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OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

本レンズは単体で1200mm相当までの超望遠撮影を可能とした、恐るべき超望遠ズームレンズです。機動性と画質の両立がマイクロフォーサーズシステムの強み。35mm判換算で倍の焦点距離相当の画角が得られることから、そのメリットは特に望遠域において絶大です。全長は264.4mm、重さは2,065g(フード別)と、同等のフルサイズ用レンズのサイズ感ですが、1200mmものリーチを考慮するとむしろコンパクトと言えるでしょう。もちろん「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」の存在も無視できません。が、本レンズのお値段はその半額。気になるのは画質ですよね。ご覧ください。

( Photography & Text : TAK )

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

こちらはエゾビタキという全長14.5cmの渡り鳥です。渡ってきた直後は人に慣れておらず距離を取ってくるのですが、本レンズの望遠端なら十分な大きさで捉えることができます。フルサイズ用600mmクラスを常用していると、射程距離が一気に伸びる感覚があり実に有り難いですね。実にシャープな描写でくちばしや瞳はもちろん細かな毛並みの様子まで具に再現されています。ボケも良い雰囲気です。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

こちらはミサゴという猛禽類。フルサイズ用600mmでも撮影を諦めるような高度でしたが、本レンズでは寄りが効き過ぎてフレーミングに手こずるほどでした。魚に狙いをつけていることが眼の様子からわかりますね。これも高い描写力があってのことです。残念ながら狩りの様子を見ることはできませんでした。ちなみにこの日はオオワシを狙っていたのですが、飛ばぬままに塒入り。まあそんなものです。ミサゴさんにはそんな時の保険として、毎度お世話になっています。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

カワアイサという水鳥です。こちらも冬に日本にやってくる渡り鳥で、この時は魚をゲットしていました。人が目的によって道具を使い分けるように、鳥類のくちばしも主食に応じた形になっています。カワアイサのそれは魚を獲るのに適したデザインなのでしょう。橋上から望遠端で撮影しましたが、パンキッシュなヘアスタイルもリアルに再現しています。鳥認識AFも忙しなく動き回る被写体にビターッと追従してくれました。手ブレ補正も強力で、OM-1 Mark II使用時に最大7.0段(広角端150mm時)、望遠端600mm時でも6.0段の補正が効きます。野鳥撮影では高速シャッターを切ることが多いので手ブレ補正は関係は、、、大いにあります。狭い画角での動体撮影ではファインダー像の安定が不可欠なのです。


OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

街に出てみました。立ち寄った喫茶店の方に「凄い機材ですね!」と驚かれたので、やはり大多数にとっては大きく見えるのでしょうね。ただ、こういう圧縮効果を効かせた切り取り方は標準的なレンズでは不可能です(400mm相当にて撮影)。被写界深度を稼ぎやすいこともマイクロフォーサーズシステムの強みで、ボケの不要なケースで速めのシャッターが切れるので助かります。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

300mm相当で貨物列車を後追い撮影。ずらりと並ぶ12フィート(全長約3.65m)コンテナたちがぎゅっと圧縮され、重厚長大な様子が強調されています。被写界深度を稼ぎ易いマイクロフォーサーズは、絞ることの多い鉄道撮影にも相性が良いですね。撮影地は北陸本線余呉駅。この時期は東北・新潟・北陸地方のお米も西日本や東海地方へと運ばれます。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

1/30秒で流してみました。手ブレ補正の効き方にも賢さを感じます。そう言えば今回の撮影では三脚はほとんど使いませんでした。もっとも、被写体を待つ間(これが一番長い)の置き場所としても三脚は欠かせませんが。


OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

望遠端が多めになっております。それが売りですから。ハイライトはもちろん、シャドウまでしっかりと解像していて、遥か遠方に浮かぶ島の神社の様子までわかります。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

お日様もここまで大きく写せます。雲の様子もシャープです。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK


  • OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAKジョビ子〜!小声で叫びながら近づきました。ジョウビタキのメス、自分が可愛いって絶対に分かってます。
  • OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK夕映の波紋も、1200mmで捉えたら抽象アートに。

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より遠くをキレイに望むには、またとない選択

単体で1200mm相当はシステム最長。距離というハンデを無きものにしてしまう、恐るべき奥義を持った無二のレンズです。しかもテレコンバーターを併用すれば最長2400mm相当という、さらに途方もない世界を望むことができます(M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20使用時。M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14使用時は1680mm相当)。操作面では直進ズーム機構と、ズームリング回転の重さを変えられるズームトルク/ロックスイッチが重宝しました。高い防滴防塵性能も頼もしい限り。手ブレ補正も本当に強力で、1200mmの画がこんなに気軽に撮れてしまうのか、すごい時代になったものだと感慨に耽っております。逆につい手持ち撮影に夢中になり気が付けば空を見上げてばかりで腕や首が、、、笑。スーパーEDなど高性能レンズをふんだんに奢った15群25枚なりの重さは感じますが、比類なき視界が手に入るのですから大いに納得です。画質においては「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」が勝る部分はあるのかなとは思います。製品の性格から言ってもそうでなければ困りますしね。また単焦点「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」にテレコンを組み合わせても、素晴らしい結果が得られるでしょう。では本レンズはどうなのか。これが中々どうして堂々としたもので、まさに即戦力となる高い描写力です。何といってもこの長大なるリーチ、そしてコストパフォーマンスは代え難い。そこから300mm相当までシームレスに引ける利便性はもちろん、全域で被写体の特徴を具に捉える高い能力を有しています。特に野鳥など近づきにくい野生動物を少しでも大きく捉えたい方には、これ以上の選択肢はないでしょう。是非ご検討ください。

( 2024.12.10 )

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アレの半額のお値段。リーチ最優先ならこれ一択ですね。

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フィルター径は95mmです。

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レンズ単体で2kg越え。日頃の鍛錬が次の一枚を確約します。

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