PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Tokina AT-X 11-20 PRO DX 11-20mm F2.8 (IF) ASPHERICAL
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
ニコンFマウント、APS-Cボディ向けのDXフォーマット用レンズ。フルサイズ換算すると、16.5-30mm相当の画角を行き来できる超広角ズームレンズです。比較的に扱いやすい広角域を常用しながら、ここ一番でグイッとパースペクティブを効かせた超広角で、迫力のあるカットを手に入れるのもお手の物。焦点距離が11-16mmのAT-X 116 PRO DX 2を基に、テレ側を20mmへと設計したものが本レンズ。ズーム域がたった4mm拡がっただけで、使い勝手は格段にアップしたといえるでしょう。描写は、絞り開放から解像感があり、1段ほど絞ればさらに磨きがかかるという印象。明るいF2.8通しですから、昨今のデジタルボディによる高感度特性と組み合わせれば、室内での撮影はもとより夕暮れ時にもシャッターチャンスを窺うことができます。最短撮影距離は28cmと寄れるので、広角系ズームレンズながらボケを添えた画をモノにできるところもかなり魅力的です。
( Photography : Z II / Text : KIMURAX )
テレ端、開放ならボケ量もなかなかのものです。さすがF2.8。同じF値固定でもF4あたりになってしまうとここまでは期待できませんよね。柔らかさだけではない、ほのかに芯を感じさせるボケ味がなかなかいいアクセントになっています。
開放から1段ほど絞るだけで、画面の周辺にまでシャープさがしっかりと行き渡ります。仲良く鯉に興じている兄弟。半段絞りに止めることで、描写はキレ過ぎず、かといって決してユルくもならず、ふたりを優しく見守るような眼差しを表現してみました。いかがでしょうか?
広角系ズームながら、歪みはかなり良好に抑えられています。現実の世界観が崩れないというか、ありのままに捉えることができるわけです。テレ端はお散歩コースでのスナップにちょうどいいですね。コントラストも上々です。
中間域での絞り開放の画です。広角レンズではよく見かけられる周辺の流れや、色の滲みもほとんど見当たりません。
こういったシチュエーションで撮影すると、特に枝のあたりにフリンジが発生しやすいものですが、さほどナーバスになる必要もなさそうです。絞り開放でもこれだけの解像感が得られるのですから、ついつい絞りを開きたくなるというものです。
もともとラウンドしている建物なだけに、ワイド端のパースペクティブによってラウンド感がさらにデフォルメされました。広角系レンズは撮影アングルを工夫することで、かなりパンチのある画作りができますので、いろいろと遊んでみるといいでしょう。
広角系で絞り込むと画はフラットな傾向になってくるものですが、雲の立体感が素晴らしいですね。ズームレンズながらヌケのよい描写で、Tokinaらしいブルートーンが気持ちよすぎます!
ズーム比は1.8倍ですが、表現の幅がかなり広いレンズであることがお分かりいただけたでしょうか?特にテレ側の画角は、ちょうど視界を再現してくれるような広さで大変扱いやすかったです。よくぞテレ側に焦点距離を伸ばしてくれました(笑)。近景も遠景もしっかりとした解像が得られ、これだけヌケがよい画をもたらしてくれるのですから、自ずと出番が増える1本となるはずです。
( 2015.05.25 )
非球面レンズやSDガラスの採用で諸収差も良好に補正。広角の世界を堪能できる一本です。
トキナーのレンズを保護するのは、もちろんケンコー製ですよね。