Panasonic LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 vol.1 vol.2

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

成り行き任せの旅に行くとなった時に、さてどんな機材をお供に選びましょう。今回は旅にピッタリの「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」であります。20mmは超広角の入り口のような焦点距離。目の前に広がる景色を一枚に収めることができるうえに、極端な歪みが少なく扱いやすい画角です。超広角と標準の間を自由に行き来できるというのも大きい。深度を稼げるという意味でも、被写体とその周辺の雰囲気を自然に取り込むことができ「旅の記録」にはむしろ好都合なのです。カジュアルに振り回せる道具は、旅の高揚感を損なうことなく良き相棒になってくれました。

( Photography & Text : TA )

キットレンズとしてリリースされるものには間違いがない

今となってはやや古さを感じるボディに今回初めてマウントさせてみました。中間のトーンに厚みがあって長く手放せないカメラではあるのですが、ダイナミックレンジという点では最近のカメラに比べるとやや弱い。ハイライトが抜けてしまうこともあります。どうだろうかと思いつつ露出をプラスに振って撮影した1枚。へえと感心してしまいました。太陽が大胆にフレームの中に入り込んでますが、ハイライトがとにかく良く粘ること。フレアによる画質の低下もなく、水の透明感までしっかりと再現されています。本レンズは「LUMIX S5」のキットレンズとして開発され、以降はLUMIXのフルサイズラインアップにおける定番キットレンズとして採用されています。最近では「LUMIX S9」のキットレンズとしても採用されていますね。各社キットレンズに秀作が多いということを鑑みてもそうですし、また実体験として実感してきたことでもあるのですが、キットレンズに間違いはないと改めて感じさせられるワンシーンでした。

広角端。伸びやかなスケール感があって開放感たっぷり。浮かれた気分にもぴったり。笑。とにかく気持ちの良い画を紡ぎます。

絵に描いたような青い空に白い雲な1日でした。雲の表情もよく出ていますし発色も申し分ありません。

31mm。3倍ズームは画角決定の迷いも少なく、気持ちの良い画角へのアクセスが素早くスピード感のある撮影が可能です。スナップ向きですね。

望遠端60mm。画面四隅を見ても曖昧さが一切なくよく写ります。とにかく何に対してもレンズを向けてしまうのですが、気軽にパシャパシャ撮れることが「撮る楽しさ」に繋がっている。そんな気がしました。

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それなりに深度があるので、被写体を置いてもその周りの情景も含めて切り取ることができます。街並みを臨場感たっぷりに記録できストーリーを伝えやすい。またフォーカスに気を取られることもないのでカジュアルに振り回せます。旅や街歩きのお供にぴったりなのです。

ボケを意識せずフレーム全体を活かした構図が作れるので、面白いアプローチができるのではないかと思います。主題と背景など、多要素を組み込んだ構成がしやすいのも魅力のひとつ。手前の木の葉や花のディティールの残り方も良い塩梅では。

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街歩きや旅のお供に理想的な1本

実は明るい50mm単焦点も持って行ったのですが、あまり出番はなく、使用頻度としては8割ほどが本レンズでした。広角端20mmは伸びやかで気持ちの良いスケール感を得られながらパースなどの観点で扱いやすい画角ですし、望遠端60mmは50mmよりも圧縮感が強まってこれまた面白い画角。広角にシフトした標準ズームは街歩きや旅のお供に絶妙なズームレンジだと改めて感じます。またそれなりに深度が深いので、被写体を置いても街の情景を含め切り取ることができます。例えば観光客と歴史的建造物、人物と都市風景などと、多要素を組み込んだ構成がしやすいというのも便利な点です。最大撮影倍率もハーフマクロに迫る0.43倍と使い勝手も上々、しかも小型で軽量です。旅先や街歩きを中心に写真を撮っているLマウントユーザーであれば、お供に理想的な1本ではないかと思います。安定した写りで、特定のシーンだけでなくどんな場面にも対応できるポテンシャルの高さがあり、気軽にパシャパシャと撮ることがとにかく楽しいレンズです。

( 2025.03.25 )