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OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

OM SYSTEM OM-1 Mark II / SHOOTING REPORT

コンパクトでしっかり写せるシステムをお探しなら、マイクロフォーサーズ規格を採用したOMシリーズが筆頭候補として挙げられるでしょう。中でも2022年に発売されたOM-1は、過酷な状況でも確実に仕事をしてくれる最上位機種として揺るぎない信頼を得てきました。積層・裏面照射型センサーで高画質を実現しつつ、約2000万という多過ぎない画素数によりデータサイズも抑えることができ、カメラ側はもちろんポストプロダクション時のデータ処理、管理においても大きなメリットをもたらしてくれる。とにかく全方面でバランスがいいんですよね。今回ご紹介するOM-1 Mark IIはその2代目。被写体認識、連写枚数、手ぶれ補正など先代から確実な進化を遂げ、従来得意としてきた望遠撮影はもちろん、普段使いやお仕事でも主力となる万能フラッグシップに仕上がっています。早速詳細をご覧ください。

( Photography & Text : TAK )

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

カイツブリという小さな水鳥です。かくれんぼのように潜っては浮上を繰り返すのですが、このように時々ブルっと体を震わせるようなキュートな動作をします。OM-1シリーズにはシャッターレリーズの瞬間から遡って記録できるプロキャプチャー機能があるので、一瞬の仕草も撮り逃しません。しかもRAWでも記録してくれる点が肝です。同様の機能を持ったカメラは他にも存在しますが、JPEGのみとなるケースも珍しくありません。本機がRAWでもプロキャプチャーできる理由の一つに、約2000万画素というデータ量のハンドリングの良さがあるのかもしれませんね。またMark IIでは、通常の連写時は、RAWでもカードがフルになるまで可能となっています。先代では枚数制限があったので有難い進化ですね。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

被写体認識も先代から向上したとのこと。いや、先代も素晴らしかったのですが、この手の動きものも相変わらず余裕で捉えてくれます。Mark IIには被写体選択機能が搭載されているので、群れなど複数の被写体を撮影する際、どの個体に合わせるか選択することも可能です。このトンビのカットでは全体を捉えた後、こちらが何をしなくても眼にピントを移してくれました。ちなみに他の猛禽類が生きた餌を獲るのに対して、トンビは死んだ魚を食べます。それぞれ担当分野があることで、エコシステムが機能しているのですね。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

こちらもプロキャプチャー機能を使ってみましたが、1時間経っても思った方向に鳥さんが飛んでくれません。しゃがんだ状態から久しぶりに立ち上がると、頭がフラ〜っと(笑)。それにしても鳥の動きというのは、無駄がなくて美しいものですね。連写機能については、静音連写SH1ではAF/AE固定で秒間120コマ、SH2ではAF/AE追従で秒間50コマまでの高速撮影が可能です(静音連写時はRAW枚数制限あり)。一瞬の動作を捉える場合、シャッターボタンを押した時点で遅いケースがほとんどなので、この機能は本当に助かります。


OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

解像性能とヌケの素晴らしさは先代譲り。マイクロフォーサーズは、OM-1から本当に次元が変わりましたね。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

Mark IIに新搭載された機能に、ライブGNDがあります。複数枚の画像を合成することでグラデーションNDフィルターと同等の効果を得る機能です。例えばこのカットでは画面下2/3ほどを適正露出で撮りたいところですが、そうすると空が白んでしまいます。Mark IIなら明るめに撮った画像と暗めに撮った画像をカメラ内で合成することで、ご覧の通り空だけを暗めにした、つまり物理的なグラデーションNDフィルターと同じ結果を得ることができます。効果の強さも3段階で調整可能で、境界線のはっきり度合いも3種類から選択できます。なお、複数枚の撮影となるのでカメラを固定するのがベストですが、優れた手ブレ補正機能のおかげで手持ちでも問題ありませんでした。フィルター効果の境界線の位置や角度も自由に設定できるのも便利ですね。このカットでは、ご想像通り山の稜線あたりに設定しています。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

マイクロフォーサーズで、ISO 12800ですよ。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

このカットではモノクロを選択して、鳥に視線を誘導しています。Olympus時代を含めOM SYSTEMのモノクロはPEN Fの頃から実にいい感じなので、積極的に使いたくなりますね。そして何と言っても、流し撮りでカメラ自体も動いているのにもかかわらず、木々の向こうを飛行する鳥にまでAFが追従してくれたことに驚きました。被写体認識機能も随分と定着してきましたが、被写体認識を使っても背景にピントが行ったりするカメラもあります。もちろん現時点で100%完璧に認識できるカメラなど存在しないのですが、OM-1 Mark IIの食い付きは相当高いレベルにあると確信しています。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

空が白んでいなければもう少しコントラストが出せたと思いますが、それでもこの写り。地力が無ければ実現不可能でしょう。

OM SYSTEM OM-1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS, Photo by TAK

ISO 5000とは思えぬ陰影のニュアンス。フルサイズの約1/4のサイズのセンサーにも関わらず、という枕詞はもはや不要です。


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「こうだったら」を誠実に叶えた、盤石のフラッグシップ

マイクロフォーサーズ新時代を告げた先代OM-1は、同システムへの期待値を更に上げるという好循環をもたらしました。そこで生まれたより高次元の要望を丁寧に実現し、バリバリにチューニングしたのがOM-1 Mark IIというカメラです。外見も銘板以外先代と全く同じなので、操作に迷うこともありません。今回は野鳥を中心に撮影しましたが、AFや連写コマ数などの「運動神経」に一層の磨きがかかり、確実に仕留める力が更にアップしていることを実感しました。まあそれが故の「フラッグシップ」なのですが、その中でここまで小型軽量を維持しているカメラは貴重であり、銀塩OM以来の血統をしっかりと受け継いでいます。そしてサイズ以外にも他と一線を画しているのが、ふた昔ほど前の銀塩一眼レフのフラッグシップを思い出すようなプライス。今時この予算でハイエンド機を手に入れることができるのは、OM SYSTEMだけと言って良いでしょう。センサーサイズという大きな違いはありますが、センサーの大小を決める基準はひとつではありません。アウトプットによってフォーマットを使い分けてきたのは、銀塩時代から変わらないのです。余裕はあるに越したことはないという考え方も正しいのですが、必要にして十分という考え方で「実」を取るのも至極スマートな判断です。遠景高周波の被写体を等倍でしか見ないケースはいざ知らず、ウェブはもちろんプリントを含む多くのアウトプットに対して必要十分どころかお釣りが来るほどの情報量を持っているのですから、使わない手はありませんよね。この身軽で充実したシステムを、その最新フラッグシップを是非お試しください。浮いたご予算と体力で、最高のチャンスに近づけること請け合いです。

( 2024.12.20 )

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英語で「informed decision」(十分な情報を得た上での賢い決断)という表現があります。OM-1 Mark IIほどこの言葉が似合うカメラはないでしょう。

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大口径標準ズームレンズとのキット。別々での購入よりも断然お得です。

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F4固定標準ズームレンズとのキット。こちらもかなりお得です。

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ヨドバシカメラならではの、野鳥撮影に活躍する超望遠ズームレンズ、テレコンバーター、常用できる高倍率ズームレンズ、そして双眼鏡の豪華なセットです。特に双眼鏡。レンズを構える前にまず鳥の姿を視認しなければなりません、じっくり観察して、外見的特徴や行動パターンを学んでおくと、発見率が上がります。

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シャッター数も増えるカメラです。予備は複数あった方が良いでしょう。こちらは2個同時に充電可能なチャージャーがセットになっています。

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カメラ側と合計で2個の充電池を使用できるパワーグリップです。縦位置でも同じ操作が可能なので、大型レンズ装着時でも安定したホールディングを約束します。

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今回の撮影で使用した、最長1200mm相当までカバーするとてつもない超望遠ズームレンズです。

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2016年発売以来、最高レベルの描写で野鳥撮影定番レンズとして君臨し続けている単焦点レンズ。キレキレの600mm相当がここまでコンパクトなのですから、さもありなん、であります。

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鳥が鳴いている場合は、見るよりも早く存在を確認できます。姿だけでなく、声でも鳥を覚えてしまいましょう。

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どんな鳥がどんな木の実を食べるのか知っておくと、後はその木の近くで待ち伏せすれば、、、。文一総合出版ハンドブックシリーズはコンパクトで面白く、集めたくなりますよね。私も持ってます。

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