OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

メタルの質感とデザインだけで、思わず触手が伸びてしまいそうな人も多いのではないでしょうか。フルサイズ換算で24mmF2というワイドの中では明るいレンズ。130gと軽量コンパクトにまとめられながらも、さすがは大口径短焦点レンズだけあって描写性能は非常に高く、開放すれば広角の割にはボケ味を添えることもできます。確かに見た目を裏切らない実力派。動画にも対応しており、AFは素早く静か。PENシリーズなどのボディ内の手ぶれ補正と併せれば、暗所での撮影にも活躍します。さらに便利なのが「スナップショットフォーカス機構」。フォーカスリングを手前にスライドするだけで、予め設定しておいた距離（例えばパンフォーカス等）にピントを即座に移動させることができます。ちょっといいお値段ですが、明るい広角単焦点レンズという事を考えると妥当でしょう。なにせこの写りですから、広角好きの人にはぜひおすすめしたい1本です。

( Photography : M.Ito / Text : KIMURAX )

レンズ構成枚数が少ない単焦点ならではのクリアな描写です。ピントピークも実にシャープ。日光をたっぷりと浴び、乾ききった象の肌の質感をしっかりと表現しています。

下階に吸い込まれていくようなエスカレーター。広角ならではのパースペクティブが印象的です。差し込む太陽光と各フロアの室内光の異なる色調がいいアクセントになっています。

明るいレンズは、室内でも絞り込む余裕があるから助かりますね。間接照明で周辺の天井が飛んでいますが、画全体の雰囲気を壊すようなことは無く、とにかく隅々まで丁寧に描き込んでいます。何気なく撮った1枚をも、あっさりと作品に仕立ててしまう力を感じます。

シャープなのですが、どことなく温もりのある描写とでもいいましょうか。太陽が徐々に低くなっていく時の流れまでも写し込んでいるようです。