PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Panasonic LUMIX DC-TZ99 / SHOOTING REPORT
35mm判換算24-720mm相当までカバーするLEICA DC VARIO-ELMARを搭載したコンパクトデジタルカメラ「Panasonic LUMIX DC-TZ99」を紹介します。質量は約322g、外形寸法は幅約112.0×高さ約67.8×奥行き約43.1mmとポケットやカバンにスポッと収まるサイズです。描写は約2030万画素の高感度MOSセンサーにより、様々なシチュエーションで高画質を実現。動画機能を活かしたパナソニック独自の撮影スタイル「4K PHOTO」により、30fpsで撮影した画像の中から決定的な一瞬を約800万画素の静止画で残すことができます。そしてフォーカスセレクト機能、フォーカス合成機能によりピント位置や被写界深度を撮影後に変えられるとのこと。最短撮影距離はワイド端0.5m(MF時0.03m)、テレ端2mとグッと寄れ、クローズアップ撮影も余裕です。コンパクトなサイズに光学30倍ズームを持つ本カメラで、出会ったシーンをスパッと切り取ってきました。
( Photography & Text : A.Inden )
ワイド端での撮影です。ビルの意匠が精細に描写され、絞り開放から解像力の高さが際立ちます。直線は伸びやかに写り、画面周辺まで曖昧さは感じられません。
階段の赤い壁面に夕陽が差し込んでいる所を切り取りました。簡単な操作でズーミングができるコンパクトカメラであれば、一瞬で必要な画角にすることができます。本カメラのズーム操作はデフォルトではシャッターボタン周りのレバーでおこないますが、カメラ正面のコントロールリングに「ズーム」を割り当てることで、格段に操作しやすくなります。
AFはスムーズで正確、人物がカメラの近くでもシャドーの中でも、しっかりと捉えてくれました。
太陽を画面に入れると盛大にフレア、ゴーストがでます。フレア、ゴーストはモニターで確認できるので、ここまで派手であればエフェクトの一つとしてうまく使えるのではないでしょうか。
テレ端、開放の撮影です。ピントを合わせた柵の凹凸、何度も塗られたペンキの厚みまでわかる、立体感のある素晴らしい描写です。
同じ位置からワイド端で撮影。赤枠が切り取ったポイントです。光学30倍ズームの威力を感じますね。
テレ端、開放。最短撮影距離2m近くでの撮影です。トンボの羽の模様が緻密に描かれていて、解像力の高さを感じます。密集した雑草の中にいましたが、後ろボケが被写体を自然に浮き上がらせてくれました。手ブレ補正も強力で、焦点距離720mm、シャッタースピード1/125秒でピタッと止まるとは、その効果に驚かされました。ネイチャー撮影では、かなり重宝することでしょう。
同じ位置からワイド端で。どこにいるかわかりますか。答えは、画面をクリックして赤い枠がついた写真をご覧ください。
輝度差が大きい条件ですが、十分な画素数がありシャドーの階調は担保されています。光沢のある座面の生地がしっとりと表現されていて素晴らしいです。
シーンガイド/花をふんわり撮る
撮影モードには「シーンガイド」「クリエイティブコントロール」があり、簡単に好みのエフェクトをかけることができます。いいなと思ったのが「シーンガイド」のネーミング。逆光でふんわり撮る、ほのぼのした雰囲気で撮る、青空をさわやかに撮る、夜空をクールに撮る、花をふんわり撮る、スイーツをかわいく撮るなどなど。どう写るのか楽しみになるワードで溢れていて、文字を見ているだけで、ほっこりした気持ちになりました。
気になったシーンを自在に切り取れる高倍率ズーム
129、66.8、17.5、14.1、7.2、4.3と細かな数字が並ぶ焦点距離のExif(撮影データ)。そして同じ数字はほぼありません。撮影時にいかに細かくズームしているかがわかります。高倍率ズームコンパクトデジタルカメラのメリットは、ズーム操作が簡単で、ギリギリまで詰めたフレーミングがやりやすいことだと感じました。出会った風景を瞬時に切り取る面白さは格別で、すぐに本カメラの虜に。そしてズーム全域で変わらない素晴らしい描写も、思うがままのフレーミングを後押ししてくれました。また手ブレ補正も安心材料の一つ。仕様では正確なデータは表記されていませんが、720mmでもビシッと止まる性能の高さには驚かされました。広いズームレンジを持つだけでなく、この写りとサポートする機能が充実した本カメラであれば、ストリートスナップ、旅先、ネイチャー撮影など、どのようなシーンでも思い通りの画をものにすることができます。撮影はできるだけ軽装で、でも最高の一枚をモノにしたい。そんなワガママにピッタリのカメラです。
約184万ドットの180度チルト式モニターでセルフィー撮影も簡単にできます。
カメラをコントロールするボタン、ダイヤルなどは右側に配置されています。「4K PHOTO」がダイヤル下に配置され、ワンアクションで準備が完了するのは便利ですね。充電はボディ右側面のUSB-Cでおこなえます。
( 2025.06.23 )
遠くから近くまで自在に撮れてこのお値段。いつも持ち歩く一台にいかがでしょうか。
白も用意されています。