Tokina AT-X M100 PRO D 100mm F2.8 MACRO vol.1 vol.2

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ニコンFマウント向けフルサイズ対応の100mmマクロレンズです。絞り開放からマクロレンズらしい十分な切れ味を見せ、ボケ味もすこぶる良好。さらには中望遠レンズとして、クローズアップ以外でも抜群のシャープな像を見せつけてくれます。キットのズームレンズでは飽き足らず、そろそろ単焦点レンズでも使ってみたいなぁ…とお考えの方にはお勧めの1本です。中望遠レンズの表現力を楽しみながら、クローズアップ撮影の面白さも堪能できるのですから、一粒で二度美味しいとはまさにこのこと。これだけの表現力を持ちながら、純正の同クラスのレンズに比べてリーズナブルに購入できるのは嬉しい限りです。MFの際のフォーカスリングのフィーリングもよく、こういった些細なところにまで配慮されているところもマルなのであります。

( Photography : M.Ito / Text : KIMURAX )

雫のつるんとした質感や、映り込みまでも細やかに再現されています。 絞り開放でグッと被写体に近づくと、ボケ量は盛大に。う～む、ちょっと抑えてみた方がいいかなと思い、1段ほど絞ってからレリーズしたカットです。ボケは背景との距離や絞り値、被写体のコントラストによっても変化するので、いろいろと条件を変えながら撮影してみると面白いですよ。左下と右上の葉のボケが若干硬めに出たことで、いいアクセントになってくれました。

絞りを開けばこのとおり。ふんわり柔らかな前ボケです。フォーカスエリアの解像感は至ってしっかりとしており、拡大してみると「r」の下にある植木の葉の表情まで、丁寧に描き込んでいるのがわかります。さすかです。

ダーク色をしっかりと締めながら、ボトルの丸みも実に自然に表現しています。コントラストもいい塩梅です。

気配のせいでしょうか？それともワンちゃんには、超音波モーターの音までも聞こえちゃうのですかね？AFは極めて静かなんですけどね。一瞬、振り向かれちゃいました（笑）

すぐ目の前に立っているかのようなリアリティのある描写。あるがままの姿を容赦なく描き出す解像力に感心しきりです。

フォーカスリングの操作感もよく、自分が狙った部分にピタリとピントを合わせられるのはとても気持ちがいいものです。 グリップテープの乾いた質感まで伝わってくるようですよね。デフォーカスエリアの金属部分のハイライトも硬くならずに、ふんわりとボケています。

それなりに絞っても、意外と被写界深度が浅いことがわかるのでは？きちんと奥行きが感じられますよね。発色も実にナチュラル。

遠景の描写もバッチリ。さすが単焦点中望遠マクロといわんばかりのシャープさで、歪曲もほとんどいっていいほどありません。寄ってよし、離れてよしの描写力。どんどん自分の足を使って撮りたくなるレンズですから、ぜひ一度手にしてみてください。

( 2014.12.26 )