PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
RICOH GR IIIx / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2
フィルム時代に初代GR1の写りに惚れ込み、デジタルになってからもセンサー違いで所有。GRシリーズ(GR)は写真ライフの欠かせない機材となっています。GRが手放せない理由は、スリムでコンパクトな携帯性の良さはもちろんですが、一番のポイントは写真が纏う空気感。GRはフルサイズ換算28mm相当にこだわり、センサーサイズに合わせてレンズの焦点距離をフィルム時代の28mmから5.9mm、18.3mmと変えてきました。フルサイズ換算で焦点距離が同じであれば、被写体との距離を同じにすることで、画角もパース感も同じになるはずです。でも、なんとなく写りが違うように感じていました。確かに焦点距離とセンサーサイズで同じ画角にすることはできます。ただ焦点距離による違いはあるのではと思っています。新たな画角フルサイズ換算40mm相当を持つGR IIIxで焦点距離26.1mmの写りを堪能すべくストリートをスナップしてきました。
( Photography & Text : A.Inden )
横浜 西口
根府川
新たな画角に懐かしい空気感
GR IIIxの上がりを見て「あ〜GRの写りだ」と感じ、改めて焦点距離26.1mmの意味を考えさせられました。画角が同じ場合、焦点距離の違いは被写界深度に関係します。例えばフルサイズ50mm F2とマイクロフォーサーズ25mm F2では画角はほぼ同じになりますが、被写界深度、つまりボケの量は違ってきます。ボケ量やボケ方が空気感を表現するひとつの要素と考えると、焦点距離の違いは写真が纏う空気感の違いになっていくのではないでしょうか。新しいGR IIIxから初代GR1に通じる懐かしい写りを感じたのは、焦点距離が26.1mmになりグッと初代の28mmに近づいたからなのかもしれません。フルサイズ換算40mm相当という新たな画角だけでなくフィルム時代の懐かしい空気感を手に入れたGR IIIx。一粒で二度美味しい本カメラ。いつもポケットに入れ気になるシーンに出会ったら、スパッと切り取るか、その場の雰囲気を写し止めるか。それは持てる人だけの特権です。
( 2023.01.20 )
基本デザインを踏襲し続けるGR。もう1台増えても身近なご家族すらも気づかないはずです。
双子のようなGR IIIをお持ちの方は色違いを購入してはいかがでしょうか。