PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
OM-D E-M10のキットレンズとしても扱われている標準ズーム。35mm版に換算すると28-84mmの画角に相当します。沈胴式というギミックにより収納時には大変コンパクトになることが特徴的なレンズです。つまり画角もサイズも、普段からカバンの中に入れておくのに恰好のレンズ。沈胴すれば22.5mmという薄さながら、非球面レンズ3枚、EDレンズ1枚、スーパーHRレンズ1枚を使った7群8枚という贅沢な構成で写りも上々。パワーズームのコントロールには、ちょっと慣れが必要になりそうな印象ですが、コンパクトカメラからのステップアップとして選ぶには寧ろ使いやすい操作感と言えます。単焦点のパンケーキレンズやボディキャップレンズといった“ウェアラブル”なレンズラインナップに新たに仲間入りしたコンパクトな標準ズーム、一見の価値ありです。
( Photography : Z II / Text : 4beats )
標準=50mmより少しだけ広めの44mm相当の画角で、広々とした景色の中を駆け抜ける学生たちをキャッチ。これ以上望遠側にしてしまうと背景の伸びやかさを感じにくくなり、これより広角側にすると学生たちの息づかいが伝わりにくくなるという、距離と画角の兼ね合いが意外と難しいカットです(実は、もう少し近くを通ってくれるという予測でしたが…)。近づいてくる彼らを見て慌ててズームを操作した数カットの中の一枚ですが、こういうときに瞬時に足を使って距離感を探りながらも画角を微調整できるズームレンズの便利さを再認識します。
レンズが小さいのでお散歩にも最適です。小さいために開放値はやや控えめですが、それでも十分に背景をボカして花を立体的に写すことができました。
最短撮影距離はズームの位置によって変わるようですが、離れても29cm、ワイド端なら20cmまで寄れるのですから接写やテーブルフォトだって難なくクリアできそうです。明暗差が功を奏して、地面から花が浮き立つような描写に。そこに水滴も加わることでリアリティが増した印象です。
ワイド端では僅かに樽型の歪曲が見られますが、このカットのように直線の多い被写体を選ばなければ、さほど気にならないレベルですね。ブラインドや建物の直線などをキチンとシャープに描いています。カーテンや空の発色の良さ、太陽を反射した壁面のグラデーション。気持ちのよい日中の空気感が伝わってきます。
ツヤツヤした葉の質感、陰影を携えた花の立体感。瓦越しに見えた小さな景色を見事に写し撮ってくれました。ミニマムなサイズながら、期待以上の仕事をしてくれます。
オリンパス・マイクロフォーサーズシステムのスタンダードとなる1本。
写真に収めたい光景にはいつ出会うか判らないからこそ、カメラは常に持ち歩きたいもの。ところがカバンに入れるために選んだコンパクトなレンズでは、画角や画質に譲歩が必要だったりします。本レンズの登場で、そんな今までの常識はもはや過去のものに。ミラーレスカメラ用標準3倍ズームレンズにおいては、“世界最薄”というだけあって、沈胴時には単焦点の広角レンズかと勘違いするくらいにコンパクト。その上、普段使いには不自由の無い画角をカバーしたズーム域と、“ZUIKO QUALITY”を謳う画質まで兼ね備えた本レンズ。マイクロフォーサーズのボディとの、サイズを超越した実力派コンビネーションは、毎日の良きパートナーになってくれそうです。
( 2014.03.12 )
携行できる標準ズーム。落ち着いた黒、イイですよね。
ボディカラーに対してコーディネイトしやすいのはシルバー。これもイイ。
専用のレンズキャップがあるなんて、嬉しいですね。
もちろんボディキャップも2色ご用意しております。
プロテクターも。