PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO vol.1 vol.2
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
2021年12月の発売から多くのマイクロフォーサーズ・ユーザーに愛されているであろうOM SYSTEMの「M.ZUIKO DIGITAL ED 20mm F1.4 PRO」。フルサイズ換算で40mm相当になる画角は、フレーム内をシンプルに構成しやすいこともあり、身軽な一本として常日頃から撮り歩くには打ってつけでしょう。皆さんそれぞれにお好みはもちろんおありでしょうが、少々窮屈にも感じる50mmでも、周辺整理に気を遣う35mmでもない。おまけにAFはキビキビ応答するので、多少ラフに撮っても面白いようにうまいことハマる。結果、ついついシャッターが進んでしまうのです。軽快とは、まさにこのこと。しかも写りがいい。単焦点、大口径ですからね。なにせ“PRO”レンズですからね。本レンズ一本だけで出かけるのが楽しいこと、楽しいこと。冷たく澄んだ空気の中、光を求めて撮り歩いてきましたので、どうぞご覧ください。
( Photography & Text : KIMURAX )
鬱蒼とした木々に囲まれたお寺さんへの石段の途中。どうやら日照時間が短いようで、前々日に降った雪が残っていました。白く覆われた景色を勝手に期待して訪れた信州で、ようやく出会えた白い結晶。思わず嬉しくなってよく考えずにパチパチしてしまいました。画としてどうなんよって感じではありますが、絞り開放から画面全体に渡ってキリッと解像していることはお分かりいただけるのでは。
どっさり雪は積もらなくても、寒い。底冷えします。苔むした石の上には氷が盛り上がり、下には何本もの氷柱が。つるんとした氷のフォルムはもちろん、苔の表情や枯れ落ちた松の葉一本一本まで精細に描き切っています。
ほとんどが熟しきったぽたぽた柿状態。画面右の木の左側に、雲越しの太陽が薄っすら見えています。強い日差しではないものの、枝周りに嫌な色付きは見られません。
フォーカスした左手から前後のボケが実に自然です。左ドアのボケも盛大で、なかなかいい雰囲気を出しています。
絞り開放からこの解像感。気持ちいいの一言です。
遠景を開放でと思って構えていたところ、向こうで散歩していた大型犬が吠えだしたタイミングで一斉に羽ばたくではありませんか。ワンちゃんありがとう。心の準備もないままにひたすらシャッターを切った割にはこの通り。AFありがとう、ボディ内手ブレ補正ありがとう。そして明かるいレンズでよかった。
フォーカスした主役を丁寧に描き出す。デフォーカスエリアはゆっくりと溶かしていく。いいです。
とにかく絞り開放からきめ細やかな撮像が得られます。旅の記録に止まらず、その場の空気をも持って帰ることができるレンズであることは確かです。
必携、コンパクトな“PRO”レンズ
軽快に振り回せて、気持ちのいい写りが楽しめる。どのレンズにもそうあって欲しいと願いたいところです。ところが現実には、軽快さを求めて描写性能には多少目を瞑るのか、軽快さをちょっと我慢して描写性能を追求するのか。そんなトレードオフの関係がせめぎ合っていることは百も承知とはいえ、ついつい求めてしまうのが己の悪い癖です。その点、本レンズの落としどころはなかなかに素晴らしく、現在ラインアップしている単焦点PROレンズの中で最も小さく(全長:61.7mm)、軽く(重さ:247g)まとめられているのです。いい硝材を使い、手厚い枚数でぎっしり詰め込んだPROレンズとして、頭一つ抜けたこのスペックは大変魅力。常日頃から持ち歩きやすく、写りに隙が無いうえに情緒的表現力も持ち合わせているではありませんか。もし、フォーサーズ・ユーザーでまだお持ちでない方が、万が一おられましたらカートにお入れください。
( 2025.02.10 )
軽量・コンパクトでもよく写る。解像力、ボケ味、色乗り、どれをとってもさすがはPROレンズ。ちょっと広めの40mm相当の画角が、あらゆる場面で効きます。
反射率0.1%は業界最高レベル。単に保護するだけではない、レンズの性能を損なわないという徹底した考えに基づいたフィルターを。PROレンズにこそ。