からスッと浮いてくる写りが素晴らしいです。被写界深度の浅さが独自の表現につながっているのではないでしょうか。ピントピークの被写体は小さな花一輪一輪まで緻密に描かれています。また各収差が徹底的に抑えられているため、色の滲みもなく、ヌケのよい描写です。さすがシグマ、開放から安心の写りです。

SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.Inden

次に近距離の描写です。フローティングフォーカスの採用により全域で安定した高水準の写りが可能になったとのこと。近距離撮影でもその高解像感、ヌケの良さは変わらないようです。柔らかい光につつまれたしっとりとしたシーンでも、コントラストがありメリハリが効いた画になっています。

SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.Inden

ピントピークから滑らかに溶けていくボケ味が、複雑な背景をうまく処理し、花を見事に浮き立たせています。前ボケ後ボケの傾向も変わらないため、全体が自然な感じにまとまっている印象です。花の透明感を出そうと逆光で撮影していますが、ヌケのよい描写で発色もクリアです。

SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.Inden

開放から画面周辺までシャープな写りです。人物の服のシワの様子までしっかりと再現しています。メニューの中にあるレンズ光学補正“周辺減光”をautoにして撮影すると、周辺減光はほとんど感じられません。


SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.Inden

AFは速く正確に作動し、かなりのスピードで目の前を走り抜けていく人物も、確実に捉えることができました。

SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.Inden


SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.Inden

F5.6まで絞っています。さすが絞り羽根13枚、点光源は滑らかな丸になります。下の2カットは同じ場所から絞りを変えての撮影。綺麗なボケを求めてほぼ開放で撮影していたのですが、本レンズであれば、背景の雰囲気を探りながら積極的に絞りを使うことができそうです。

  • SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.IndenF1.2:開放で撮るとどんな背景かわからないぐらいの大きなボケです。周辺に若干口径食が見られます。
  • SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.IndenF2:開放から1段半程絞ると口径食はほとんど無くなり、画面全てでほぼ真円になります。

SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.Inden

夜の雨はいつもとは違う雰囲気の写真を狙うチャンス。濡れた路面の写り込みを積極的に使ってみました。少々雨に濡れたとしても、防塵防滴の機材であれば安心ですね。

SIGMA fp L, 50mm F1.2 DG DN | Art, Photo by A.Inden


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日常使いの大口径F1.2

百聞は一見に如かず。トップの作例の原寸画像を用意しましたのでご覧ください。たんぽぽの綿毛の一本一本がキラキラと輝いて、繊細で透明感のある美しい描写です。ピントピークはもちろんキリッとシャープ。ボケも形を崩すことなく滑らかに自然にボケていきます。ありふれた言葉を並べるより常識を超えた独自の描写を約6000万画素の画像でじっくりとご覧ください。もう一つのトピックは「高性能な大口径は大きくて重いもの」と言う概念をガラッと変えたこと。本当に軽いです。ハイスペックのレンズを使うときは気合が必要ですが、この軽さにF1.2単焦点で撮るという緊張感も何処へやら、身も心も軽くなりサクサクと撮影していました。どんな条件でも使いやすく、いい写りをするレンズであれば、軽いことは正義ですね。いつでもどこでも撮り続けることで、レンズの持つポテンシャルは引き出されます。迷わず手に入れて、想像の上をゆく本レンズの写りを十分に堪能してください。

( 2024.04.23 )

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写りはいいんだけど、ちょっと重かったArtシリーズが、ここまでコンパクトに。

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晴れた日にどんなシーンでも開放で撮影したい方には、露出を3段抑えるND8がちょうどいい塩梅です。

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