PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
Nikon Ai Nikkor 35mm f/1.4S
[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ
大口径広角にしてF1.4というスペックのマニュアルフォーカスレンズ。明るい開放値の割には、なかなかコンパクトに仕上がっています。絞り開放では、とろける様なボケ味をたっぷりと添えられると同時に、やや描写が甘くなる傾向ですが、周辺光量もまずまずといったところ。方や1段絞れば、びしっと決まる解像力を見せてくれるという豹変ぶり。絞りすぎると極普通な写りになるので、本作例と同様にF5.6あたりまでを探ってみるといいでしょう。開いて、絞って、異なる味付けが楽しめると思えば、F1.4は使い出のあるレンズではないでしょうか。
( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )
短焦点らしいヌケのいい爽快な描写。絞り込むほどに、緻密な解像感が増します。F5.6がピークといったところでしょうか。
室内灯と窓からの外光によるミックス光ですが、違和感というよりもなかなか魅力的な色気が添えられています。スチールロッカーの塗装面の微かな凹凸や、時計のメッキの質感など、ピント面での描写は精細。絞り込んでも十分ぼかすことができ、前後共に落ち着いた柔らかさのあるボケ味です。
豊かな階調で、コントラスト表現も良好です。ホワイト系の壁らしく、青空の映り込みまでしっかり表現されています。
ボケ量が大きくなる開放でのピント合わせはかなりシビアになります。ピンポイントで見てしまうと、どうしても若干の甘さは否めませんが、被写体によってはこのような描写がしっくりくるものはまだまだありそうですよね。
MFニッコールの銘レンズ。最新設計のレンズとは違う世界が待っています。新品が入手可能なうちにぜひどうぞ。