PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH.
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
パナソニック・マイクロフォーサーズの魅力のひとつに、ライカレンズがあることは言うまでもありません。大口径レンズにつけられる「ズミルックス」の名を冠した本レンズは、F1.7という明るさと35mm判換算で焦点距離30mm相当の画角となる広角単焦点。雄大な風景を収めるにも、路地裏に迷い込んでスナップするにも使いやすく、被写体との距離感によって標準レンズのような使い勝手も備える、まさにオールラウンドな1本です。開放や近接における豊かなボケはもちろんのこと、特筆すべきは独特の柔らかな描写でしょう。その場の光をそのまま写真に留めるような表現は、くっきり・カッチリとした描写を求める現代レンズの傾向よりも、むしろオールドレンズの世界を思わせるユルい趣があります。忘れたくない大切な瞬間だから、シャッターを切る。被写体への優しい目線は、このレンズが残してくれることでしょう。
( Photography : Z II / Text : 48 )
現行ボディの高速シャッターを使えば、日中から積極的に開放を使うことができます。15mmとは思えない豊かなボケに、わくわくしてしまいますね。ボケ味もなかなか素直ですから、まずは難しいことを考えずに撮り歩いてみるのが良いと思います。
15mmらしく伸びやかな写りが楽しめます。普通絞るような場面ですが、敢えて開放でやわらかな描写を狙ってみました。十分な解像力を持っていますが、そこは開放F1.7。エッジの切れ味が少し丸められて、いい塩梅の写りになったと感じます。
広角とはいえボケますから、ディテールの描かれたピント面の被写体が際立って見えます。普通は絞って撮るべき記念写真、あえて絞りを開いてみるのはいかがでしょう。
少し絞るだけで描写は端正になっていきます。ストレートな直線が気持ち良いですね。絞ることで良好な画質を得られると共にほぼパンフォーカスとなり、ピント合わせもシビアに考える必要がありません。
夜も気にせず撮り歩けるのは、こういった大口径レンズの魅力です。高感度に強い現行ボディと組み合わせればシャッタースピードも稼げて、手ブレを恐れることもなくなります。コンパクトなレンズですから、朝から晩まで活躍してくれるはずです。ネオンのにじみ方など、個人的には好みなのですが、いかがでしょうか。
マイクロフォーサーズボディとの組み合わせは軽快そのもの。比較的広い画角で明るさもあり、使うシーンを選びません。使い勝手としては35mm判の28mmのような感覚に近く、旅や日常を撮るにはうってつけ。単焦点レンズの小気味よさ、明るいレンズのボケ具合など、写真撮影の面白さがたっぷり味わえる1本です。開放で柔らかく、絞ればスッキリと、絞りに応じた表現も楽しんでください。常用レンズとして毎日使うからこそ、このレンズの真価が発揮されるはずです。
( 2014.04.18 )
ライカ伝統のズミルックスの名を冠した大口径広角レンズ。開放付近での柔らかさを感じる描写から絞ればパンフォーカスにもと、絞り値による描写の変化を楽しんでいただけます。使いこなす腕は求められますが、多様なシーンに対応する上質な1本に仕上がっています。
鏡胴はブラックの他にこちらのシルバーもご用意しています。シルバーボディとのセットはクラシカルで上品な印象になりますね。