PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO vol.1 vol.2
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
フルサイズ換算で16mm相当から50mm相当までをカバーするズームレンズ、「M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO」をご紹介します。本レンズは16mm相当スタートのズームレンズとしては稀なズーム倍率3.1倍を実現しており、目にしている光景を丸呑みする超広角から利便性の高い標準の画角までを自由に行き来することができるのが強み。望遠側に伸ばした標準ズームレンズは数多く出ていますが、16mm相当の超広角側まで拡張しているレンズは他に類を見ません。重さは411gと軽量で、持ち運び時にはよりコンパクトになる可搬性の高さも嬉しい1本です。フィルターの装着にも対応しており、防塵・防滴・耐低温性能も完備。またフォーカスリングを手前に引くことでMFに切り替わる機能も備わっています。至れり尽せりといった具合ですね。もちろん、「M.ZUIKO PRO」シリーズにラインアップされているレンズですから、光学性能も考え抜かれたものであることは想像に難くありません。高まる期待を胸に、早速撮り歩いてみましょう。
( Photography & Text : TA )
まずは屋内へと持ち出してみました。超広角はレンズの先を少し振るだけで画の印象が変わります。それは僅かな画角の差も同様。身動きのとりずらい場面でも、気持ちの良いフレーミングに落とし込んでいくことができるのがズームレンズのメリットです。こちらのカットはワイド端付近での撮影。閑静な状況を伝えながら重厚感漂う再現性に感じ入りました。これは紛れもなくレンズの力で、初手から面食らいました。
古い洋館特有のにおいを想起させるような艶かしい写りです。実はこのとき画面内に写り込まないよう足元は大開脚状態。体勢に無理がありましたが、要所要所で取り回しの良さに助けられました。
ズームアップして標準付近で。開放でピントは手すりの装飾部あたりに置いています。大口径レンズのような大きなボケではありませんが、それがかえって画面に奥行きを感じさせます。
引き続き屋内にて。ボディ側の強力な手ブレ補正機能を利用すれば、ISO感度を抑えた撮影が可能です。屋内であっても、手ブレの心配なく「超広角から標準までどこでも使える」恩恵のみを享受できます。
フィールドに出てみましょう。こちらは50mm相当。ピント面は緻密にシャープに描かれ、そのうえ時間の流れをも写し込んでいるように思います。和やかな休日の雰囲気が画面から伝わってきます。
前後のボケ、ピントの浮き上がり具合いかがですか。落ち着いた標準の画角は日常的なシーンに良く合います。
テレ側の最大撮影倍率はフルサイズ換算で約0.42倍、ハーフマクロに迫るマクロ機能を有しています。テレマクロゆえ程よいワーキングディスタンス。被写体に寄り切らないと大きく写せないということがなく、パースに気を使うこともないので扱いやすさを感じられると思います。
広角端16mm相当で撮影。いつでもどこでもどんな時も、常に安定した高解像な画が手に入ります。深度から外れたビルの窓枠、シャドーになった一枚一枚の葉の形状まで丁寧に描かれているのがわかります。広角やズームレンズで見られがちな歪曲もほとんどないと言っていいでしょう。
感心したことがもうひとつ。とにかく抜けが良いのです。歪曲の少なさと抜けの良さ、これにキレッキレの高解像が相まって、屋内であれ屋外であれ、爽快な写りに繋がっているように思います。
超広角域ではフレーム内に太陽が入ることがままあります。大胆にレンズを振り回してみても、終始気になるようなゴースト・フレアは見られませんでした。何の制約もなく振り回せるのは嬉しいかぎりです。
最強の1本
いかがでしたか。常に上質な写りで応えてくれるレンズで、どんな状況下においても抜群の安定感がありました。だからこそ振り回せる。結果、撮影が楽しいのです。写真を撮るよろこびを改めて味あわせてくれるレンズでした。最もよく使うのはフルサイズなのですが、それと同等のアウトプットを無意識のうちに求めてしまっているように思います。ですが本レンズで撮影していると、無意識に敷いたハードルなど吹っ飛んでしまうほど、ある意味最強のレンズのように感じました。いつでもどこでも「超広角から標準まで自在に操れる」恩恵のみを享受できますし、機動性も高く瞬間を逃すことがありません。取り回しが良く気軽に振り回せますし、ひとたびシャッターを押せば凄みのある描写に心が躍ります。「M.ZUIKO PRO」シリーズのレンズはいつも欲しくなってしまうのですが、今回も例に漏れず。山登りや旅、スナップ用途にピッタリでは?と、実際に購入して使用している場面を想像していました。「最強」の1本です。是非お試しください。
( 2022.12.09 )
16mmスタートのズームレンズとしては最大となるズーム倍率3.1倍を実現。写真を撮るよろこびを与えてくれるレンズです。
純正のプロテクトフィルター。タフな現場への持ち出しが想定されますので、レンズを保護してあげましょう。