PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
OLYMPUS ボディーキャップレンズ BCL-1580
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
マイクロフォーサーズ向けのボディキャップレンズ。カタログやメーカーサイトでは“レンズ関連のアクセサリー”の括りになっており「ボディキャップ>レンズ」というニュアンスなのでしょうが、F8固定でフルサイズ換算30mm相当の画角となる広角レンズとして十分活用できるのです。フォーカスはMFのみで、レンズ前面にあるレバーによる操作。レンズバリアを閉めた状態からレバーをスライドさせていくと、ピント位置を無限遠→パンフォーカス→最短距離(30cm)まで調節することができます。遠くの風景を写し込むなら無限遠で。細かいことはあまり考えずにお気軽スナップを楽しみたいという時にはパンフォーカスがおすすめ。どちらかといえば近景描写の方が得意という印象です。当然、慎重にレバーを微調整しながらびしっとピントがきた一枚を狙ってみるのもいいでしょう。撮影の際に条件はあるものの、それさえうまく揃えば、なかなかよい写りを見せてくれますので是非。値段的にも大変リーズナブルですし、コンパクトなPENシリーズに付ければレンズバリアを閉じたらそのままポケットへ、なんてこともできてしまいそうな気軽さがあるところも魅力です。
( Photography : Z II & M.Ito / Text : KIMURAX )
まずはパンフォーカスで。ちゃんと写っています。いや、しっかりと写っています。撮影“も”できるボディキャップなんて言ったら失礼千万。うっすらと汚れたアルファベットの雨染みまで、きちんと捉えています。
手前の杭にフォーカシング。絞り開放F8と被写界深度の深いレンズですが背景をぼかし気味にすることができます。荒削りというか硬さを感じさせる、これはこれで味のあるぼけ方で、フォーカスエリアを引き立てています。
厳しい目で見ればピントの甘さも感じられるものの、むしろ空間の雰囲気にしっくりとくる描写ではないでしょうか。フローリングの反り具合までしっかりわかります。つまりシャドーのグラデーションもきちんと表現しているということ。よくやってくれるボディキャップレンズですね。
「ボディキャップ代わり」と言われるレンズはいくつか思い浮かびますが、本当に作ってしまったオリンパスのセンスには脱帽です。カメラの台数分持っていてもいいくらいにリーズナブル、ご近所散歩や鞄のポケットにぜひどうぞ。