PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Nikon Ai Micro-Nikkor 105mm f/2.8S
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
マニュアルフォーカス用のAiレンズ。こちらはキレキレの55mmとは違い、開放ではやや柔らかく、絞ればキリリとしてくるといった傾向があります。それを単なる癖とみるか、たった1本で異なる描写を使い分けられる便利な絵筆として使いこなすかで、本レンズの評価は分かれることでしょう。開放付近の柔らかさは105mmという焦点距離と開放値F2.8を利点とした、ポートレートなどにもぴったり。描写の細かいマクロが故に、ボケ味は距離や明るさによっては少々硬めに出ることもありますが、独特の美しさがあります。じっくりと時間をかけながら、納得の1枚を描いてみてはいかがでしょうか。
( Photography : T.Nakanishi / Text : KIMURAX )
グラスへの映り込みまで細かい線でしっかりと描いています。絞り開放でも主要被写体を大写しにしなければ、ピント面でビシっと捉えることができます。後ボケとなった屋外は、樹木の葉先に光がまわっている割には柔らかくボケてくれました。
照りがいい具合に玉ボケとなり、なんだか楽しそうな雰囲気さえ漂ってきます。円形絞りではないので、点光源を入れて絞ると角が出てきてしまうので、開放気味にするといいでしょう。
マクロの本領発揮というカット。ボケ味は前後共に良好です。
ローキー気味にして、霧で霞みかけている遠景をしっかりさせてみました。それにしてもこの立体感、ついつい開放して撮りたくなる心地よさがあります。
抜群のボケと解像力、マクロレンズはデジタルの時代にこそその性能を遺憾なく発揮できるのかもしれません。ほどよい中望遠は様々な場面で活躍します。
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