PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Panasonic LUMIX DMC-GM5 / SHOOTING REPORT
先だってのフォトキナでお披露目されたGM5。マイクロフォーサーズ機において最小ボディとなるGM1Kから派生した上位機種とあって注目を集めました。GM1Kから比べ、高さと厚さが数ミリずつ増えてはいますが、それでもまだまだ小さいボディ。しかもなおかつEVFまで搭載しているのですから、よくぞここまでまとめあげてくれたものだと感心するばかりです。ただやはり小さければいいというものでもありませんよね。操作性や写りなど、気になることは色々。実際に撮影しながら確かめてきましたので、作例カットを順次ご覧いただきたいと思います。
( Photography : T.Takahashi / Text : KIMURAX )
首からぶら下げていようが、カバンに突っ込んでいようが、さっと手に取りパチパチっとスナップできる軽快さはなんといっても魅力的です。動きのある被写体を前にしても、小気味よくAFが対応してくれるので、ついつい撮影枚数も増えてしまいます。GX7で好評を得た「16M Live MOSセンサー」と「ヴィーナスエンジン」を搭載しているとあって画質はバッチリ。このしっとりとした日本的な風景をも、情感たっぷりに再現してくれました。
ファインダー好き、液晶モニター好き、と各人の撮影スタイルや触れてきたカメラによって好みは分かれるところでしょう。でもやはり日差しのきついシーンなどにおいては、背面モニターよりもファインダーの方がフレームしやすいですよね。GM5のEVF(電子ビューファインダー)は116万ドットの高精細。視野角100%と見やすいものです。肝心な仕上がりはというと、ご覧のとおり。ハイライトからシャドーまで実にバランスよく描き込んでいます。あえて奇をてらった被写体を選ばなかったことで、そのリアリティある描写を感じていただけると思うのですかが、いかがですか?
パナソニックのカメラというと原色は派手目に出やすいという印象を持っていましたが、総じてニュートラルな色再現を見せてくれました。そしてシャープさの中にも自然な柔らかさを感じさせてくれる描き込み。背景からもしっかりと分離しています。
今回使用したのはキットレンズの「LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」です。ワイド端は12mmですのでさすがに歪曲収差がみられますが、広角ズームとしては想定の範囲内という感じでしょうか。14mm辺りにズームするとあまり気にならないレベルになります。こちらのカットは逆光ではありますが、わずかなゴーストの出現のみで破綻無く表現。F16まで絞っても回折現象は出ていないようで、ラインがすっきりと気持ちよく通っています。
高コントラストなシーンでの表現の巧さはわかりましたので、こちらのようなフラットな光りの中での描写はいかがでしょうか?ややもするとのっぺりとなってしまいそうな"白"を、自然なトーンでその表情をきちんと再現しています。椅子やテーブルによる"影"もボソボソにならずに、柔らかなニュアンスで表現しているではありませんか。こういったディテールの再現性にも、カメラのポテンシャルが現れていると思うのです。
本格的な一眼レフほど大きくはボケないマイクロフォーサーズのセンサーに、ズームレンズという組み合わせですが、被写体にしっかりと接近すれば、ボケ量もなかなかのものです。ピントのピークから柔らかくきれいにボケており、十分に雰囲気のある撮像に仕上がっていると思います。
空の階調表現、シャドー部の粘り。文句なしの仕上がりです。カメラには加速度センサーが内蔵されており、「あおり」と「水平傾き」の2方向の水準器を背面の液晶画面に表示できるので、きちっと揃えたいシーンではぜひ活用するとよいでしょう。
機能を削って小さくするのではなく、プラスして小さくするという発想
作例はすべてEVFを使用して撮影しました。これも単純に撮り手の好みによるものですが(笑)。片方の目だけで覗きこむことで、さあ狙うぞ!というある種のスイッチが入る気がするのです。そしてフレーム内だけにしっかりと集中できる、没入感が実に心地よくもあります。こういった一挙手一投足に共感できる方には、このEVF搭載というのはかなり重要なファクターとなることでしょう。コンパクトなパッケージングに、視野角100%のEVFをしっかり組み込むとは心憎い1台です。また、使用頻度の高い撮影機能などを割り当てることができる「ファンクションボタン」を7つも搭載するという凝り様。いちいちメニュー画面を開くことなく、露出補正やシャッタースピードなどの各種機能を呼び出せるので、煩わしさも少なくありがたいことです。徹底的な小型化を推し進めながらも、撮影に集中しやすい環境(機能)を整えているあたり、一度手にしたらなかなかな手放せなくなりそうな予感がします。操作性はもちろんのこと、常に持ち歩いてもさほど苦にならないという利点があればこそですが。作例カットでご覧頂いた一眼画質を、気軽に持ち歩けるのですから素晴らしいことですよね。携帯性に優れたキットレンズを手始めに、撮影用途に応じてマイクロフォーサーズ向けのレンズを買い足していくこともできますし。GM5ならきっと末永く、写真生活を楽しむことができるでしょう。さあ、まずは実際に手にとってみてください。この小ささで、この画質。使い倒してみたくなるはずですよ、きっと。
( 2014.10.31 )
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